Week19──オールスター休みが明け、いよいよタフストレッチが始まります。7連戦ロードの1週目を最高の形で入り、より大きな手ごたえも得て、リラマコ時代最高のブレイザーズへと時が満ちているように感じます。
#58 2月21日(木) at ブルックリン・ネッツ
new face | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (35-23) | 23 | 27 | 34 | 29 | 113 |
Nets (30-30) | 21 | 29 | 22 | 27 | 99 |
OLD FACES
最後のネッツとの対戦は2017年11月24日だったので、非常に久々な顔合わせだったように感じます。近年のネッツはドラフトピックを軽視したおかげで希望もへったくれもないシーズンを送ることになっていましたが、ようやく光が差し込んできています。オラディポの代替でオールスターに選出されたラッセルは昨シーズンの苦しい時期にも耐え、ようやくエースとして期待に応えています。
レヴァートも復帰し、第6シードとしての地位は安泰に見えます。西のトップチームであるナゲッツに対して2勝していて、"昨シーズン"とは違って侮れないプレイオフチームです。特にスリーポイントがハマる日は手が付けられなくなります。そのため、スリーポイントコンテストでカリーを破ったハリスとキャッチ&シュートに特化したクラブを熱くさせないことが重要でした。
Catch & Shoot | PTS | FG% | 3PA | 3P% |
---|---|---|---|---|
アレン・クラブ | 6.8 | .421 | 5.2 | .433 |
ジョー・ハリス | 6.2 | .485 | 4.2 | .476 |
また、ディンウィディの負傷に伴ってネイピアーの役割がネッツにとって重要になってきます。第3ポイントガードとして契約を結んだときは驚きましたが、リラマコの下でプレイした恩恵を受け、新たな土地でセカンドユニットのフロアリーダーとして素晴らしい仕事をしていて嬉しい限りです。この日も、元ブレイザーたちによるセカンドユニットはブレイザーズを苦しめてくれました。
former blazer | PTS | FG | 3P | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|
アレン・クラブ | 17 | 7/13 | 3/8 | 4 | 1 |
エド・デイビス | 15 | 6/7 | - | 10 | 1 |
シャバズ・ネイピアー | 7 | 2/11 | 1/8 | 1 | 10 |
ラッセル&レヴァートを抑えなければ...と思いがちですが、今シーズンのネッツはベンチは非常に優秀です。シーズン前半こそクラブとネイピアーらの貢献度は低かったものの、復調した現在はバランスの取れたセカンドユニットが生まれています。サイズの無いチームですが、キャロルやクルッツらが素晴らしい接着をしています。
Bench Stats | G | PTS | FG% | 3P% | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ディンウィディ離脱前 | 49 | 47.1(2) | .439(21) | .331(21) | 21.6(1) | 9.2(7) | 2.7(20) | 1.4(27) |
ディンウィディ離脱後 | 15 | 50.1(2) | .422(26) | .331(19) | 24.8(1) | 11.6(2) | 3.6(1) | 1.9(10) |
効率こそ問題なものの、特定の誰かに頼らない素晴らしいチームバランスが今のネッツにはあります。この日はスターターが大コケしましたが、ベンチが盛り返して4Qにカムバックしました。しかし、熱くなっていたセカンドユニットを下げ、一部スターターに戻してくれたことはブレイザーズにとってはツイていました。あのままベンチで最後までいかれていたら、息を吹き返せたかどうかは分かりません。
元ブレイザートリオにやられましたが、その"恩返し"はとても嬉しかったです。互いに、この試合に対する特別な意気があったと思いますが、彼らのプレイをしている姿は、言葉を語らずとも新たな土地で上手くやれていることを示してくれました。3月末の特別な夜にまた会いましょう。
Big Wave
ブレイザーズはオールスターまでの57戦中ロード戦はわずか25試合で、41試合あるホーム戦の内すでに32試合を消化しました。つまり、ここからの25試合はホーム9、ロード16で戦うことになります。ここまでロード成績は11勝15敗で、昨年と同じ時期(15-15)と比べて悪いです。今シーズンはホームでかなり強いので、ロードをトントンで行ければ50勝は軽く超えていける戦いぶりをしています。
東海岸の13日間トリップで7試合はタフです。息もつけないスケジュールですが、ここを最低4勝3敗、最高5勝2敗で抜けられれば最高の形で終われたといえます。そのため、初戦の勝利は悲願でした。序盤にターナーの芳しくないプレイが続き、その後膝の痛みを訴えました。ベンチは大きなアドバンテージを許しましたが...ブレイザーズデビューのカンターが颯爽と存在感を出しました。彼とヌルキッチのコンボは分厚すぎます...
