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#43【今週のブレイザーズ】Week2/Who's third-best player?

Week2──好ダッシュを決めて勢いを加速させていきたい週だったものの、負け越し。勝てた流れのゲームがあっただっただけに悔やまれます。そして、開幕から5試合。確実にステップアップしている彼の存在は、ブレイザーズ内では止まりません。

#4 10月22日(月) vs ワシントン・ウィザーズ

Three times 1Q 2Q 3Q 4Q OT END
Wizards (1-2) 28 34 16 33 14 125
Trail Blazers (2-1) 32 30 15 34 13 124
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

キリング・タイム

ブラッドリー・ビールは押しも押されぬスコアリングエースですが、クラッチタイム*1に弱いことでも有名です。ジョン・ウォールも決して勝負強いとは言えず、昨シーズンのチームクラッチ成績は21勝24敗(全体22位)でした。

2017-18 Clutch Stats FGM FGA FG% 3P%
ブラッドリー・ビール 0.9 2.8 .306 .205
ジョン・ウォール 0.8 2.4 .340 .267
デイミアン・リラード 1.0 2.3 .443 .364
CJ・マッカラム 0.8 2.1 .398 .286

開幕戦はケリー・オリニク(MIA)のプットバックによる逆転負け、2戦目はフレッド・バンブリード(TOR)のスーパータフショットの前に連敗。ツキのない負け方を喫していただけに、今日からのロードトリップは期するものがあったのかもしれません。

1st Win Heroes PTS FG 3P AST REB BLK
ブラッドリー・ビール 25 10/25 5/9 7 8 1
マーキーフ・モリス 28 9/15 6/10*2 1 9 1
ケリー・ウーブレイJr. 22 9/13 3/3 0 6 1

モリスは4Q-OTで17得点(5/6)の大爆発。ビールは前回の対戦でキャリアハイの51得点をマークしています。彼らは間違いなくブレイザーズキラーです。

2017年3月11日の試合。この時は連勝していてここから巻き返していくぞ...って試合だったので余計にショックがデカかったのを覚えています。
ビールのクラッチ3&ブロックとモリスの爆発によりシーズン初勝利を手にしたウィザーズですが...問題の瞬間がこちら。

4Qのラストプレイでモリスがカリーのジャージーを引っ張っています。プレイに影響が無かったとはいえ、ガキのスポーツのような振る舞いはプロとして有っていいものでしょうか。結局モリスは何のお咎めもなくOTに出場し9得点を挙げ、ヒーローになりました。その後罰金1万5千ドルが科せられたそうですが......。彼はヒーローではなく、ただのヴィランです。


苦い味

一時は勝ったかと思われた試合を、ほんのわずかな差で落としました。しかし、この黒星は忘れがたい黒星です。

FG FG% 3P 3P% REB TOV
Wizards 46/110 .418 15/37 .405 54 10
Blazers 43/108 .398 11/39 .282 70 19

セカンドチャンスポイントがブレイザーズ、ターンオーバーポイントはウィザーズが優勢で、そこでの差は着きませんでしたが、決定的に違ったのは3ポイントショット。ビール、モリス、ウーブレイJr.で14/22本(64%)。これはあまりにも決められすぎました。

しかし、この試合の流れを変えたソースはまだアッツアツ。2戦連続でザック・コリンズにフィニッシュタイムを持っていかれていたユスフ・ヌルキッチも3試合目でビーストしました。

HOT PTS FG AST REB STL BLK
ニック・スタウスカス 15 5/10 3 8 0 1
ユスフ・ヌルキッチ 22 9/16 2 18 2 0

スタウスカスはまたも大当たり。ヌルキッチはモリスに陰湿なファウルをくらっても、落ち着いてプレイできていましたが、ペリメーターは守れません。OTにミスマッチを狙われ、2度も突き落とされました。

こういうシーンを見ると、プレイオフでのニコラ・ミロティッチに対するミスマッチを思い出します。スモールセンター相手のヌルキッチはオフェンス面で利点はありますが、大事な場面でPNPの餌食にされてしまいます。コリンズとヌルキッチ、どちらを最後に持ってくるかは、シーズンが若いうちに試して見定めて行くと思います。

デイム・タイムが及ばず、CJ・マッカラムが13得点(FG5/25)と奮わず。さらに、どうでもいいターンオーバーも多すぎました。競り合いを制していくためにも、細かいミスは禁物です。


ベストプレイ:一足早いハロウィーン

サイモンズ...君は何歳だ?


