#62【今週のブレイザーズ】Week18/Challenge
Week18──オールスターブレイク前に厳しい相手との2試合。毎年ブレイク後に快進撃を見せるブレイザーズにとって、ここまでは壮大な助走に過ぎません。この素晴らしい折り返しを次に繋げていきましょう。
#56 2月11日(月) at オクラホマシティ・サンダー
turn off | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (33-23) | 26 | 23 | 33 | 29 | 111 |
Thunder (37-19) | 36 | 32 | 19 | 33 | 120 |
新記録とモンスター
ウィルト・チェンバレンの9試合を塗り替え、ついに10試合連続トリプルダブルというNBA新記録を打ち立てたウェストブルックに花を添えるように、相棒のジョージもトリプルダブル。"アンストッパブル"な2人の圧倒的な才能を見せつけられました。これでサンダーはシリーズを3勝0敗とし、昨年の0勝4敗から一転してシリーズスイープのチャンスを迎えています。
sidekick | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ポール・ジョージ | 47*1 | 15/26 | 8/13 | 12 | 10*2 | 2 | 0 |
ラッセル・ウェストブルック | 21 | 5/19 | 1/6 | 14 | 11 | 1 | 2 |
1Qからエンジン全開だったジョージの今シーズンの存在感は異質で、放つシュートすべてがどんな体勢からでも入っていたように感じました。ブレイザーズは彼を警戒する余りに他の選手への注意が逸れ、外にいるバートンやフェルトンといった選手への意識が薄らいで、サンダーは多くのワイドオープンスリーを決めました。
チートモードであるジョージをファウル以外で止めることはできません。アミヌとハークレスがマンマークしても抑えることは不可能なので、思い切ってダブルチームを多用していくしかないと思いますが...今シーズンのサンダーは本当にジョージが異次元のレベルへと向かっていて、若手とも上手く融合し、楽しくて素晴らしいシーズンを送っているように思います。
近くて遠い
再び厳しいB2Bとなりましたが、前半で勝負がついてしまったように見えました。止められないジョージとリラマコの消失が重なれば、勝利を探すことは困難です。しかし、後半のリラードの強いゲームにより息を吹き返しました。いつも彼はダメかな...と思ったところから蘇生させてくれます。追いつくところまでは及びませんでしたが、次の試合ではこの日の3Qを多く作りたいです。
2nd half | PTS | FG | 3P | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 25 | 8/12 | 2/4 | 3 | 5 |
最近好調モードになってきたマッカラムに期待していたんですが、ヌルキッチとのホットラインも空しく、ただただ悪い今シーズンのピーキーさを露呈したゲームになりました。得点で対抗するには、彼の効率的な試合が必要です。ショットが落ちないときの彼は、リラードのように切り替えることができないのがネックです。
また、ベンチのレイマンとフッドは明るいスポットになり続けています。以前より安定した得点が期待できるようになり、スターターからベンチに移行したときに停滞感を感じなくなりました。また、レイマンはキャリアハイの4ブロックをマーク。25得点したヒート戦以降、信頼はかなり厚くなっています。
チームにエネルギーが欲しいとき、ベンチからの得点が欲しいときに彼は欠かせない存在となっています。ハークレスのいなかったシーズン序盤にスターターとして1Qと3Qの頭だけに出場し、非因子となっていた姿はもうありません。すでにハークレスより強いインパクトを残し、試合の最後の瞬間までコートに居続けるまでの信頼を勝ち取り、日に日に良い選手になっていく様は痛快です。
ベストプレイ:縦横無尽
DAMIAN LILLARD pic.twitter.com/0VLbar4K1Q
— Trail Blazers (@trailblazers) February 12, 2019
#57 2月13日(火) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ
turn right | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Warriors (41-16) | 33 | 28 | 34 | 12 | 107 |
Trail Blazers (34-23) | 31 | 33 | 30 | 35 | 129 |
フラストレーション
カズンズが加わってからわずか1敗だったウォリアーズですが、近々の試合では余裕のある戦い方はできていませんでした。B2Bだったためにカズンズを休ませ、イグダーラとリビングストンもいなかったためにベンチの火力さらには乏しいものでした。
それでも"いつもの4人"が揃っているウォリアーズが強敵であることに変わりありません。グリーンはミドルから多くのショットが入りましたが、トンプソンがシーズンワーストに近いゲームだったので、カリー&デュラントのみで戦っていた苦しい試合でした。
upset | PTS | FG | 3P | REB | AST | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|
