WE ARE THE NORTH WEST

#52【今週のブレイザーズ】Week10/ワイルドレース

Week10──1位から14位までがひしめき合っているウェスタンカンファレンス。昨年以上に団子状態となっていますが、今は順位云々よりも1戦必勝で。勝ち越したこの週の勢いそのままに、2018年を良い形で締めくくりましょう。


#30 12月17日(月) at ロサンゼルス・クリッパーズ

Foul Crash 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (17-13) 37 21 42 31 131
Clippers (17-13) 29 31 28 39 127
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

キャリアナイト

ハリスアレキザンダーはそれぞれ得点でキャリアハイをマーク。一時期の勢いにかげりが見え始めたかな...というクリッパーズですが、全然そんな様子を感じない戦いぶりでした。彼らの得意な点取り合戦に持ち込まれたら、やや分が悪い気がします。

Rising PTS FG 3P REB AST TO
トバイアス・ハリス 39*1 15/22 3/6 11 1 1
シェイ・ギルジャス=アレキザンダー 24*2 9/15 2/7 2 3 2

特にハリスは前回(34得点)に引き続きまたしてもやられました。彼のジャンプショットは止めようが無く、何をしても得点されてしまうような雰囲気すらありました。ライジングスターのアレキザンダーは得意の高いリリースポイントからのプルアップが良く決まり、得点だけでなく出場時間もキャリアハイでした。長い腕が厄介で、リラマコも随分手こずっているように見えました。

しかし、ウィリアムズ不在とブラッドリーの無得点が響きました。ベンチからは相変わらずハレル無双でオールラウンドの活躍。ブレイザーズベンチは彼1人にやられていました。ただ、彼がフレグラント2を犯して退場してくれたのは前回とは逆のラッキーでした。

ルール上では肘鉄を(敵の顔などに)食らわせたらフレグラント2らしいので、今回のプレイに合致しています。他にもブラッドリーリラードへのアリウープファウル、ガリナリアミヌの腕掴んだ掴んでないに対するノーコールなど、クリパファンからしたら"はぁ?"と思うコールがあったことは否めません。


Super-Star Moment

ベンチはラプターズ戦のように上手くいきませんでしたが、3Qにリラードの神がかった12分間のおかげで、最後まで何とか持ちこたえられました。ヌルキッチの強烈なスクリーンもアシストしてくれましたが、入りだすと止まらない。それがスーパースターですね。

3Q stats PTS FG 3P FT AST
デイミアン・リラード 22 7/9 5/6 3/4 2

しかし4Qはクリッパーズにミスマッチを散々利用され、点差を縮められ互いにファウルを出しまくる展開になり、4Qの両チームのフリースローは計36本。ブレイザーズは審判にも助けられて勝利しましたが、ヌルキッチが5ファウルになってリバウンドを抑えられなくなったのが痛かったです。敵地での押せ押せムードの流れを食い止めての勝利は、どんな状況であれ大きいです。

また、ヌルキッチの鋭いパスが光っていました。前の3試合でFG20.5%でPNRが決まりにくくなっているものの、アシストの数は日に日に増えています。

以前から裏へのパスは多く出していましたが、最近は狙って出せるようになっています。動画のハークレスへのパスはお見事。リラマコの被アシスト率も大きく上昇していて、彼らのFG%を上げる役割を担ってくれています。また、そのハークレスも2Qに派手なブロックをするなど、シーズン初の2桁得点。健康面が心配ですが、守備では頼りになります。


ベストプレイ:Super Rejected

グッドモード!


#31 12月19日(水) vs メンフィス・グリズリーズ

1Q 2Q 3Q 4Q END
Grizzlies (16-15) 18 34 19 21 92
Trail Blazers (18-13) 17 30 27 25 99
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

フィーバー収縮

一時はWCの先頭に立っていたものの、ここにきて4連敗。やはり最遅ペースのバスケットはもう時代遅れなのか、コンリー&ガソルを先頭にする時代で、もう一花咲かせられるかどうかはとても興味深いです。

1Qの序盤にトランジションブロック→ファストブレイを決めたジャクソンJrはとても積極的でした。あの手の長さと跳躍力は反則です...