big combo | PTS | FG | REB | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|
ユスフ・ヌルキッチ | 27 | 10/15 | 12 | 0 | 3 |
エネス・カンター | 18 | 8/9 | 9 | 1 | 0 |
サンダーでやっていたような役割をブレイザーズで担ってくれることを期待しましたが、1戦目にして大きなインパクトを残しました。ターナーがいないとセカンドユニットはイージースコアに苦労しますが、有能なアイソスコアラーが1人加わったことで得点に悩まなくて済みそうです。
PNRディフェンスはセンターワーストクラスですが、リバウンダーとして欠けていたピースを埋めてくれます。この日のブレイザーズはネッツをリバウンドで圧倒(60:49)し、ペイントとセカンドチャンスで優位に立ちました。サイズでも優勢でしたが、ブレイザーズは50/50ボールに対する努力がすごいです。
MOOOOEEEEEE pic.twitter.com/KCLYIpdeqt
— Trail Blazers (@trailblazers) February 22, 2019
この日のディフェンスは、ハンドラーを中に入れてハイシューターを決してオープンにさせない非常にシンプルなものでしたが、それが効果的でした。ネッツは過去4試合のスリー平均が43.4%(70/161)であり、それさえ起こさなければ勝機が見えます。この日のネッツは19.4%(7/36)と、ブレイザーズのペリメーターディフェンスが機能した結果に終わりました。特に、攻守でヌルキッチのハードワークぶりが目立っていました。
また、リラードは足首の状態が悪い中で出場し、シーズンロウとなる13得点(FG5/21)に終わりました。自らショットを取る姿勢が無く、明らかに万全ではない様子でした。そのような日は負けゲームか大接戦になりますが、この日はその影響を感じさせませんでした。今シーズンのリラードはパサーになったり、スクリーナーになったりと多様なゲームを展開していますが、今やチームの得点はリラード頼みでは無くなっています。この日は、それを示す象徴的な試合になったと思います。
ベストプレイ:BOSNIAN DUNK
Nurkic drops the hammer.. AND-1! 🔨#RipCity pic.twitter.com/F0RDaYoXF3
— NBA (@NBA) February 22, 2019
#59 2月23日(土) at フィラデルフィア・76ers
AM10:00 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (36-23) | 27 | 32 | 41 | 30 | 130 |
Sixers (38-22) | 25 | 31 | 26 | 33 | 115 |
禍根
再びエンビードの健康問題が再発。2019トレードの目玉となったハリスを獲得して大三角ならぬ大四辺形を形成し、スターターがスター級の"ドリームチーム"のように見えますが、まだケミストリーはありません。そして前回の対戦でも感じましたが、エンビードのいない76ersは格が大きく落ちます。ブレイザーズにとっては不利な条件がそろった中での戦いでしたが、彼がいなかったことでだいぶ楽になりました。
Embiid | G | FG% | REB% | ORtg | DRtg | +/- |
---|---|---|---|---|---|---|
On | 36-18 | .480 | .527 | 110.6 | 102.5 | 6.1 |
Off | 2-4 | .466 | .481 | 104.9 | 109.0 | -2.0 |
マリヤノビッチはサイズで誰よりも勝りますが、ディフェンス時のフットワークには恐ろしいものがあるのでヌルキッチにとって悪夢の相手ではありません。バックアップセンターであるボールデンはまだストレッチ5と呼べるほどでは無く、ブレイザーズのビッグマンと対抗するほどではありませんでした。そのためスコットをセンターに置いてきましたが、ブレイザーズはそのミスマッチを上手く利用していました。また、こういったマッチアップに対してまだコリンズというジョーカーを持ち合わせているので怖くありません。
シモンズは序盤から審判に対し怒りの態度を見せていて、複数のミスコールにフラストレーションを募らせているようでした。3Q中盤以降は1人でチームを運び、シーズンハイに並ぶ29得点をマークしましたが、バトラー&ハリスは眠っていたようです。
Ben Simmons wasn’t having it with Nurkic: “You talk a lot of s--t for being ass” 😳 *NSFW* pic.twitter.com/Tw9tfXrD9l
— Bleacher Report (@BleacherReport) February 23, 2019
カンターとヌルキッチが同じチームにいれば、トラッシュトークに花を咲かせることになることは簡単に予測が付きましたが、さっそく来ました。彼らの性質は今に始まったことではないので、こういった会話は彼らにとってむしろ自然なものです。"クソ野郎"として認知されたヌルキッチ。これからもそのスタイルを貫いていってほしいものです(笑)。
Morning Show
西海岸時間で午前10時という異例の時刻でスタートした試合でしたが、みんなバッチリ起きていたようです(笑)。前回の試合ではバトラーが76ersに対して不穏な雰囲気を出していましたが、今回はそのような事は起こらなかったようです。エンビード無しの76ersに対してインサイド制圧し、ネッツ戦と同様にゴール下を支配しました。相手が小さくなっても関係ありません。リーグ屈指のフィジカルセンターを最大限に生かしていきましょう!
