#53【今週のブレイザーズ】Week11/ボスニアン・ビースト
Week11──正直この週は全敗を覚悟していたので、トントンでいけたのは上出来だったと思います。クリスマスは残念な形に終わりましたが、王者との試合は凄まじい試合となりました。そして、覚醒したボスニアンビーストによる勝負の2019年が始まります。
- #34 12月25日(火) at ユタ・ジャズ
- #35 12月27日(木) at ゴールデンステイト・ウォリアーズ
- #36 12月29日(土) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ
- #37 12月30日(日) vs フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
- Week12のブレイザーズ
#34 12月25日(火) at ユタ・ジャズ
Xmas night | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (19-15) | 24 | 23 | 23 | 26 | 96 |
Jazz (17-18) | 24 | 35 | 24 | 34 | 117 |
ゴール下の守護神
1997年以来のクリスマスゲームとなったジャズは、17'18年のDPOYゴベールがブレイザーズをシャットアウト。クリスマスの7ブロックは、2011年にデアンドレ・ジョーダンが記録した8ブロックに次ぐ成績。彼がいる限りゴール下に攻め込むことは不可能だと思わされました。
monster hands | PTS | FG | FT | REB | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|
ルディ・ゴベール | 18 | 7/10 | 4/9 | 14 | 1 | 7*1 |
また、ジャズは2桁得点が7人。誰かに頼ることなく、とてもバランスのとれたオフェンスをしていました。ベンチから静かに目立っていたのがエクサム。身体能力先行型のスラッシャーですが、この日は自由自在にボールを操っていたように思います。
Ex-mas pic.twitter.com/kD3H3H3QVQ
— Utah Jazz (@utahjazz) 2018年12月26日
Re
ブランドン・ロイ時代の07~10年には4年連続でクリスマスゲームを行っていましたが、この日はそれ以来のスペシャルゲームでした。負けたことは残念ですが、それ以上に面白い勝負を見ることができなかったことが残念です。あっけなく勝負がついてしまったので、全く印象に残らない試合になってしまいました。
出だしはジャズがスリーを外してくれていたおかげで僅差に保っていましたが、ベンチはターナーのミドルだけ、そして早々にベンチを諦め、中盤はリラマコ頼みの苦しい展開でした。ジャズのスリー攻勢で一気に差をつけられ、結局前回と同じような試合を見ているようでした。ゴベールをリムから遠ざけるためにマイヤーズを置いても、ほとんど効果がありませんでした...
4Q前半にベンチが9点差に追い上げた時がピーク。ヌルキッチのパスも読まれていて、アイソに頼る以外の攻め手がありませんでした。先行されるとつらいのがブレイザーズ。"せっかくのクリスマス"を楽しむことはできませんでした。
ベストプレイ:RUDY NIGHT
You guys give up, or are you thirsty for more? pic.twitter.com/ZuLFXUYqHN
— Utah Jazz (@utahjazz) 2018年12月26日
#35 12月27日(木) at ゴールデンステイト・ウォリアーズ
we night | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | END |
---|---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (20-15) | 27 | 25 | 23 | 27 | 8 | 110 |
Warriors (23-13) | 28 | 18 | 25 | 31 | 7 | 109 |
FT、FT、FT
フリースローを全体で4/15本だったのが彼らの敗因です。デュラント、カリー&トンプソンという最高のフリースローシューターが揃って外しまくった非常に珍しい試合でした。また、トンプソンはスリーが不発でした。彼のシュート不振は深刻です。
bad throw | PTS | FG | 3P | FT | FT AVE |
---|---|---|---|---|---|