また、2Q~3Qにかけて連続15得点したコンリーは熱かったです。この日は怪我で出場が危ぶまれていましたが、全くそれを感じさせませんでした。平均20得点・6アシストをしていても、WCに居る限りオールスターに選ばれることは無い、本当に稀な選手です。

他に目立っていたのが、ワイドオープンスリーを平気で外していたガソル。中盤以降はシュートを躊躇していたようにも見え、得点では全く振るいませんでした。そしてラブはガーベージ以外で久々の出場でしたが、すばらしいリバウンドマシーンでした。ノアがいるため出場機会は限られていますが、徐々にシューティング能力も身に着けてきており、ベンチで眠らせておくのはもったいない選手です。


続・ベンチ

最初に11点差ついたときは、どうなることかと思っていましたが、ベンチが再び爆発しタイに戻しました。シーズンハイタイの21TOを出しながらも、相手に救われた部分の多かった辛勝でした。特にコリンズが守備で力を発揮し、多くの得点を防いでいたのが印象的でした。そして、ファウルトラブル無し。これが大きいです。

また、コリンズ&マイヤーズのキャッチ&シュートのリリースも速くなっていました。特にマイヤーズは遅いフォームを持っているので、クイックで高確率を保てるなら理想的です。もちろん、4Qに一気にランを決めたオフェンスは最高でした!

Bench PTS FG 3P REB AST TO
Grizzlies 14 5/19 0/4 11 6 5
Blazers 44 15/29 5/12 23 9 8

ヌルキッチは例によって静かで、マッカラムも振るわない試合でしたが、リラードがまたも3Qに爆発。3Pの好調を維持し、40%台に乗ろうとしています。守備でもブロックショットを2つ決めるなど、素晴らしいツーウェイゲームを展開していました。

3Q stats PTS FG 3P AST STL
デイミアン・リラード 15 5/8 4/5 2 1

そして、この試合でリラードがキャリア500試合出場を達成。ルーキーシーズンから休むことなくフルタイムスターターとして出場し、偉大な記録を打ち立てました。今後彼以上のブレイザーが現れることはあるのでしょうか。


ベストプレイ:SAUSE DUNK

100点目行きたかった...


#32 12月21日(金) vs ユタ・ジャズ

we don't have night 1Q 2Q 3Q 4Q END
Jazz (16-17) 33 22 28 37 120
Trail Blazers (18-14) 26 23 19 22 90
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

脇役の活躍

ミッチェルは非常に静かな(3得点)夜でしたが、その他の選手たちの3Pがバンバン決まり、シーズン2番目に良い数字をマーク。ウォリアーズに競り勝った勢いそのままに、試合を優位に運び続けた完勝でした。

Jazz Nigh PTS FG 3P REB AST
リッキー・ルビオ 24 10/15 4/4 2 8
カイル・コーバー 18 7/12 3/7 4 2
ジェイ・クロウダー 16 6/9 4/7 1 0

前半に目立っていたのがクロウダー。トレードでやってきたコーバーはジャズとしては最多の得点をマーク。ブレイザーズとは違って、ベンチにハンドラーはいませんが、確固たるスコアラーを複数人持っている強みは羨ましくもあります。


Cold Game

終始試合をコントロールされ、決して得点が縮まることの無かったボロ負け試合でした。ベンチは誰かのアイソ頼みの淡白なもので全く機能せず、前の試合とは別物のベンチでした。さらに35アシストに加えシーズン4回目となる3P50%超えも献上。ジャズは昨年同様の強さに見え、5割を下回っているチームだとは思えませんでした。

クロウダーコーバーのショットを止めることができず、全体的にボールの動きが停滞していたように感じます。ペイントポイントもシーズン5番目に悪い34得点で、ペイントを攻めることもほとんどなく、内でオープンになった選手にパスを出さず、わざわざイージー得点を捨てているシーンが多くありました。

ベンチは基本的にアイソとロングシュートしか選択肢が無いので、それらが停滞すれば簡単に崩壊する現状は変わっていません。守備で勝つことは想像しがたいので、いかに得点のパターンを増やしていくかが継続していくカギになると思います。


ベストモーメント:Number 12

クリスマスでリベンジ!


#33 12月23日(日) vs ダラス・マーベリックス

wild night 1Q 2Q 3Q 4Q OT END
Mavericks (15-17) 27 25 28 27 11 118
Trail Blazers (19-14) 25 37 26 19 14 121
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

アンビリーバブル

現実では有り得ないブザービーターを決めたドンチッチ。ここまで印象的なクラッチプレイをしていますが、ここまでとは...脱帽です。あのショットはレギュラーシーズンのベストモーメントになるはずです。

2:11:............!?!?

