Week7──12月に突入しても、勝てない試合が続きます。開幕のころとは違ってしまったブレイザーズ。しかし、逆境は遅かれ早かれ訪れます。彼らがどんな風に乗り越えていくのか。それはチームの地力が試される時です。
#21 11月28日(水) vs オーランド・マジック
Turn it up | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Magic (10-12) | 30 | 33 | 21 | 28 | 112 |
Trail Blazers (13-8) | 33 | 22 | 40 | 20 | 115 |
Step Up Magic
ゴードンが欠場するも、スターターとして入ったアイザックが活躍し、穴を埋めました。次の"ユニコーン"と言われている彼が大きくステップアップすることは、全てのマジックファンが望んでいることでしょう。
To the Unicorn? | PTS | FG | 3P | REB | AST | BLK | TO |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ジョナサン・アイザック | 16 | 5/9 | 2/4 | 7 | 2 | 1 | 4 |
ブーチェビッチは今シーズンからオールスターのようにプレイし、彼ほどオールラウンドにプレイできるセンターは他にいません。この日も非常に厄介な存在でした。また、最近覚醒しているロスが、珍しく不発。最後のワイドオープンショットも外し、出場選手の中で最も悪い成績を残しました。
From Portland | PTS | FG% | 3P% | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|---|
最後4試合 | 18.0 | .529 | .522 | 3.5 | 1.3 | 1.8 |
今日 | 10 | .313 | .000 | 7 | 1 | 3 |
しかし、リラ-ドを守れるガード(もしくはアンサーできる)がいなかったので、ブレイザーズに分がありました。そしてフォーニエは柔らかいです...
また、この日のマジックはチーム全体でFG50%・3P40%・FT90%を記録しています。これは、フランチャイズ11回目のことです。それをマークした試合は過去10戦10勝。つまり、初めて270クラブ試合で敗北したことになります。これだけ良かったのに、負けたというのはショックでしょう。
New Records
ブレイザー史上初の1試合2桁3P成功。彼がまた、フランチャイズの歴史に名を刻みました。
Ten | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 41 | 13/22 | 10/15 | 8 | 4 | 2 |
史上22人目の達成で、ステフ&トンプソン以外での達成となると、2018年3月のケンバ以来です。スクリーンからリラードのプルアップが最強に決まりました。
スタウスカスも5本決め、前半持ちこたえた大きな要因となりました。また、ハークレスとアミヌが積極的にドライブを仕掛けて、いつもとは違うアクションを起こしているのが印象的でした。突っ立っているだけの存在ではもったいないですからね。ヌルキッチが負傷の影響を感じさせないプレイをしていたので、安心しました。
.@NStauskas11 has 5 triples in the 1st half, tied for his most as a Blazer. pic.twitter.com/A2DfNvgw36
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年11月29日
3Q終盤は最近で一番のディフェンスをしていました。ショットクロックを使わせ、苦し紛れのシュートを強制させる理想的なポジッションが何回もありました。これを1試合通して、何度もしていかなければいけません。そして、最後フリースローを10本中8本外したところは、昨年のクリッパーズ戦を想起(グリフィンのラストショット)させました。こんなミスで勝ちを逃すことだけは二度とごめんです。
Tonight was Coach Stotts’ 400th career win!
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年11月29日
Congrats, Coach. pic.twitter.com/CrefiJXpyF
そしてMr.ストッツ、400勝おめでとうございます!
その男はエドではない
1Qの終わりから2Q頭ににかけて最悪な組み合わせだったのがマイヤーズ&コリンズ。この2人の組み合わせになってからというものの、コリンズはブロックがめちゃくちゃ減りました。マイヤーズがセンターに入っているので、ブロックスペースは彼が食いつぶしてしまっています。
彼がローテに入ってからベンチは上手く行かないし、なんかコリンズもオフになるなぁ...と薄々、というか最初から気づいていました。それでも"いやいや、彼にはスリーがあるじゃんか!"とごまかし、致命的な欠陥をなるべく視界に入れないようにしていました。しかし、もうこの際はっきりしましょう。彼の存在しないDをごまかすのにはもう限界です。
Collins Stats | MP | PTS | FG% | 3P% | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Meyers On | 9.0 | 2.8 | .441 | .200 | 2.4 | 0.3 | 0.0 | 0.1 |
Meyers Off | 13.1 | 6.2 | .551 | .419 | 2.7 | 0.8 | 0.3 | 1.0 |
そしてコリンズは、マイヤーズがいないときに良い成績を残しています。これが偶然だとは微塵も思いません。また、マイヤーズをオープンでうたせるプレイも用意されておらず、彼は"たまに"オープンになったときだけスリーをうつだけの存在で、負のディフェンスの存在を考えれば効率的ではありません。
ベンチ | MP | PTS | FG% | 3P% | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初9試合(Meyers Out) | 21.7(2) | 41.2(8) | .468(9) | .404(6) | 19.9(5) | 10.2(3) | 2.6(19) | 3.0(3) |
最後12試合(Meyers IN) | 19.3(10) | 33.6(19) | .418(24) | .355(9) | 20.6(4) | 8.6(12) | 2.0(27) | 1.1(28) |
確かにコリンズはまだ、センターに相応しい筋量とリバウンド能力を持っていません。それでも、マイヤーズがいないときにベンチが良い結果を残していることは事実です。なぜブロックの(絶対に)できないマイヤーズをゴール下に陣取らせて、わざわざコリンズの長所を消すような使い方をしているんでしょうか?
