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#50【今週のブレイザーズ】Week8/新たな変化

Week8──闇の中から少しだけ脱した気がする、そんな週でした。多くの選手に新たな変化があり、チームは良い方向へと向かっているのでしょうか...?リラマコだけに頼らない。そんな試合を本当に多くみたいものです。


#24 12月4日(火) at ダラス・マーベリックス

Texas Heart Brake 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (13-11) 20 25 28 29 102
Mavericks (12-10) 34 26 27 24 111
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

Real Deal

"ルカ・ドンチッチ大谷翔平は似ている"と、そう思うのは僕だけでしょうか。競技は違えど、その若さからは考えられないほどにゲームが成熟していて、多彩。競技に対するIQがあまりにも高い。世界最高のリーグで1年目から活躍している2人は、多く共鳴するものがあります。

輝かしい実績を引っ提げてNBA入りし、ここまで平均18pts・6reb・4astをマークしています。ルーキーシーズンにこれを上回ったのは歴史上4人だけ。もし達成できれば、殿堂入りは間違いなし...!?

Goat Players G MP FG% REB AST STL BLK PTS
79'80 ラリー・バード 82 36.0 .474 10.4 4.5 1.7 0.6 21.3
79'80 マジック・ジョンソン 77 36.3 .530 7.7 7.3 2.4 0.5 18.0
84'85 マイケル・ジョーダン 82 38.3 .515 6.5 5.9 2.4 0.8 28.2
94'95 グラント・ヒル 70 38.3 .477 6.4 5.0 1.8 0.9 19.9
18'19 ルカ・ドンチッチ 21 33.1 .443 6.6 4.2 1.0 0.4 18.6

他にも、過去の4選手たちはルーキーシーズンが21~23歳だったため、ドンチッチは最年少での達成も同時に記録します。世界最高リーグの1つであるユーロリーグに3年間所属していたプロアスリートは、NBAの舞台でも、様々な最年少記録を塗り替えていくことになると思います。

Slovenia Prince PTS FG 3P REB AST TO
ルカ・ドンチッチ 21 6/14 2/4 9 3 2

残り1分を切ったところでのステップバッククラッチスリーには脱帽しました。彼をルーキーと思えばあまりにもすごく映りますが、これが普通のルカ・ドンチッチ。ヨーロッパ最高の才能です。


Change

早々にPNRを封じられ、ターンオーバーを連発し、徐々に差が開き、そして打つ手が無くなった典型的な試合でした。マブスはタフスリーが多く決まり、ブレイザーズはワイドオープンスリーを逃しました。特にマブスはパスをもらって自然なシュートを放つ、テンポの良いスリーをうっている姿が印象的でした。

チームでプレイしてくる相手に、チームでプレイできず個々が孤立していました。特にひどかったのが1~2Qにかけてのベンチ。ゴール下を制圧され、オフェンスはアイソに頼った最悪なセカンドユニットでした。ここで6点差から15点差に突き放されたことが、最後まで重くのしかかりました。

結局ベンチがつけられた差をひっくり返すことはできませんでした。しかし、久々にコリンズをセンターで使うラインナップに戻してくれました。もうマイヤーズのツーテンポ遅いディフェンスと躊躇するシュートとはおさらばしたいところです。決してカムバックはできませんでしたが、ラインナップの変更が僅かばかりの希望となりました。

そういえば、2Qにパウエルの明らかなオフェンスファウルをAND1だと勘違いされていました。それを見てコリンズがグッドディフェンダーとしてまだ全然認知されていないんだなと思いました。何なら、彼とマイヤーズを間違えられることもありますからね...コリンズ、もっと存在感出していこう!


