WE ARE THE NORTH WEST

#59【今週のブレイザーズ】Week15/On to the next one

Week15──13、14、15週の計11試合で8勝3敗になることを計画していたのは秘密ではありません。悪いチームには確実に勝利し、良いチームから勝利を盗む。言葉では簡単に言えても、それを全てのチームが実行できるわけではありません。



#48 1月21日(月) at ユタ・ジャズ

スラムダンク
Re Return Match 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (29-19) 29 15 39 26 109
Jazz (26-22) 28 23 28 25 104
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

それは予定されていたこと

ジャズは、スケジュールを組んだ人を呪うべきです(笑)。前半の出来は、オールスター選出の有無に大きく影響します。たとえ後半盛り返しても、過去のリラードのような選出漏れを味わうことになります。

ジャズファン以外の多くは、彼らがどんなに厳しいスケジュールで戦ってきたかを知る由がありません。そして、トップチームとどのような試合をしてきたかを忘れてしまっています。だから、"単に"ジャズは期待外れだったと言うことができます。

Jazz SoS vs Top*1 vs Mid*2 vs Und*3 vs Bot*4 Record
10~12月 10 9 17 1 18-19
1~4月 9 7 18 11 33-12*5

ジャズの2018年はボトムチームとの戦いが12月29日(NYK)までありませんでした。息もつけないこのスケジュールは中々にシビアです。今までの成績が、すべてスケジュールのせいだった言い訳することはできませんが、相手の配分はこれからかなり楽になります。そうすれば、彼らはあっという間に50勝に到達しているでしょう。

また、1月から絶好調なのがミッチェル。前半のシューティング不振と(見かけ上)チーム不振や、負傷もあり、オールスター確実と見なされることができませんでした。もし、後半のスケジュールが少しでも前半にきていたら...おそらく事は違ったと思います。スケジュールのきつさを言い訳にしているうちは、まだまだ甘いと思われるんでしょうけど。

Spida Burning PTS FG% 3P% REB AST STL BLK
10~12月 20.1 .411 .293 3.5 3.4 1.7 0.3
1~4月 27.7 .464 .403 4.1 4.8 1.4 0.5

4Q7:30以降のすべての得点(14)をミッチェルが獲得し、最後まで驚異的な粘りを見せました。結局シーズンハイに迫る36得点をマークしましたが、彼以外の選手がパッとしませんでした。それでも、彼のクラッチ能力は最後まで侮ることができません。

イングルズは非常に静かな夜を過ごし、この日復帰したルビオも多くのTOを出してしまいました。そして、(なぜかベンチから出てきた)ゴベールヌルキッチを上回ることができず、彼がヌルキッチのようなパスを出そうとしても決して通ることはありませんでした。


Mr.ダークヒーロー

デイミアン・リラードがスーパーヒーローなら、ユスフ・ヌルキッチはダークヒーローです。彼のダーティー(に見える)プレイによって敵チームファンから"BOOO"を浴び、"嫌な奴"と見られることがあります。ドラフト時に"ヨーロッパのデマーカス・カズンズ"と言われた彼は、立派に悪役に成長しています(笑)。

ジャズに勝つためには、ヌルキッチゴベールを抑えることが必須条件でした。この日、最高のディフェンスをして、道なき道にパスを出し、そして勝利に導いた姿はまるで、スーパーヒーローのように見えました。やはり2019年に入ってからのボスニアンビーストは、以前と少し違います。彼は、試合に違いを生むことができる選手になっているようです。

0:34:ナイスエントリー!

special 3q PTS FG REB AST STL BLK TO
ユスフ・ヌルキッチ 17 6/7 5 2 1 4 3

3Qのヌルキッチはただのモンスターでした。ゴベールを圧倒し、あまりに素晴らしいランを生み出しました。"絶対に勝てないと思っていた相手"を、彼がX因子となることにより倒しました。この試合、間違いなくブレイザーズヌルキッチに依存していました。彼を介したオフェンスは、目に見えにくい部分でレベルアップしています。

クロウダーと一悶着ありましたが、試合中、そして試合が終わった後も、ヌルキッチヌルキッチでした。自分の最高のキャリアを歩みだしたことを、最高に頼んでいるように見えます。

また、際立っていたのが、ターンオーバーの数。ジャズ15、ブレイザーズ8。セカチャンでは負けたものの、TO得点を多く稼ぎ、ペイントポイントも優勢でした。終盤にジャズが怒涛のスリー攻勢をすべて外してくれたことも幸いしましたが、ブレイザーズは4Q中盤でリードを取り返したため、落ち着いてプレイできていたように思います。リードされていたら焦りのスリーが多くなってしまうので。