彼を使うならば、ホワイドサイドのような超骨太ビッグマンと対するときに、リバウンドを捨てる覚悟でペイントを開けるときだけにするべきです。
1度でいいからレイマンをスターターに戻し、ベンチからハークレスをスモールPFとして使うか、スワニガンをマイヤーズと入れ替えるかしてください。もっと楽に勝つ気があるのならば。彼を使うことを最善としている今の状況を、最悪の状況と認識すべきです。
ベストプレイ:記念すべき10
DAME DOLLA.
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年11月29日
NEW FRANCHISE RECORD! pic.twitter.com/J26IzorqfZ
#22 11月30日(金) vs デンバー・ナゲッツ
Div Rival | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Nuggets (15-7) | 38 | 30 | 23 | 22 | 113 |
Trail Blazers (13-9) | 26 | 27 | 32 | 27 | 112 |
ディフェンス革命
ナゲッツは効果的なダブルチームを敷いてプレッシャーをかけ、ショットクロックを精一杯使わせるベターディフェンスをしてくるチームです。特にこの日はミルサップとハリスのディフェンス努力には素晴らしいものがありました。オフェンリリバウンドにスティール...この2人がフロアにいると、簡単に得点できる感じがしません。
特に、ミルサップはDPOYになっても不思議ではありません。
Better Guys | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|---|
ゲイリー・ハリス | 27 | 9/21 | 4/10 | 3 | 3 | 1 |
ポール・ミルサップ | 22 | 9/16 | 2/3 | 10 | 4 | 4 |
モンテ・モリス | 16 | 7/8 | 2/3 | 4 | 2 | 0 |
また、4Qはほぼこの2人やられました。ハリスは本当に負傷しながらの出場だったんでしょうか...?信じられないほどいい動きをしていました。また、モリス、マレー、ハリスの3ガードラインナップは個人的に見ていてとても楽しいです。
昨年まで、"ベターオフェンス&ベターディフェンス"と言われていたチームは、ほぼ布陣を変えずにベターディフェンスチームへと生まれ変わりました。強固で確立されたディフェンスと、元からあったオフェンスが組み合わさって、彼らは今最強のチームのように見えます。
ラストショットと勝敗の行方
ショットクロックを使わされるディフェンスにかなり手間取っていました。それでも、簡単に諦めない展開を作れたことで、"カムバックできない"から"できるかもしれない"あたりに昇格しました。
今シーズン、4Qまででリードしている試合の勝率は13勝0敗です。逆は0勝9敗です。個人的に、強いチーム=カムバックできるチームだと思っています。逆境になったときに、チームの真の強さが問われるからです。そういう意味で、この試合を最後まで競った意味は大きいです。
.@ZCollins_33 three point play
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月1日
Zach Collins MEAN MUG pic.twitter.com/TF0jx96Zbi
{\__/}
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月1日
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/ >🏀
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🏀< \
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/ \ pic.twitter.com/kgK6ggHutv
終盤は信じられないぐらいディフェンスを頑張っていました。多くのターンオーバーを誘い、コリンズとアミヌが印象的な活躍をしました。マッカラムのハイパフォーマンスで一時同点にまで追いつきましたが、彼のスリーが1本でも決まっていれば、ライルズのブザーハーフコートスリーが外れていれば...というタラレバな試合になってしまいました。
Wild Night | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|---|
CJ・マッカラム | 33 | 14/21 | 0/5 | 4 | 1 | 1 |
アル・ファルーク・アミヌ | 20*1 | 7/9 | 2/4 | 7 | 1 | 1 |
マイヤーズも印象的でしたが、こういう試合をしてしまうので中途半端になってしまうんですよね。彼が長く出場したのもほとんどプラムリー対策だったからだと思いますが。
また、開幕前から密かに楽しみにしていたのが、ヌルキッチvsヨキッチのマッチアップ。
Rival | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ニコラ・ヨキッチ | 15 | 7/12 | 0/2 | 6 | 8 | 1 | 1 |
ユスフ・ヌルキッチ | 17 | 7/15 | 0/1 | 11 | 1 | 2 | 2 |
残念ながら、ミルサップがヌルキッチとほとんどマッチアップしたので完全対決とまでは言えませんでした。しかし、ヨキッチをブロックしたシーンは痛快でした。ディビジョンライバルであり、センター同士もライバル。切っても切れない因縁があります。ポートランド対デンバーは、今後もベストカードとして最高の試合をしてくれるでしょう。
この試合を多くを語る必要はありません。死闘でした。その一言に尽きます。
ベストプレイ:Beautiful Fade away
CJ McCollum ties the game with the short step-back jumper!#RipCity 108#MileHighBasketball 108
— NBA (@NBA) 2018年12月1日
55.8 left to play on ESPN. DEN ball. pic.twitter.com/mDREsm71vv
#23 12月1日(土) at サンアントニオ・スパーズ
Hete three points | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (13-10) | 33 | 22 | 35 | 28 | 118 |
Spurs (11-12) | 32 | 30 | 35 | 34 | 131 |
ミッドレンジゲーム
現在のNBAで最も非効率なシュートはミドルレンジショットだと言われいます。それを試合に採用し、繁栄しているのがデローザンとオルドリッジ。しかし、そのショットがことごとく決まるんですよ...