ベストプレイ:気合のエンワン

そしてチーフはディフェンスの獣でした。


#25 12月6日(木) vs フェニックス・サンズ

EZ Win 1Q 2Q 3Q 4Q END
Suns (4-21) 9 32 18 27 86
Trail Blazers (14-11) 34 28 25 21 108
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

迷走、迷走、迷走

エイトンという念願のビッグマンの獲得、アリーザという勝ちを知るベテランウィングの追加で、Win-Nowモードに移行しようとしていたサンズ。しかし...現状はあまりにも悲惨すぎます。ホークスやキャブスは分かりやすく再建に入っているため、負けても問題がありません。けれど、過去3年連続でトップ4ピックを獲得してきたチームに、もう負けるインセンティブはありません。

Dissappoint High Pick
2016:4位 ドラガン・ベンダー DNPプレイヤー
2017:4位 ジョシュ・ジャクソン 19.7分, 7.1pts, FG39.9%, 3P25%
2018:1位 アンドレ・エイトン 15.8pts, FG59%, 10.1reb, 2.5ast

そして、キャナンを解雇して、再びポイントガードの迷走が相変わらず続いています。ブッカーはプレイメイク役となり、自由に攻撃することができません。ブリッジスではなく、アレキザンダーをドラフトで獲得できていれば、全然違っていたんでしょうね。

しかし、この日は主力のブッカーウォーレンがいませんでした。それは、まるでGリーグのようなチームに見え、オフェンスもディフェンスも存在しない、目を覆いたくなるような、試合を放棄したくなるような試合だったと思います。試合後、彼らのロッカーロームには不穏な空気が漂っていたと言います。

www.azcentral.com

しかし、ホームズブリッジスはとてもいい動きをしていました。彼らは混雑しているウィングを良いポイントガードとトレードし、早急にポイント・ブックを解放する必要があります。しかし、一番良いのはメルトンが彼らの救世主となることです。


好機を物にする者

例えばリラードが40得点したとか、ヌルキッチが30得点していたならば、この試合はほとんど意味の無い物になっていたでしょう。マッカラムの欠場が無かったら、レイマンDNP試合を続けていたかもしれません。それでも、彼の時間がやって来ることを、誰もが期待していました。

ミスマッチを利用することができて、オフボールで積極的に動けて、誰よりも速くて正確なクイックリリースフォームを持っているナイスガイ。その多くがアミヌハークレスにはない物だからこそ、貴重です。彼の攻撃能力によりリラマコの攻撃的な負担を分散できる存在ですが、より守備的にならなければ試合に出続けることが出来ないことを彼は知っています。だからこそ、この試合が一つのきっかけになったと、そう言えるようにしてほしいですね。

Sunshine Rise PTS FG 3P REB STL
ジェイク・レイマン 24*1 10/13 3/5 7*2 2

3年目の今年、彼は最初で最後の勝負の年を迎えています。どんな時でも決して態度を変えず、このような日に備える準備ができているところを見ていると、彼は心配ないように思えます。カナトンの成功例を間近で見ていたことも、プラスに働いているようです。

ちなみに、彼のキャリアハイゲームは2016年11月1日、プロ初出場となった対ウォリアーズ戦でガーベージタイムに獲得した17得点でした。試合後、ケビン・デュラントは言いました。

彼のプレイ時間をもっと増やすべきだ、と。


ベストプレイ:自信を持って

さあ、ここからです。


#26 12月8日(土) vs ミネソタ・ティンバーウルブズ

TT Battle 1Q 2Q 3Q 4Q END
Timberwolves (13-13) 27 24 29 25 105
Trail Blazers (15-11) 30 23 28 32 113
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

バランスが大事

バトラーが去って以来、ウルブズはかなり良くプレイしています。特に4Qの運び方がいいです。タウンズを攻撃の中心にし、彼へのダブルチームを利用したり、PNPを使ったりして、よりイージーな得点を簡単に生み出しています。明らかにバトラーが全権を握っていた時よりも、彼らはチームとして怖い存在です。

コビントン到着 Record ORtg DRtg 3P% STL BLK
Before 5勝 9敗 107.7 113.9 .361 9.1 5.9
After 8勝 4敗 108.8 101.5 .380 9.8 5.5

今後もタウンズを第1オプションとして上手く利用すれば、彼らは簡単に勝利を積み重ねていくでしょう。しかし、この日の4Qにボールを握っていたのがローズFG25アテンプトはシーズン2番目の多さ。特に終盤は余計なショットを多くとっていました。敵目線としては、単独得点に走りがちな選手よりもオコギジョーンズに出られる方が怖いです。