#5 10月25日(木) at オーランド・マジック

1st road win 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (3-1) 33 25 33 37 128
Magic (2-3) 22 26 36 30 114
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

スターを探せ

前の試合でボストン・セルティックスに勝利していたため、トラップゲームにも成り得ると思っていました。試合内容はほぼセルツの自滅でしたが、どんなチームでも簡単な勝利は存在しません。今シーズン絶好調の"ニコラトリオ"の一角、ニコラ・ブーチェビッチマルク・ガソル(守備抜き)のように見えました。

One of Nikola PTS FG AST REB STL BLK
ニコラ・ブーチェビッチ 24 10/16 3 11 1 2

ヌルキッチがまたもPNPの餌食にされ、簡単に得点された印象です。素晴らしいシュートタッチで効率よく得点されましたが、彼にはゴール下の脅威がありません。そう意味ではジョナサン・アイザックがとても良いプロテクターに見えました。しかし、エーススコアラーもメインハンドラーもエースディフェンダーもいないのでリラードに軽く捻られました。

もちろんアーロン・ゴードン、2017年6位のアイザック、2018年6位モー・バンバからなるヤングフロントコートはとても魅力的ですが、ブーチェビッチら中堅選手に時間を奪われているため、彼らの本当の化学反応を見る機会は来シーズン以降になってしまいます。

ポイントガードでこんなにも悩んでるならば、トレイ・ヤング(5位)またはルカ・ドンチッチ(3位)を狙うべきだったと本当に思います。トレードを要請したけれどいい返事がもらえなかったとするならば...5位以上の指名権を得られなかった不運を嘆くしかありません。中堅選手を手放して、現在のアトランタ・ホークスのようなプレイ時間(地獄)を見てみたいところですが...。


パーフェクトゲーム

前半デイミアン・リラード7得点(FG2/8)、CJ・マッカラム9得点(FG4/6,3PF)。前半のリードを演出したのはまたもベンチ。合計40得点(FG18/27)を挙げた中でもザック・コリンズはキャリアハイゲームを更新。プロジェクト扱いだった彼はもういません。

X-Factor PTS FG 3P AST REB STL BLK
ザック・コリンズ 17*3 7/7 2/2 2 6 2 1

2Qラストにラッキーなブザー3も入り、運も良かった試合です。動画0:14あたりでバンバに対しターンアラウンドフェイドアウェイシュートを決めたシーンが最大のハイライト。エドデイビス(BRK)の出発を感じさせない活躍ぶりは予想範囲内。しかし、彼が密かにチーム内4番目のプレイヤー、いや3番目のプレイヤーに上り詰めようとしていることは予想外です。


スイッチ ON

前半おとなしかったリラード。シュート体勢に入ってもパスを出し、オフモードに見えました。しかし、後半で一転。後半だけで34得点し、新たなフランチャイズレコードをマークしました。オフに見えたリラードに火を点けたのはマジックファンのやじでした。

執拗にリラードの名前を大声で叫び、汚い言葉で罵っていた人がいたそうで。さすがに我慢ならなかったリラードは後半の"デイム単独ショー"で完全に黙らせました。要は、スーパースター相手のやじはやめておきましょう、ということで。

Angry Dame PTS FG 3P AST REB STL TOV
デイミアン・リラード 41 13/23 5/10 6 7 1 1

3Q頭に連続3を決めテイクオフ。4Qでは一時3点差に詰め寄られましたが、リラード&マッカラムで突き放し一度もリードを許すことなく優位に試合を運びました。ただ、マジックにFBPS*4を17点も許し、テレンス・ロスのようなシューターに対するスイッチミス、コミュケーションミスから簡単に得点を決めらました。

ウィザーズ戦のラストプレイでも、ブラッドリー・ビールに対するミスコミュニケーションから超ワイドオープンで3をうたれました。攻撃は昨年より遥かに良いですが、チーム全体のスティール・ディフレクション数が少ないので、ミスコミュでワイドオープンを作り出す機会を最小限に止める必要があります。


ベストプレイ:ヌルダンク

少しづつ成熟したゲームを見せてくれます。


#6 10月27日(土) at マイアミ・ヒート

Comeback Comple... 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (3-2) 22 20 37 31 111
Heat (3-2) 33 24 32 31 120
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

What year is it ?

ジャスティス・ウィンズロウウェイン・エリントンジェームズ・ジョンソンら主力ベンチプレイヤーを怪我で欠き、現ヒートベンチの各種成績は下位に沈んでいますが、この試合ではベンチがいつも以上の仕事をして勝利を掴みました。

Bench PTS FG% 3P% AST REB STL BLK
2017-18 41.0
(6)
.444
(16)
.368
(3)
8.6
(9)
18.1
(4)
2.9
(9)
2.0
(6)
2018-19 34.0
(27)
.408
(27)
.264
(28)
6.2
(28)
17.4
(15)
2.8
(17)
2.0
(13)
Today 43 .457 .462 4 17 4 1

この日にウィンズロウが復帰し守備に厚みが増しました。しかし...何と言っても今年で引退するレジェント、ドウェイン・ウェイドの予期せぬ大爆発によりベンチスタッツが跳ね上がりました。