他に目立った点は、リラードヌルキッチの両方がコートにいない時間帯のオフェンス。いつも2Q前半で停滞するのが慣例となってしまっていますが、レイマン無しの2Qはひどいものでした。彼が4QにPFとして入ったとき、2Qとの違いが明らかになりました。ペリメーターD、カット、スリー。彼の存在は、あまりにも貴重です。

last 5-game MP PTS FG% 3P% REB STL BLK
ジェイク・レイマン 22.1 15.2 .653 .500 2.4 0.2 0.4

ここ5試合の彼は怖いぐらいに"出来すぎ"です。しかし、"運がよかっただけ"で見過ごすことが出来ない、NBAローテーションプレイヤーとしての姿を見せてくれています。ペリズ戦で見せた姿は、一瞬の出来事ではありません。"3年目の覚醒"、まだまだ彼はここから伸びます。


ベストモーメント:This is Shaqtin' A Fool

(笑)


#49 1月22日(火) at オクラホマシティ・サンダー

DAME AND CJ
Warfare 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (30-20) 25 30 32 27 114
Thunder (29-18) 25 37 31 30 123
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

再加速

サンダーはジャズと真逆で、スケジュールを組んでくれた人に感謝を捧げなければいけません。彼らはシーズンの早い段階、特に11月のスケジュールがあまりにも優しいものでした。その月を12勝3敗で終えて見栄えのいい成績を出し、西のトップチームであることを早々に証明。多くの人がスケジュールを知らない、または気にしないので、簡単に彼らを第3シードのロックと言うことができます。

Thunder SoS vs Top vs Mid vs Und vs Bot Record
10~12月 5 7 14 10 23-13
1~4月 10 14 20 2 28-18

ジャズとのスケジュールを比べたら、面白いぐらい逆になりました。サンダーとジャズの前半のスケジュールをそっくり入れ替えていれば、彼らの置かれていた状況は逆転していたでしょう。そして、終わってみればサンダーとジャズは、同じような勝敗になっているはずです。

試合では、シーズン最多タイの16スティールをマーク。リーグNo.1のオフボールディフェンダーであるジョージのスゴさを改めて思い知らされました。また、ヌルキッチに対するディフェンスも徹底して素晴らしかったです。前回の試合と同様に、ジョージ&ウェストブルックの2人にやられました。

winning PTS FG 3P FT REB AST STL
ポール・ジョージ 36 10/21 3/6 13/15 8 4 5
ラッセル・ウェストブルック 29 9/20 1/4 10/12 10 14 1

ウェストブルックブレイザーズ戦でトリプルダブルをマークするのは、2016年3月14日以来通算3回目です。特定のチームに苦手意識はないとは思いますが、少し嫌な感じはしているんでしょうね。また、ファーガソンが最近絶好調です。サンダーのビッグスリーに挟まれたアスレチックウィングの2人は、試合で確かな存在感を示しています。

また、試合中と試合後にウェストブルックリラードの一悶着がありました。彼はリーグで最も感情的で好戦的な選手ですからね。この試合に対する意気込みはすごいものでしたし、気合も入っていました。ブレイザーズを"敵"と見なしてくれているなら、何度だって戦いがいがあるってもんです。


言葉はいらない

試合内容は負けて当然の内容でした。不用意で雑なTO、イージーショットのミス、そしてあまりにも多くを諦めたスリー。ファストブレイクやTO得点の多い相手に、致命的なミスを何度も犯しました。そして、前試合のジャズ戦で予習ができていたのか、彼らはヌルキッチのパスコースを完璧に塞ぎ、彼らの堅いディフェンスの前に屈してしまいました。

敵が強いほど、燃える試合であればあるほど、リラードは真の力を発揮します。しかし、リラマコヌルのみで戦っていた感は否めず、終盤で息切れしてしまう見慣れた試合になってしまいました。マッカラムは久々に素晴らしいシューティングゲームをしましたが、彼の以外のスリーは低調(3/24)でした。

evo three PTS FG 3P FT REB AST STL TO
デイミアン・リラード 34 12/24 2/10 8/8 5 8 5*6 5
CJ・マッカラム 31 11/23 7/12*7 2/2 3 3 0 4
ユスフ・ヌルキッチ 22 9/17 0/1 4/6 15 1 1 5
その他 26 11/31 1/13 4/6 29 9 1 5

ヌルキッチはOTに入った試合を除いてシーズンハイとなる出場時間でした。体力と役割の大きさの両面を考えたとき、まだフルタイムセンターとして出場することはできません。それでも36分間を戦っていた彼に、ビッグスリーの一角としての姿を見ました。敵はこれから、彼のバックドアパスを防ごうと努力してくるでしょう。その予想をも超えるパスを出せるなら良し、それを利用して他の攻撃を組み立てるも良し。まだまだ、夢は広がります。