ステフィン・カリー | 29 | 11/26 | 6/15 | 1/3 | .941 |
ケビン・デュラント | 26 | 11/23 | 2/7 | 2/4 | .928 |
クレイ・トンプソン | 15 | 6/19 | 2/9 | 1/4 | .830 |
中盤以降はほとんどヌルキッチにやられていましたが、それでもカリー&デュラントによる怒涛の追い上げは見事でした。普通のチームならば、まず追いつくことは無いであろう点差を保っていましたが、やはり最強のチーム。簡単に勝たせてはくれませんでした。
リバウンドを拾えなかったり、カリーの多すぎるTOなどがありましたが、もしデュラントのラストショットが入っていればすべてひっくり返っていた、1投に泣いた敗北となりました。クリスマスではレイカーズに派手にやられていただけに、勝ちたかった試合だったとは思います。そして、"まさか"ブレイザーズにオラクルアリーナで負けるとは予想もつかなかったでしょう。
逆転、そして逆転
前回はカリー&グリーンがいなかった状態でボコボコにやられていただけに、メンツが揃っているウォリアーズと果たしてどれぐらいまで勝負になるのか、3Qの頭辺りで終わってしまうのではないかと思っていました。
しかし、ブレイザーズは予想外に健闘し"4Qまでにリードしていれば勝利"という頼りない神話に持ち込みました。けれど、4Q残り1分頃で6点差ついていても追いつかれOTに突入。終盤にはウォリアーズに振り回され、ペリーメーターDはガッタガタでした。リラードも最後にチャンスがありましたが、ミスハンドルしウィニングショットを失いました。
OTに入ってしまえば、ホームで且つ形勢逆転したウォリアーズに分がありました。グリーンのクラッチスリーが決まりその後のショットを外し、今回もダメか...と思いました。しかし、最後のアンビリーバブルショットにブレイザーズファンは信じられないぐらいの歓喜の声を上げました。本当に、彼はやってくれます。
.@Dame_Lillard for the win ⏰ pic.twitter.com/02JPK6sq1u
— SportsCenter (@SportsCenter) 2018年12月28日
もちろん彼のミラクルショットに注目が行きますが、この試合の勝因はシーズンベストゲームをしたヌルキッチ。リラマコがビッグゲームをせずにウォリアーズに勝利したこともそうですが、それ以前に勝負に持ち込めたことに驚いています。
ウォリアーズはジョーンズを欠いているため、サイズで不利になりました。そこに付け込み、"第1オプション"として確実に得点してくれました。グリーンは彼のダーティー気味のプレイに怒り、ファウルトラブルに陥らせることもできました。まぁ...毎度毎度スレスレのところでやってるなぁと思います(笑)。
go to guy | PTS | FG | FT | REB | AST | TO |
---|---|---|---|---|---|---|
ユスフ・ヌルキッチ | 27*2 | 10/18 | 7/8 | 12 | 4 | 4 |
ウォリアーズのペイント得点を防ぎ、逆に自身がペイントで得点する。リーグ最高のディフェンダーであるグリーンとデュラント相手に屈せず得点していく姿に、進化したボスニアンビーストを見ました。彼がフロアからいなくなった途端に、ウォリアーズは一気に流れを持っていきました。それぐらいヌルキッチの存在がデカかったです。"負けたとしても簡単にやられなければいい"と思っていましたが、それ以上の仕事をやってくれました。
これで13連敗中だったオラクルアリーナで最後の最後に勝利を収め、ここでの勝利は2013年11月23日にまで遡ります。4Q前半にはセスが兄貴のお株を奪う3連続スリーを決めるなど11得点。彼の猛攻により厳しい時間帯を乗り切ることが出来ました。アミヌ&ハークレスも必死のディフェンスで貢献してくれました。
また、2Q前半はどちらも停滞し。互いにフラストレーションばかりが溜まる時間帯でした。ターナーを下げマッカラムを入れた昨年までのスタイルに逆戻り。今後もマッカラム主導のセカンドユニットになっていくのでしょうか?ベンチの迷走は続いています。
ベストプレイ:THANK YOU ORACLE ARENA
The kid from Oakland hits the game winner at our last game in Oakland. pic.twitter.com/oWXoGC019M
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月28日
#36 12月29日(土) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ
back to back | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Warriors (24-13) | 30 | 28 | 35 | 22 | 115 |
Trail Blazers (20-16) | 27 | 23 | 33 | 22 | 105 |
修正
やはりウォリアーズはヌルキッチを要警戒し、フリースローもきっちり決めてきました。スリーは試投数こそ少なかったものの、成功率48%。特にクックの連続スリーは効きました。深刻な不振に陥っていたトンプソンが即リベンジしていたのが印象的でした。1人で11FBPS*3。全体のFBPSでもGSW29:POR9と圧倒しました。
return | PTS | FG | 3P | REB | STL | FBPS |
---|---|---|---|---|---|---|
クレイ・トンプソン | 32 | 12/21 | 4/5 | 4 | 1 | 11*4 |
この日はあのブルズ戦以来のシーズン2番目に高い得点をマークしました。キャッチ&シュートとカット以外の攻撃はからっきしというイメージがありましたが、それ以外も多く決まっていました。数字上には表れていませんが、グリーンのインテリアディフェンスも実に効果的でした。
また、デュラントやイグダーラもヌルキッチのプレイにイライラしているようでした。いつか一触即発になってしまわないか不安です。
連勝ならず
ホーム&アウェイはまるで仮想プレイオフのようでした。しかし、この日はリラード&ヌルキッチ以外の助けがありませんでした。この2人に頼る展開になって、最後には息切れしていました。やはり、彼らと勝負するには、もっと多くの力が必要だと改めて思わされました。
crush | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | TO |
---|---|---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 40 | 14/23 | 6/13 | 2 | 5 | 1 | 5 |
ユスフ・ヌルキッチ | 21 | 8/14 | - | 10 | 7 | 1 | 3 |
その他 | 44 | 17/54 | 3/18 | 34 | 6 | 4 | 5 |
2Qにオールベンチになった瞬間、カリーが最初の3分間で12得点。ベンチはコックに美味しく調理され、あっという間に2桁得点差がつき、結局ヌルキッチ頼みになってしまいました。ここで無駄なファウルが多かったです。
けれど、勝つためのチャンスはありました。10点ビハインドだった4Q最初の3分間。ウォリアーズはFG0/3、3TO、0得点で6ポゼッションを失いました。しかし、ブレイザーズもFG0/6、1TO、0得点とチャンスを潰しました。
この時間帯にリラード&ヌルキッチがいなかったので、得点できなかったと言えばそれまでですが...ここで点差を縮められていたら、試合はもっと違った展開を見せていました。"つけ入るときにつけ入る"ことができなければ、強敵に勝つことは不可能です。
そして、最近ずっと気になっているのがトンプソン以上にシューティング不振なマッカラム。この日もスリーは0/5本で、とことん入る気配がしません。12月は特に深刻で、一向に復調の兆しを見せてくれません。
December | G | PTS | FG | 3P | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|---|
CJ・マッカラム | 13 | 19.9 | .432 | .257 | 3.6 | 3.0 |
彼がリラードより優れているのは、シューティングの正確さだと思っていましたが、今はそれを見ることが出来ません。気になるのはワイドオープンでも平気で外している点。ここから40%台に乗せるのは大変ですが、ラインの内側ではキャリアハイの数字を残しているだけに、早く復調して50/40/90に近づいていってほしいです。
#37 12月30日(日) vs フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
Sunday evening | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
SIxers (23-14) | 20 | 21 | 26 | 28 | 95 |
Trail Blazers (21-16) | 31 | 39 | 36 | 23 | 129 |
気持ちは新年
