WE ARE THE NORTH WEST

#46【今週のブレイザーズ】Week5/ゆっくりと前へ

Week5──敵地は常に厳しい戦いです。長いシーズン、喜びの瞬間もあれば、うんざりする瞬間もあります。シーズンの象徴だったベンチにやや陰りが見えましたが、持ちこたえて愛しいホームに帰りましょう。

#14 11月14日(水) at ロサンゼルス・レイカーズ

Go Road Trip 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (10-4) 33 22 34 28 117
Lakers (8-6) 26 33 38 29 126
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

All Time Basket

レブロン・ジェームズレイカーズになってからのベストゲーム。真のレイカーズデビュー戦になったんではないでしょうか。また、全得点ランキングでウィルト・チェンバレンを抜き単独5位に浮上したそうです。ブレイザーズは脇に追いやられ、キングのための試合を眺めているようでした。

California Love PTS FG 3P FT REB AST STL BLK
レブロン・ジェームズ 44 13/19 5/6 13/15 10 9 1 3

この日のレイカーズは3Pシューティングが絶好調。ジョシュ・ハートに出場時間を奪われたケンテイビス・コールド=ウェルホープがまさかの3/4本、ロンゾ・ボールが3/5本。最高の驚きは31.6%だったレブロンがディープショットも含め5/6本も決めたこと。この3人で11/15本(73%)、その他で4/17本(24%)だっただけに悔やまれます。

ボールムーブが強く意識され、ブレイザーズディフェンスを簡単に崩していました。また、平均スティールの数はリーグ4位(9.1)ですが、ディフレクションは25位(11.3)。しかし、この日のディフは15。直近の試合でも守備の改善が目立っていたようです。

Improove def ? PTS OPP PTS OPP FG% DRtg STL
最初10試合 118.9 132.4 47.6% 111.4 8.9
直近3試合 107.3 100.7 41.0% 97.5 9.7
今日 126 117 44.1% 112.5 11

2Qの差が最後まで尾を引きました。すでに3度目の対戦で顔なじみとなった顔合わせですが、次に会うときは4月。BeatLAはそこまでに取っておきましょう。


Old Time Blazers

ブレイザーズのベンチは1試合平均21.4分出場しますが、この日は約14.5分。それは昨年の平均17.6分をも下回りました。後半リラード21分、マッカラム19分、ヌルキッチ18分。62点中48得点が3人に頼った試合展開になりました。ベンチがダメな時はビッグ3に頼りたいですが...そうなってしまうと、ただの"昔のブレイザーズ"です。

スターターベンチ
SvsB MP PTS FG% 3P% REB AST MP PTS FG% 3P% REB AST
Won 131.3 74.2 .489 .390 29.0 10.6 108.9 41.9 .470 .407 22.6 10.3
Lost 151.8 85.5 .442 .320 35.5 13.0 94.4 30.0 .368 .279 16.8 7.0

ここまで喫した4敗中3敗は、ブレイザーズベンチが相手ベンチの得点を下回っているときに起こっています(ヒート(-7)、レイカーズ(-25)、レイカーズ(-9))。勝った試合は最大でも-2点で収まっています。

今シーズン逆転勝利は1度もありません。やはりベンチの出来に依存している試合がここまで多いです。ベンチユニでリードが取れないと、何となく"ああ、厳しくなるだろうな"と勝手に感じてしまいます。それぐらい今シーズンのベンチの存在は大きいです。

また、2戦続けてレイカーズ戦ではベンチが機能しませんでした。レイカーズは開幕戦でブレイザーズベンチにこてんぱんにやられているだけに、もう同じ手は食わないという気持ちが強いのでしょうか。

Bench stats MP PTS FG 3P REB AST TOV
開幕戦 116.8 55 20/34 7/13 26 16 7
11月3日 87.4 26 11/32 2/14 8 8 9
今日 74.1 18 8/24 2/7 15 8 4

このユニットの肝は3Pにあります。しかし、スタウスカスはピッタリとマークされうてず、セス・カリーも同様。徐々にベンチも暴かれて、機能しなくなってくるとチームの下降は必至です。

リラマコのアイソに頼った典型的な試合。それがこの日の試合内容です。昨年3月の対レイカーズ戦では4Q中盤に11点差をつけられるも、リラードが4連続3Pを決めて勝利した...という試合がありました。それがもう一度起こることを祈るしかない状況は...基本的にかなりやばいです。

さらに、この日カリーが再び負傷したため現在のベンチユニットは保てなくなりました。これが悪い兆候の始まりでないことだけを願います。


ベストプレイ:CJ→DAME🏀

彼の膝はきっと元気です!