コビントンが欠場していたことは大きく、ここに彼がいると思うと...本当に恐ろしいチームです。


チーフのドリブルと存在感

彼がボールを持ってドリブルする度に、チーフ、ドリブルすんな!と何度思ってきたでしょうか。しかしアミヌは最近、ドリブルで簡単にロストしなくなりました。開幕戦で見事なダンクがありましたが、それ以来ほとんどそのようなシーンを見ませんでした。けれど、最近は少し違うようです。

彼が今までずっとドリブルに挑み続けてきたことを知っています。それがようやく報われつつある気がします。少しづつ積極的になってきた攻めへの意識と自信、大きく改善されたハンドリングは、"ディフェンスと少しのスリーだけの選手"以上のものになろうとしています。彼の揺さぶりが効果的に決まれば、チームはとても楽に攻めることが出来ます。

From Lagos PTS FG% 3P% REB AST STL BLK
それまで 8.0 .374 .318 8.0 0.4 1.0 0.4
最近5試合 14.8 .711 .500 8.6 1.6 1.0 0.4

キャリア初の2試合連続20得点もありました。この日はさらにダンクを4つも決めました!覚醒チーフモードに入っています。


全員で勝利を

素晴らしいボールムーブバスケットを展開し、残り3分で6点差をつけられるも逆転に成功。久々に価値のある勝利ができました。役者はヌルキッチタウンズを早めのファウルトラブルに誘い出し、ボックスシートを全て埋める活躍で、特に8オフェンスリバウンドが効きました。

Maturity Beast PTS FG FT REB AST STL BLK TO
ユスフ・ヌルキッチ 22 7/10 8/9 11 4 3 4 6

しかし、彼はボックススコアやスタッツを気にしません。"勝つことだけに集中"しています。冷静に多くの事をプレイできるようになった彼は、"オールスターキャリバークラス"への階段を登りつつあります。もし誰もがそれを認める日が来たら、ブレイザーズは本当の意味でBIG3を手に入れることになるでしょう。

終盤の締めに主役2人が活躍し、最高の形で勝利を掴みました。試合をコントロールされかけてからの逆転は、チームとしても大きな意味をもたらします。点差をつけられたら中々逆転できない...そんな状況を打破できたことで、これからの勢いと自信を取り戻した気がします。ただ、ターンオーバーの多さは気になりました。

そして、この日から本格的にセスを外しレイマンをローテーションに組み込み始めました。それをしばらく実験していきましょう。そして、マイヤーズも意識的にスリーポイントラインに下がって自分の利点を生かそうとする変化が見られました。豪快なダンクはエネルギーを提供してくれますが、彼の仕事は正統センターのように内でボールを待つことではありません。ジェンのようなセンターをゴール下から引き離すことは、彼にしかできないことです。


ベストプレイ:左手首をタップして⌚

彼らのプレイ。彼らのゲーム。


Week9のブレイザーズ

#27 12月11日 (火) at ヒューストン・ロケッツ

未だに、彼らを"ウェスタン上位チーム"と見ている人は果たしてどれぐらいいるのか?リーグで最も層の薄いチーム、そして衰退し始めたクリス・ポール。もう彼らは昨年と同じチームではないはず。前回はいなかったジェームズ・ハーデンを自由にさせないことはもちろん、多量にうってくるエリック・ゴードンのスリーを最小限に抑えたい。



#28 12月12日 (水) at メンフィス・グリズリーズ

ブレイザーズと同じ成績(15-11)を残しているプレイオフキャリバーチーム。ジャレン・ジャクソンJrはドラフトのメガヒット選手。ファウル過多な選手なので、早めにファウルトラブルに追い込みたい。ベンチ対決も見どころ。マーション・ブルックスの悪夢はもう二度と見たくない。



#29 12月14日 (金) vs トロント・ラプターズ

NBAベストレコードチームとの対戦。過去6連敗中で、苦手意識の強い相手。リーグで最もバランスの取れたチームを相手に勝利を収めるには、ベンチの勝利が絶対条件。ラプターズフロントコートをヌルキッチ、アミヌ、ハークレスで完全封鎖したい。


*1:キャリアハイ

*2:キャリアハイタイ