エンビードを欠いた今シーズン2度目の試合は、前半で静かに終わりました。いくらエンビードを欠いていたとはいえ、こんなに点差がつくほどの弱いチームではありません。彼を初めて欠いた12月6日のATピストンズ戦ではバトラーとマスカーラの活躍で勝利しています。
ウォーカーに60得点、アービングに40得点されるなど、ガードに大きくやられているイメージのあるシクサーズ。ストッパーとしてバトラーに期待していたはずですが、この日はまるで別人のようでした。点差がつきはじめた2Q中盤辺りから、全体的に攻めが雑になって早々に覇気を失い、シモンズも苛立ちを隠せないようでした。
今シーズン最多の得点差により敗北しましたが、長いシーズンを戦っていればこういう試合もある、といういい例でしょう。4Q頭からガーベージに入る試合は1シーズンに1回あるかないかなので、ある意味で印象に残った試合になりました。
クルージング
エンビードがいなかったことが試合に大きく影響していたと思いますが、それ以上にウォリアーズ戦後のバックトゥバックという事で、最初から気合が入っていたように見えました。ヌルキッチもキレッキレで前日のもやもやを解消し、2018年ラストタイムを楽しんでいました。
from lehigh | PTS | FG | 3P | FT | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|---|
CJ・マッカラム | 35 | 13/18 | 4/7 | 5/5 | 3 | 3 |
こんなに余裕のある試合はいつぶりだろうと思うほど、楽な展開でした。アミヌが要所で敵の流れを止めるいい働きをして、シクサーズにカムバックさせる気力を失わせました。マッカラムも久々にシュートの入る日でした。
また、コリンズがいくつか良いパスを出していたのが目立ちました。27日のウォリアーズ戦ではマイヤーズへの強引なアリウープパスを何度か試みていましたが、まだまだパスの精度は荒いです。それでも彼のゲームの幅が少しづつでも広がっていこうとしているのが伺えました。
そして、この日にスワニガンがマブス傘下のレジェンズにアサインされました。2017年の12月末にキャブス傘下に行って以来、キャリア2度目のGリーグ行きです。昨年と同様のスケジュールならば、戻ってくるのは2月初旬頃でしょうか。この日のガーベージでイキイキとプレイしている姿を見て、やはり正式な時間でも見たいと思いました。テキサスで大暴れして帰ってくることを期待しています。
しかし、ブレイザーズはいつになったら傘下チームを持てるようになるんでしょうか...ナゲッツは来年にチームを持つ予定が決まっているため、ブレイザーズは傘下チームを持っていない唯一のチームになります。ルーキー2人にプレイタイムを確保させたくても、無い物は無いので仕方がありません。他チームの傘下に移すのは、デメリットもあるようなので、早いところ自分のチームを持てるようになると良いですね。
ブレイザーズの10~12月はリーグで3番目にタフな日程でした(1位ジャズ、2位サンズ)。序盤は敵の主力が負傷していた試合が多く、スケジュールの強さとかみ合ってない部分が多少ありましたが、それでも.500以上の成績で乗り切れていることは幸先の良いスタートだと思います。1月からはリーグで5番目に簡単な日程となり、比較的楽な相手が増えます。
2018年を最高の形で締め、迎える2019年。どんな春を迎えるのか。ここから怒涛の中盤戦に突入です。
ベストプレイ:Zブロック→セス
Big Z defense
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月31日
Seth Curry offense
It's beautiful. pic.twitter.com/cch2z86iT8
Week12のブレイザーズ
新年早々の試合。フォックス&ヒールドのバックコートは大きく飛躍を遂げ、万年最下位争いをしていたチームは早くも新たなステージへと移行。ファストブレイク得点リーグ1位、そしてリーグで最も速いペースで試合をする若いチーム。ペースをコントロールして試合を優位に保ち、元旦勝利といきたい。
西の第3シードを保持している強豪チーム。ジョージはキャリアベストシーズンを迎え、最高のオールラウンドプレイヤーとしてMVP級の活躍を続ける脅威の存在。セカンドユニットではコリンズがシュルーダー→ノエルのホットラインを封じ、ドライブを抑えることが重要。ヌルキッチとアダムスのリバウンド対決は絶対に制したい。
クリス・ポール無しでの戦いが続くも、ハーデンの異次元パワーにより復調中。彼のアイソを抑えることよりもブレイザーズの弱点であるスリーライン攻撃を最小限に食い止めることが重要。また、ヌルキッチはカペラを早めにファウルトラブルに追い込みたい。