#15 11月16日(金) at ミネソタ・ティンバーウルブズ

NEW... NEW... 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (10-5) 21 22 24 29 96
Timberwolves (7-9) 29 26 28 29 112
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

New Team

前回30点差をつけて勝ったはずのチームは、別のチームになっていました。前回ジェフ・ティーデリック・ローズを欠いていたということもありましたが、開幕前からごたついていた問題が片付いて、すっきり。ようこそロバート・コビントンダリオ・サリッチ。ウルブズはまた素晴らしいトレードをしました。

ティンバーウルブズ シクサーズ
ロバート・コビントン ジミー・バトラー
ダリオ・サリッチ
ジャレッド・ベイレス
2巡目指名権 (2022) ジャスティン・パットン

コビントンは言わずと知れた最高峰の3&Dプレイヤー。彼がSFに入ることにより、アンドリュー・ウィギンズのディフェンスの穴をカバーして、マッカラムのようなアンダーサイズSGとのミスマッチを利用する戦法が取れます。ウィギンズがそのミスマッチを上手く利用できればですが......

サリッチはウルブズの弱点であったベンチからの得点を供給し、デリック・ローズとのコンボはベンチに新たな重厚感をもたらします。ブレイザーズ背の高いチームに弱いチーム。この2人は向こう数年はチームのコアとして残ります。常に彼らは嫌な相手になるでしょう......

New Face PTS FG 3P REB STL PF
ロバート・コビントン 14 5/7 4/6 5 3 5
ダリオ・サリッチ 9 3/9 1/5 7 1 4

新顔の2人以上に、イキイキとプレイしていたのがカール=アンソニー・タウンズウィギンズ。2人ともジミー・バトラーにまつわる騒音から解放され、本来の力を発揮していくことでしょう。


氷点下

ミネソタ州は別名"アメリカの冷蔵庫"と呼ばれるほど、秋になるとグッと気温が下がります。それに感化されたかブレイザーズ。今シーズンワーストゲームとなったこの試合は、終始一貫してエナジーを欠いた覇気のないコールドゲームでした。

スターターもベンチも上手くいきません。その状況下で活路を見出していくことは不可能です。彼らは面白いほどにターンオーバーを出しましたが、すでに移動で疲れ切っているんでしょうか?

it happens PTS FG 3P REB AST TOV
デイミアン・リラード 16 5/18 1/7 6 5 5
CJ・マッカラム 18 8/16 1/4 1 2 3
ユスフ・ヌルキッチ 13 5/8 - 11 0 4

唯一の光と言えば、カリーの負傷で回ってきたチャンスを生かしたルーキーアンファーニー・サイモンズ。実質初出場でしたが、臆することなく自分の持ち味を発揮。もう1人のルーキー、ゲイリー・トレントJr.もガーベージタイムながら8得点。彼らが一番イキイキとしていました。

Rookies solid MP PTS FG 3P REB AST
アンファーニー・サイモンズ 13:25 7 3/7 0/2 3 1
ゲイリー・トレントJr. 5:44 8 3/5 2/2 1 0

プレシーズンではジェイ・クロウダーに果敢に挑み、そしてレギュラーシーズンでオールディフェンシブ1stチームのコビントンに対し得点を決めました。とても19歳には見えない幼顔で、カレッジ経験の無い子供。しかし、その実態は"天性のスコアラー"の原石。恐れを知らない子供は、意外と早く駆け上がるかもしれません。

また、リラードがオールタイムブレイザーアシスト部門で第3位に上がりました。そして、得点でもまもなくテリー・ポーターを抜き第3位に浮上します。こういう記録を破っている選手がいる時代は本当に貴重な時間です。


ワーストプレイ:崩れたディフェンス

よし、切り替えていこう!


#16 11月18日(日) at ワシントン・ウィザーズ

Revenge 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (11-5) 32 30 29 28 119
Wizards (5-11) 25 16 29 39 110
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

鬼の居ぬ間に

ジョン・ウォールブラッドリー・ビールが下がった後半、特に4Qからウィザーズは息を吹き返しました。トロイ・ブラウンJr.トーマス・ブライアントらローテーションプレイヤーではない若手がイキイキとプレイし、特にトマス・サトランスキーのスマートなプレイが目を惹きました。

4Q Wiz MP PTS FG 3P REB AST
ケリー・ウーブレイJr. 12:00 10 3/5 1/1 3 3
オースティン・リバース 12:00 8 3/6 2/4 1 1
トマス・サトランスキー 12:00 8 3/3 1/1 1 4

ウォール&ビールがいない時にウィザーズがいいバスケットをしていたことは明白です。1Q序盤からウォールが不得意なジャンプシュート、ドワイト・ハワードも無防備なミドルをうち、簡単にポゼッションを失いました。そうして最初の8分で20点差つき、ハワードは怪我で後半欠場。スターター対決の軍配はブレイザーズに上がりました。

Starters PTS FG 3P REB AST STL BLK TOV
Blazers 94 30/67 9/25 37 16 4 2 4
Wizards 54 21/50 7/15 17 9 1 5 8

ビールは3Q途中で5ファウルになり、その後出場しませんでした。確かに怪しいコールがいくつかあり、笛に対するイライラを募らせているようでした。それが伝染するかのようにウィザーズはテクニカルファウルを連続で出しました。彼らはこのあたりの雰囲気も悪いですね......