ケビン・デュラント | 32 | 12/17 | 3/4 | 4 | 2 | 3 |
ステフィン・カリー | 32 | 10/24 | 5/14 | 7 | 2 | 0 |
その他 | 45 | 17/56 | 5/20 | 38 | 22 | 7 |
前半からどこか調子の悪そうだったカリー。後半に復調しましたが、なんでもないミスが目立っていた試合でした。今シーズンのウォリアーズはベンチに大きな穴があると指摘されていて、トレードでフッドを狙っていたと噂されていましたが何も起こりませんでした。カズンズがいなければ、セカンドユニットに穴があることを露呈させました。
カリーへのスリーシューティングファウルに対するノーコールでイライラが溜まっていたカーHC。その後、トンプソンのオフェンスファウル、グリーンのフレグラントファウルで爆発。4Qではいつものようなイージー得点を見つけることができずに苦労して、さらにフラストレーションを募らせていました。
4Qにわずか12得点というのは驚きですが、多くのポゼッションでコリンズが絡んでいました。彼が2つのオフェンスファウルとフレグラントファウルを引き出しましたが、ウォリアーズスターターは4Qにわずか2得点。ここまで攻めあぐねた彼らをブレイザーズ戦で見るのは初めてのことでした。
All for the Win
前回勝利したときはウォリアーズのフリースロー不振とヌルキッチのモンスターパフォーマンスが手伝いましたが、今回はそうではありません。10人の選手が19分以上出場し、セカンドユニットが4Qに決定的な差をつけてくれました。得点の主役は大勢いましたが、守りの主役となったコリンズが静かに階段を登りました。
ファウル無しのコンテストとブロックをする姿は素晴らしいアンカーに見えました。化け物級のスタンディングリーチを生かしたディフェンスが売りですが、デイビス譲りのハッスルとしつこいリバウンドが彼の新たな持ち味になってきているように感じます。最近は再びファウルトラブルに悩まされることもありますが、”正当なコール”を受ければ、この日のような結果を出して当然でしょう。
セカンドユニットはガーベージに入るまで走り続け、マッカラムを出すことなく勝利しました。誰に固執するでもなく、勝利を得るために最善のラインナップを維持するのは今シーズンの良い特徴です。フッドやレイマンがトンプソンとマッチアップしていたので、向こうはマッカラムよりも攻めづらさを感じていたと思います。
"3Qまでにリードされていたら負ける"という不名誉な神話もついに崩れました。ビハインドは1点でしたが、それでも崩せたことには変わりありません。マッカラムとヌルキッチが静かなときのブレイザーズは大抵苦しい試合になりますが、今イチに並ぶTOとクリーンゲーム、ベンチの信じられないようなランは想像を超えました。最近はスターターが悪くてベンチが良いという試合も増えていて、嬉しい限りです。そして、これは一過性のことではないでしょう。
Bench stats | PTS | FG | 3P | FT | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|---|
Warriors | 23 | 10/28 | 2/9 | 1/2 | 21 | 4 |
Blazers | 52 | 17/35 | 4/14 | 14/16 | 19 | 9 |
そして、この日の別のビッグニュースはエネス・カンターとの契約。ブレイザーズがバイアウト市場で実績のある選手と契約することがビックリなんですが、彼はマイヤーズとコリンズの上位交換であり、ヌルキッチに万が一が起こった時の保険にもなります。何かと"騒がしい"選手ですが、チームを盛り上げてくれる良いスパイスとなってくれるでしょう。
Let’s get it! #RipCity pic.twitter.com/JFhDjkTqff
— Trail Blazers (@trailblazers) February 14, 2019
セスの射撃とディフェンスは外せないし、フッドも使いたい。レイマンを外すことは論外であり、コリンズも捨てがたい。そうなれば、ハークレスの立ち位置が怪しくなる可能性が高いです。以前では考えられない、かなり贅沢な悩みができています。
欲を言えば、実績よりも実際にプレイして良かった選手がコートに居続ければいいと思います。10/10を期待できるカンターと言えども、フィットしなければ多くの時間を得ることはできないし、そうであってほしいです。この追加でフロントコートはかなり深くなりました。プレイオフプッシュに向け、万全の体勢が整いました。
ベストプレイ:DANCE TIME
Dancin' with D.O.L.L.A. pic.twitter.com/FWYf7y0yCp
— Trail Blazers (@trailblazers) February 14, 2019
Week19のブレイザーズ
オールスター明け1発目は、あまりにも待ちわびたマッチアップ。デイビス、クラブ、ネイピアーら懐かしい顔との対決は何とも言えない不思議な気持ちになること必至。もちろん、最大の見どころはセカンドユニットのザッコリvsエド。師弟対決を制し、成長した姿を見せてほしい。また、タフなロード7連戦の初戦。
前回はエンビードが欠場したために、十分なバトルを見れなかったものの、やはりヌルキッチとの対決が見たい。ハリスが加入し、類を見ないほどの"ビッグフォー"が形成されているものの、ベンチでアドバンテージを取ってアミヌ、ハークレスのディフェンスを最大に生かしたい。