リバウンドの差は歴然で(POR:53・PHI:33)、やはりエンビードの不在が終始味方していました。全体的にシューティングが悪い日だとしても、確実にペイントで加点できる方法を見つけることができています。この試合で光ったのはリバウンドですが、ハークレス&アミヌが期待以上の活躍をしました。最近はレイマン&フッドと入れ替わることもありましたが、昨年の3月あたりの絶好調ぶりを思い出させる内容でした。
wing combo | PTS | FG | 3P | FT | REB | AST | STL | BLK | +/- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アル・ファルーク・アミヌ | 15 | 5/9 | 0/2 | 5/5 | 6 | 2 | 1 | 0 | 23 |
モーリス・ハークレス | 13 | 6/9 | 1/1 | - | 5 | 2 | 3 | 2 | 22 |
3Qの決定的なランを演出したのは、彼らの素晴らしいオフェンス&ディフェンスによるものです。ハークレスのオフェンスに対する積極性も向上し、ミスマッチを利用しようとする意識が高まっているのを見ていると、いろいろな面で成長したなとつくづく思います。昨年は精神面で悩み、今年は膝の調子で悩み続けていますが、やはり精神面で成長したことが大きかったのか、充実した姿を見せてくれています。
Welcome to the Moe Show. pic.twitter.com/BqwxN3yx62
— Trail Blazers (@trailblazers) February 23, 2019
この日は出場した全員でもぎ取った勝利、という感じが非常に強かったです。リラマコで35得点、しかし15得点のマージン。今では信頼できるスコアリングオプションが増えたので、彼らもパスを出しやすくなっていると思います。少し前までは考えられないぐらい、贅沢なラインナップが組めていて、チームの深さを感じた試合でした。
ベストプレイ:J LAY LAY !!
IT'S A BIRD
— Trail Blazers (@trailblazers) February 23, 2019
IT'S A PLANE
IT'S JAKE LAYMAN pic.twitter.com/2BFLHAdcEC
#番外編 オールスターウィークエンド
69th in Charlotte | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Team LeBron | 37 | 45 | 50 | 46 | 178 |
Team Giannis | 53 | 42 | 36 | 33 | 164 |
リラードの4回目となったオールスターゲームは、再び強烈な印象を残して終わりました。アデクトンボ&ミドルトンにより最大20点差をつけましたが、3Qのカムバック劇はこの試合最大のハイライトの日一つなりました。
Dame Time in charlotte | PTS | 3P | REB | AST | STL | +/- |
---|---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 18 | 6/17 | 6 | 5 | 2 | 20 |
オールスターゲームでのリラードはセカンドユニットのリーダーとして存在感を出していました。終盤にはスターターのカワイと入れ替わって出場していたので、もはやスターターのように感じました(笑)。どんな試合でも自身を証明してしまうのがデイミアン・リラードです。
また、オールスターゲームとスリーポイントコンテストの出場だけでなく、スペシャルオリンピックスのユニファイドゲームのコーチなど、様々な形でウィークエンドに関わっていました。オールスターウィークエンドは選手はもちろん、すべてのバスケファンがバスケを楽しむ場でもあります。その祭典に花を添えられるスーパースターである彼は、本当にフランチャイズの誇りです。
シャーロットでの開催、ということでカリー親子がフィーチャーされました。ステフが久々にスリーポイントコンテストに出場し、サタデーナイトの目玉となりましたが、セスがまさかの第1ラウンド敗退。夢の対決は実現しなかったものの、やはりスリーポイントコンテストは見ててワクワクしました。そして、優勝したハリスは素晴らしかったです。
少しのライジングスターチャレンジでマッカラムがインタビュアーのような役割をしているのを覚えているんですが、あれはかなり興味深かったです。今回はシャーロットと関係のあるグリーン(UNC)とカミンスキー(CHA)が放送席に座っていましたが、もっと選手が絡むと放送が面白くなると思います。
来年は、ゴベールを選んであげましょう(笑)。
Week20のブレイザーズ
厳しいロードの中で、ドラフトを目指しているチームを相手にスリップは厳禁。ラブがようやく復帰し、ナンスJr.、ジジッチなどの分厚いビッグマンが揃っているので、今回はバックコートで攻めたい。次2戦を考えれば、ここで楽な勝利が欲しい。
オールスター明けは苦戦しているものの、常にタフなディフェンスと効率的なオフェンスを展開する才能チームに対し勝利を探すことは至難の業。サイズとフィジカルの優位性を生かしてインサイドプレイを多く絡め、ペリメーターディフェンスを機能させたい。試合よりも、アービングとリラードの純粋なバトルも楽しみたい。
イースタントップチームの一角。前回はベンチの有り得ないようなパフォーマンスで勝ったものの、再びそれに期待するのは望み薄。彼らのロスターには穴が無く、ブレイザーズがサイズやフィジカルで勝る点も少なく、がっぷり四つの戦いで接戦に持ち込んでクラッチシチュエーションで勝ちをもぎ取りたい。例によってカンターはアメリカを離れられないので、コリンズの出番か。
オールスター開催の地に再び降臨。5割をホバリングし続け、今だ光明の見えないチームを相手に、苦戦すること無く勝利を探したい。ケンバをアイソに持ち込ませ、ブレイザーズはボールムーブでイージー得点を多く探したい。前回はブレイザーズの圧勝に終わったため、非常に与しやすい敵に映るか。この4試合を3勝1敗で終わらせられれば最高の出来。