Mid Guys | PTS | FG | REB | AST | STL | TO |
---|---|---|---|---|---|---|
デマー・デローザン | 36 | 13/27 | 8 | 6 | 2 | 4 |
ラマーカス・オルドリッジ | 29 | 11/15 | 8 | 3 | 1 | 5 |
この日のスパーズは、FG60%・3P70%・FT90%越えの有り得ないスタッツラインを記録し、復調の手助けをしました。それは、過去たった1チームしか達成していない記録でもあります。1983年12月25日のレイカーズvsブレイザーズで、奇しくもブレイザーズが記録しています。しかし、3P試投数が大幅に増えた現代では天文学的数字と言っても過言ではありません。
彼らはオープンにボールを渡し、より効率的なショットを選択していました。過去2戦で30点差以上の差をつけられたことはポップ時代になってから史上初のことだったそうですが、やはり3度も同じ過ちを犯すチームではありません。またしても、プレイオフを争うライバルチームにチームプレイの違いを見せつけられてしまいました...
攻撃は最大の防御ではないらしい
ターナーがいなかったので、リラマコフル稼働。2人のどちらかが常にフロアにいたため、ベンチ選手にショット機会がありませんでした。リラードは、序盤からステップバックショットを多用し、久しぶりにダブルブダルをマークしました。マッカラムとアミヌもナゲッツ戦から継続して攻撃的でした。
Up Up... | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 37 | 11/28 | 3/11 | 2 | 10 | 2 |
CJ・マッカラム | 24 | 11/22 | 2/6 | 2 | 3 | 0 |
アル・ファルーク・アミヌ | 20 | 7/9 | 4/5 | 7 | 1 | 1 |
ベンチ | 13 | 5/11 | 2/2 | 7 | 3 | 0 |
しかし、なんでしょう。前半から飛ばしすぎたのか、結局リラマコは4Qに強い試合をすることができませんでした。ベンチが空っぽな試合では、彼らに頼らざるを得ないことは知っています。しかし、数に勝っていたスパーズに終盤押し負けてしまうことは、3Qが終わった時点で予測がつきました。やはり、3-4人で戦うのと、5-6人で戦うのは違いすぎます。
FG・3P・FTで50/40/90を超える効率的な試合をしましたが、負けてしまえばどんなに高いFG%を残しても関係ありません。ディフェンスさえできていれば負けるような試合ではありません。
しかし、5週目あたりから怪しくなってきたDは、試合を重ねるごとに悪化の一途を辿っているため、どんなに点を取っても勝てません。"ベターオフェンス&バッドディフェンス"の冠は、ブレイザーズが新たに受け取る称号かもしれません。
Week5*2 | DRtg | FG% | 3P% | PTS | PTS TO*3 | 2ND PTS | PITP | FBPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
以前 | 107.6(5) | .429(1) | .345(11) | 105.6(6) | 14.6(2) | 13.3(16) | 47.6(12) | 14.9(18) |
以降 | 117.8(29) | .501(29) | .433(30) | 118.9(29) | 15.1(6) | 14.6(21) | 46.9(8) | 11.2(9) |
この期間中3Pを40%以上与えているのはブレイザーズだけです。この数字が示す通り、毎試合毎試合、驚くべきほど効率的に得点されてしまっています。ブレイザーズは非常にリバウンドに強いチームですが、これだけ得点されてしまうとリバウンド機会を失い、大きな差をつけることができなくなります。
トランジションを抑えられない、ボールウォッチャーになりすぎる...色々ありますが、意識レベルの問題なので、明日明後日にどうなることではない気がします。ベターオフェンスは、ベターディフェンスには勝ちません。今の戦い方は自身の首を絞めているだけです。
ベストプレイ:アクティブハンズ!
Air Dame pic.twitter.com/DMOVjjCCjS
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月3日
Week8のブレイザーズ
スーパールーキールカ・ドンチッチ率いるグッドディフェンスチーム。ベンチ層が暑く、ブレイザーズは数の差で不利。アミヌやハークレスといったウィングがディフェンスを欠き回せればベスト。
ウェスタンで唯一大きく負け越しているチーム。タンクチームの存在しない西では、すべてのチームが競争相手に成りうるため、1つでも多く勝っておきたい。デアンドレ・エイトンとヌルキッチの対決は、プレシーズンでは五分五分。レギュラーシズンでの"ドラ1ルーキー"の暴れっぷりに注目。
前回ボロ負けを喫した相手。ロバート・ロビントンは早くも彼らが勝利する大きな要因になっているため、厄介。カール=アンソニー・タウンズを攻撃的に抑え、ヌルキッチがゴール下を制圧したい。