OTではその輝きを見ることはありませんでしたが、絶望的な状況からOTに持ち込む勝負強さは一級品です。彼の攻撃的なゲームは素晴らしいんですが、ゴール下での守備は貧弱でした。そこが対戦するにあたっての唯一の救いですが、これから数十年に渡ってどんな選手になるのか。単純に楽しみでもあります。

これでマブスはロード4戦を全敗し5連敗。ロード成績は2勝14敗(リーグワースト)に。劣勢から盛り返すも、競り負けている試合が目立ちます。また、セカンドユニットの要であるバレアはハムストリングを痛めながらの出場でした。そんな中奮闘していたのが、もう1人のルーキーブランソンDSJの負傷により訪れた好機を物にし、中々に存在感のある試合をしています。

DSJ MP PTS FG% 3P% REB AST STL
負傷前 12.1 4.0 .395 .259 1.3 1.3 0.4
負傷後 27.0 10.7 .547 .279 2.2 3.2 1.3

彼だけでなく、開幕から多少出遅れたもののメルトン(PHX)ブラウン(DET)クルッツ(BRK)ら2巡目組も目立った活躍をしています。今年も昨年に負けないぐらいルーキー豊作なシーズンになりそうです。


フラリ

試合の流れはブレイザーズで、勝った...と思ったところから追いつかれてしまいましたが、あれを決められたんではしょうがありません。OTの1発目からマッカラムの気合のこもったダンクを決め、"同点に追いつかれた"というショックを吹き飛ばしてくれました。

チームはシーズンハイに並ぶ29アシストをマークし、ベンチもペイントで積極的に得点していました。大きく点差をつけられなくても、この日のように安定した得点が望めるようになると、いよいよバランスが取れてくると思います。特にマブスベンチには前回やられたていたので、リベンジできて良かったです。

また、目立っていたのがハークレス。前半だけで3つのドライブを成功させ、攻撃的なゲームをしていました。4Qの苦しいところのビッグスリーもありました。リラードも、彼を"ブレイザーズのXファクター"と呼び、これぐらい毎回やってくれることを期待しています。

vetelans PTS FG 3P REB AST STL
モーリス・ハークレス 13 6/9 1/2 4 1 1
マイヤーズ・レナード 13 6/10 1/4 6 0 0

そしてマイヤーズ。ハンマーも飛び出しましたが、彼のディフェンスは最近見違えるほどによくなりました。悲惨なときもありましたが、我慢した分だけそれに応えようとする姿勢が見えます。3P45%の7フッターをこれからも生かしていきましょう。アミヌはいつも以上に気合が入っていたように見えました。

ベンチがいい流れをつくったものの、残り4分で12点差あったリードを約2分で無くしました。マブスの驚異的な粘りはすごかったです。ジャズやマブスのようなチームが5割を下回り、プレイオフ圏外というのがWCの層の厚さを感じます。

ブレイザーズは、またもTOポイントを相手よりも多く稼ぎ(DAL7/POR17)ました。3Pは相変わらず入りませんが、今後も全てのWCチームとの対戦がこんな感じになるので、細かいところで勝っていくことが重要になってきます。


ベストプレイ:THIS IS LUKA MAGIC

GOAT...!!


Week11のブレイザーズ

#34 12月25日 (火) at ユタ・ジャズ

8年ぶりのクリスマスゲーム。つまり、リラード時代になって初。30チーム中10チームしか選ばれない特別な日は、もちろん特別な試合にしたい。やられた分、やり返そう。



#35 12月27日 (木) at ゴールデンステイト・ウォリアーズ

カリーグリーンも復帰し、完全体な王者とのシリーズ2戦目。とにかく相手を上回る攻撃的ゲームをして、早い時間帯に点差をつけられないことが重要。ウォリアーズのベンチ層は薄いので、セカンドユニットが圧倒できるか。



#36 12月29日 (土) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ

ホーム&アウェイですぐさま再戦。しかし、3戦目はホームでの戦いのため有利に試合を運びたい。"ウォリアーズに強いリラード"が見たい。最低でも1勝1敗になっていたらベスト。



#37 12月30日 (日) vs フィラデルフィア・セブンティシクサーズ

昨年はリラード無しで奇跡的なカムバックをした相手。前回キャリアナイトをしたヌルキッチエンビートの対決は見ごたえ十分。2018年ラストゲーム。もちろん勝って年を越したい!


*1:キャリアハイ

*2:キャリアハイ