また、ロードのB2Bだったにも関わらず、ハークレスが強行出場。しかしイージーショットはミスするし、ディフェンスでも大した活躍もできず。アミヌ&ハークレスのウィングが地蔵になってしまう試合は、見たいものではありません。

試合内容は完敗でした。しかし、あれだけTOを出して、イージー得点を狙えなくて、ジョージ&ウェストブルックも止められない、完全に歯車がかみ合っていない試合でしたが、できないなりの粘りはできていました。どこか一つが噛み合っていれば。そう思わせてくれる試合でした。勝負に余計な言葉はいりません。彼に返すのは、プレイだけです。

しかし、次回のサンダー戦もロードのB2Bのようです。スケジュールをうらみたくなりますが、それでも勝てる試合にしましょう。


ベストプレイ&モーメント:立ち入り禁止🚫

(笑)


#50 1月24日(木) at フェニックス・サンズ

TURTLE DUNK
last stop 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (30-20) 30 26 32 32 120
Suns (11-39) 31 21 24 30 106
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

Too Young

夜明けが遠いサンズ。すでにフランチャイズの顔となる選手はいても、決してチームは上昇する気配を見せていません。ウォーレンエイトンホームズが欠場し、ポイントガードメルトンも試合中に負傷。期待の選手たちがこぞって負傷するという最悪な状況にあります。

ファストブレイクをシーズンハイとなる30得点をマークしていました。しかし、ブッカーが1人で戦っていたように見えました。サンズはジャクソンウーブレイJr.ブリッジスという羨ましいほど多くのウィングを持っていますが、3人とも攻守のミスコミュニケーションが多くみられ、それぞれの長所を生かせていないように見えます。

ウーブレイJr.はキャリアハイとなる7アシストをマーク(ガーベージに3つ)。18pts、2stl、3blkというオールラウンドでアクティブな試合をしていました。ベンチから彼とオコボが印象に残りました。ただ、やはりチーム全体の士気はあまり高くないようです。

スロースタート

サンダー戦と似たような試合内容でした。ヌルキッチが精彩を欠いていて、人手不足なサンズを中々圧倒することができませんでした。しかし、3Qの終わりからレイマンセスに火がつきました。彼らの長所を最大に生かしたワンツーパンツにより、一気に勝負をつけました。

great bench PTS FG 3P REB AST STL BLK
ジェイク・レイマン 20 9/15 2/6 8 3 1 2
セス・カリー 17 7/13 3/7 6 3 2 1

レイマンはサンズ戦で再び+20得点し、サンズキラーのように見えます。セスは最近目立った活躍が出来ていませんでしたが、久々に大活躍。スリーポイントコンテストで大暴れしてくるでしょう。2人とも、今までのブレイザーズが必要としていた穴(ウィング、スリーシューター)を埋める大事なピースとなっています。

影ながら貢献していたのがコリンズ。印象的なオフェリバを拾い、多くのセカンドポイントを演出。ウィークサイドへのパスを探す意識も見え、立派なチーム志向のプレイヤーに見えます。

また、アミヌが試合中に指を負傷(パックリ肉が見えていて痛々しかった...)してしまいました。いつも大きく目立つことはありませんが、彼はペリーメーターディフェンスの柱です。常にどこかしらをカバーしてくれるので、いなくなったときにその存在の大きさを感じました。


ベストプレイ:ET's NO LOOK ALLEY-OOP

いつでも準備OKです。


#52 1月26日(土) vs アトランタ・ホークス

LEHIGH × DUKE
triple watch 1Q 2Q 3Q 4Q END
Hawks (15-33) 30 34 26 21 111
Trail Blazers (31-20) 40 23 30 27 120
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

Future is Bright

ヤングシーズンベストゲームでした。フローターがことごとく入り、鋭いエントリーパスを出し、止めることのできない選手に見えました。彼と双璧をなすコリンズも最近大きくステップアップしていて、ホークスとしては収穫たっぷりの試合になったと思います。

future PTS FG 3P REB AST STL BLK
トレイ・ヤング 30 11/15 3/6 2 8 1 1
ジョン・コリンズ 21 8/12 2/3 6 1 0 0

ルーキーとして平均16pts,7ast以上をマークした選手は近年だとポール(05'06)ウォール(10'11)のみ。ホークスのチーム成績は予想通り底をうっていますが、最近ではシクサーズやサンダーを破るなどの良い兆しを多く見せています。そして、ヤング自身もチームと呼応するように成長していて、フランチャイズの良い未来が見えます。