シーズンの早い段階で負けが込み、これを選手たちが"互いのせいにしている"という情報もあります。例えそれが真実では無くても、良くない空気が確かに流れています。これ以上負けが込むと、以前より不仲が囁かれているウォールビールが袂を分かつときはそう遠くない気がします。


チームバスケットボール

ウィザーズが孤独にプレイしていたから、そう見えただけでしょうか。この日のブレイザーズは敗北した過去2戦とうってかわって、たくさんボールを動かした美しいバスケットボールを展開していました。孤独ではないバスケットは、見ていて楽しいです。

合計9回のパスをつなぎました。また、ターナーからリラマコへの素晴らしいパスがいくつかあり、理想的な攻撃ができていました。

しかし、スターターの活躍の陰にベンチユニットは20点の貯金を吐き出してしまうなど、いいところがありませんでした。特に調子を落としているのがコリンズ。早々にいくつかのオフェンスファウルを犯し、最終的に6ファウル。最近はキレのある動きが見られなくなり、全体的に停滞しています。しかし、これは彼が成長するための壁の1つ過ぎないと、楽観的に見ることもできます。

Slow Down Z MP PTS FG% 3P% REB AST STL BLK TOV PF
それまで 21.4 10.2 .566 .385 4.5 1.0 0.3 1.2 1.5 3.0
最近3試合 17.0 5.7 .400 .286 3.7 1.0 0.3 0.7 2.3 3.3

また、サイモンズウォールに派手にショットブロックされました。超級ガードを相手にして何もすることができませんでしたが、それは素晴らしい経験です。

ビッグ3+ターナーが大きく力を発揮して勝利しましたが、特によかったのがヌルキッチオールラウンドの活躍とはまさにこのこと。成熟のボスニアン・ビーストは頼りになります。

1:04:股抜きパス!
Another Beast PTS FG FT REB AST BLK TOV
ユスフ・ヌルキッチ 13 3/8 7/9 14 8*1 1 1

8アシストは出来すぎです。以前まで、この手のパスはディフェンダーの手に当たって簡単にターンオーバーを招いていましたが、この日のパスは正確でした。彼は確かなビッグ3の一角として、存在感が増してきています。

そして最後にリラード。序盤から気迫を前面に押し出したプレイを見せてくれました。40得点は今シーズン3回目。相手のファウル過多も手伝いましたが、それでもすごい。

More 40 PTS FG FT REB AST STL TOV
デイミアン・リラード 40 12/29 13/15 6 5 1 1

連敗中の嫌な流れを変えるプレイができるのは、彼しかいません。特に、スティール→アンド1には痺れました。やっぱリラードはかっこいい。そして、WC1位?たとえ一瞬だと思われていても、こんなに気分の良いことはありません。


ベストプレイ:最大の熱量で

MVP! MVP! MVP!


Week6のブレイザーズ

#17 11月20日 (火) at ニューヨーク・ニックス

クリスタプス・ポルジンギスを欠き、すでにタンクに入っているチーム。すでに見据えるのは2019ドラフトと大物FAの誘致か。怖い選手は特にいないので、トラップゲームにならないように気を付けるだけ。



#18 11月21日 (水) at ミルウォーキー・バックス

前回はマッカラムのモンスターゲームで勝ったものの、今回はアウェイでバックトゥバックのために厳しい戦いは必至。3Pシュートの制限はもちろん、ブルック・ロペスとマッチアップするヌルキッチのペリメーターディフェンスの努力が必要。



#19 11月23日 (金) at ゴールデンステイト・ウォリアーズ

王者との第1戦。ケビン・デュラントドレイモンド・グリーンのドラマを横目に見つつ、今シーズンの今後も占っていきたい大事な1戦。ロード最終地点を最高の形で締めたい。ステフィン・カリーの復帰時期はこの辺りか。



#20 11月25日 (日) vs ロサンゼルス・クリッパーズ

現在急上昇中のクリッパーズ。チーム3Pシューティング成功率が脅威の39%ハリス&ガリナリを抑えるアミヌの貢献に期待。終盤のガリナリによるPNP攻めは絶対に封じたい。


*1:キャリアハイタイ