Last Dance PTS FG 3P AST REB
ドウェイン・ウェイド 19 7/12 4/6 1 3

ウェイドは今シーズン(4試合)FG39%、3P25%とショットの精度を著しく欠いていました。しかし、動画0:07の美しいフェイドアウェイショットには時間が巻き戻ったと誰もが思うようなプレイを見せ、別人のような活躍をし、チームに勝利をもたらしました。

また、ハッサン・ホワイトサイドが6ブロック。ユスフ・ヌルキッチを完全封鎖する完璧なディフェンスでコートから追い出し、後半のリバウンド争いで常にヒートが優位に立ちました。ヒートはリバウンド、セカンドチャンス、ファストブレイクで圧倒。ホワイトサイドだけでなく、ヒートディフェンダー陣はヘルプが速く、チームディフェンスがとても機能していました。

Hard Paint OREB DREB 2nd PTS FBPS PITP*5
Blazers 8 34 12 4 32
Heat 16 40 24 15 48

Another Level

前半はセカンドユニットがボールを上手く回せずターンオーバーを連発、1Q2:40-2Q9:34までの約5分間で9連続ミスショット、ヒートはその間FG6/10で4-17のランを決めて試合を優位に進めました。復帰のウィンズロウとジョシュ・リチャードソンのディフェンスは強力です。

序盤からスターターもベンチも上手くいかず、2Q頭に最大19点差をつけられ、中々差を縮められない展開の停滞ムードが漂いました。ヌルキッチがホワイトサイドに素直にブロックされ、CJ・マッカラムも寒い日でした。それでもデイミアン・リラード...。やってくれます。

Monster PTS FG 3P AST REB TOV
デイミアン・リラード 42 15/28 5/11 6 7 1

この日の31得点目で記念すべき11000得点を達成。着実に歴史に名を刻んでいっていますが、彼のモンスターゲームを意味あるものにするには勝たなければいけません。

4Q残り6:19で同点に追いつき、3:52には3点差つけましたが、コリンズがゴラン・ドラギッチに3シューティングファウル(なぜか公式ではレナードのファウル)、極め付きはケリー・オリニクへワイドオープンを許してしまう痛恨のミスをやってしまいました。

ホワイトサイド対策として、マイヤーズ・レナードザック・コリンズを並べたことは半分上手くいっていたと思います。ただ、このラインナップはマイヤーズのロングシュートのみを期待し、他を諦める諸刃の剣ラインナップです。一番はモーリス・ハークレスの健康な帰還。頼むから、完璧に治してから出てくれ!


ベストプレイ:ET-handle

HAPPY BIRTHDAY ET~♪ HAPPY BIRTHDAY ET~♪


Week3のブレイザーズ

#6 10月29日 (月) at インディアナ・ペイサーズ

全26ウィーク中唯一の、5試合ウィークの始まり。気が抜けない5試合の初戦はベンチとスターターのバランスが非常に良いグレイトチーム。ビクター・オラディポに対するのがマッカラムなのでビッグゲームをされる可能性大。しかし、その他からの得点を最小限に抑えれば勝ち目があるはず。要注意はキャリアシーズンに突入しているボヤン・ボグダノヴィッチ



#7 10月30日 (火) at ヒューストン・ロケッツ

何かとホットな話題が尽きないロケッツ。ジェームズ・ハーデンの欠場はすでに発表済み。そのためクリス・ポールクリント・カペラのホットラインを塞げるヌルキッチの活躍に期待。リラードとポールのいざこざもあった場所なので、勝利して"気持ちよく"ロードを終えたい。



#8 11月1日 (木) vs ニューオーリンズペリカン

意識しなくても意識してしまうペリカンズとのシリーズ初戦。プレイオフのことは頭の片隅に置きつつ、新たなブレイザーズの真価を見せなければいけない重要な試合。ニコラ・ミロティッチに火を付けさせないことがこの試合の最も重要な点。ドリュー・ホリデーのドライブを本当に止めたい。



#9 11月3日 (土) vs ロサンゼルス・レイカーズ

レイカーズがリベンジに燃えるであろう試合。前回おとなしかったレブロン・ジェームズに試合を支配されても、ファストブレイクを最小限に抑えてペースを維持していくことが重要。そして、デイミアン・リラードはどこにも行きません。



#10 11月4日 (日) vs ミネソタ・ティンバーウルブズ

この試合までにジミー・バトラーがいるかは不明。とても不安定な雰囲気がチーム内に漂っていてカール=アンソニー・タウンズは別人のように見え、アンドリュー・ウィギンズは相変わらず。もしバトラーがまだいるならば、チーム力の差を見せつけて勝利したい。この週は若いシーズンの大一番。4勝1敗で切り抜けることが理想。


*1:残り5分で5点差以内

*2:キャリアハイ

*3:キャリアハイ

*4:ファストブレイクポイント

*5:ペイント内の得点