Month Record PTS FG 3P REB AST STL
10月 2-5 19.1 .429 .340 2.9 6.6 0.6
11月 3-13 14.0 .355 .198 3.1 8.1 0.8
12月 6-7 15.8 .431 .347 2.7 7.0 1.1
1月 4-8 17.8 .423 .329 3.9 7.1 1.1

他のドラフト組の活躍も目覚ましいものがあります。すでに高いBBIQとシューティング能力を見せているハーターは、長いキャリアを持つロールプレイヤーになるでしょう。ただ、この日は負傷しながらの出場だったので、目立った活躍はありませんでしたが、彼のプレイはルーキー離れした熟練度があります。

ヤング&コリンズは攻撃的な破壊力を持ちますが、このペアは守備が壊滅的です。2人とも、それぞれのポジションでリーグ最悪ディフェンダーの1人であり、長期的に見ると不安視される要素になってくると思います。そのため、2つのハイピックを得る2019ドラフトでツーウェイウィングとディフェンシブセンターの獲得が論点となるでしょう。

また、デッドモンリンらベテラン勢がとても堅実でした。前者は素晴らしいリムプロテクトとアクティブハンズ。後者は卓越したプレイメイキングと。この2人はヌルキッチを完全に破壊していました。彼らがトレードターゲットになるのも頷ける、素晴らしい内容でした。


1ST TRIPLE DOUBLE

リラードのいない初の試合は、苦戦しました。スターターで良いスタートを切りましたが、ベンチが2Qで粉砕されました。ターナースタウスカスが途中欠場してしまうイレギュラーな展開になり、リズムを生み出すことに苦労しました。守備で、ブレイザーズはフローターを多用する選手を止めるシーンをあまり見たことがありません。

三度、ヌルキッチは苦労した試合をしていました。しかし、フープに入らなくてもフリースローをもらおうとするプレイが目立ち、悪いなりに貢献しようとする姿勢が見えました。また、敵は彼のバックドアを要警戒していますが、それを逆手に取ったプレイがありました。彼らの意識を悪用できるようになると、無双です。

タンクチームのホークスを相手に、"素晴らしい試合"をしたとは決して言えませんでしたが、それぞれが不調を抱える中でも勝利を得られたことが何よりです。いつも頼りにしているリラードヌルキッチに頼れない試合でしたが、もう1人の頼れる男、マッカラムがトリプルダブルで魅せてくれました。

first td PTS FG 3P REB AST STL TO
CJ・マッカラム 28 10/23 2/8 10 10*8 1 3

今シーズンのマッカラムオフボーラー化しているので、アシストが大きく減りました。リラード&ヌルキッチがあまりにもいいので、彼だけが後退したように見えますが、スリーポイント以外は良好です。ヌルキッチの恩恵を受けて被アシスト率は大幅に上昇し、2ポイントゾーンはキャリアベストの効率を誇り、見えにくい形でチームに貢献しています。

assisted by*9 LIllard Nurkic Turner FG AST%
17'18 48 17 20 .338
18'19 54 54 20 .457

バックドア以外のイージー得点をどう生み出していくかが今後の鍵となりますが、ヌルマコのスクリーン→ミドルは理想的なプレイの1つです。ベストミドルシューター&スクリーナーである2人は、DHOとカットの2種類の鉄板プレイがあります。これを上手く使い分けていきたいですね。

また、セスアミヌハークレスらスターターも目立っていました。特にセスはとてもタイムリーな活躍があり、チームのピンチを救ってくれました。

ペイントエリアのディフェンスの欠如、多すぎるTOが課題として残りました。ここ3試合で急増しているTOは、ヌルキッチが絡んでいるものが多いです。彼を介しての攻撃は脅威ですが、その分敵に読まれやすくなっています。それをどう修正してくるかが今後注目したい点です。

ベストプレイ:CJ's FIRST TRIPLE DOUBLE

ハークレスにワインを。


Week16のブレイザーズ

#53 1月30日(水) vs ユタ・ジャズ

1勝2敗で迎えるシリーズ最終戦。"絶対に勝てない相手"だと思っていたチームに勝利を収め、その勢いのままシーズンタイに持っていきたい。また、この16週目はわずか1試合だけの変則スケジュール。最終週以外ではわずか4チームしか組まれていないラッキー(?)な週なので、この1試合に全力を注ぎたい。


*1:BOS, DEN, GSW, MIL, OKC, PHI, TOR

*2:HOU, IND, LAC, POR, SAS, UTA

*3:BLK, CHA, DAL, DET, LAL, MEM, MIA, MIN, NOP, ORL, SAC, WAS

*4:ATL, CHI, CLE, NYK, PHX

*5:予想

*6:シーズンハイ

*7:シーズンハイ

*8:キャリアハイタイ

*9:50試合目の時点