Week9──スロースタート型のチームは、ようやく助走体制に入ったようです。負けが込んでいるときが一番しっかりしなければいけない時。前を向き続けている限り、必ずその日はやって来ます。
- #27 12月12日(火) at ヒューストン・ロケッツ
- #28 12月12日(水) at メンフィス・グリズリーズ
- #29 12月14日(金) vs トロント・ラプターズ
- Week10のブレイザーズ
#27 12月12日(火) at ヒューストン・ロケッツ
rocket place | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (15-12) | 29 | 25 | 24 | 26 | 104 |
Rockets (12-14) | 27 | 24 | 30 | 30 | 111 |
前リーグ1位の意地
3連敗中で再び勢いを失っていたロケッツは、序盤に15点差をつけられたもののあっさり追いつき、逆転。お家芸のスリーは封印しペイントで攻めてきた印象がありました。やはり、ハーデンがいると、このチームは別物です。そして予想以上に活躍したベンチは彼らの勝利に大きく貢献しました。
Bench Stats | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK | TO |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Blazers | 13 | 5/15 | 3/6 | 10 | 7 | 0 | 0 | 5 |
Rockets | 37 | 15/22 | 4/8 | 17 | 2 | 3 | 4 | 0 |
ロケッツベンチは試合前まで、得点最下位(28.2)・リバウンド最下位(11.1)・FG%最下位(39%)でしたが、この日はシーズン最高ともいえる活躍をしたので、スターターはとても楽だったんではないでしょうか。ネネイが復帰して、センターが安定したことも大きいですね。逆にブレイザーズはリーグワーストベンチにボロ負けたという事実を突きつけられました。
そういえば、ハウスJrを解雇して、ロスタースポットを開けるという噂が出ていますが、もし彼を解雇したらどこかが即契約をすると思います。ブレイザーズもツーウェイで欲しいです。この日、彼はアグレッシブに活躍していたので、解雇するのはいささかもったいない気がします。
振り出しに戻る
またもブレイザーズは連敗中のチームを手助けをしました。スターターが91点で、ベンチが13点、スティールわずか1つ。この試合、ベンチが"普通に"やれていたら負けることはあり得ません。自滅し、リードを吐き出し、苦し紛れのショットを取る。ターナーのエントリーパスにすべてを依存するベンチは、簡単に封じられてしまいます。
また、コリンズの成功が、ベンチ全体の成功につながってくると思っていますが、今の彼は自ら攻撃することに消極的で、少し自信を失っているように見えます。
最初が絶好調すぎて、期待のハードルを上げすぎてしまったから、今が落ちているように見えるだけでしょうか?以前のようにフェイクをするでもなく、ボールを受け取って焦るようにショットにいってしまっています。ローポストでのポストプレイもめっしき見なくなりました。
周りが見えていないプレイをしている、という点では昨年までのヌルキッチとダブって見えるところがあります。彼も今のところに来るまで1年を要したので、コリンズの本当の成長も、やはり痛みを伴っていくのでしょう。現に、ファウルトラブルはかなり減ってきており、少しづつですが弱点を克服していっています。彼が次のステップを踏むことに期待しましょう。
しかし...今の状況では4Qまでにリードされていると、勝てません。4Q以降は自分たちのペースにならず、ただただ振り回されているだけでした。やはりスターターだけの頑張りでは勝てません。ブレイザーズだけでなく、ロケッツも、もちろん全てのチームがそうです。
スターターの頑張りをベンチが全てかき消してしまう。少ない戦力で挑む試合は、常に厳しいものになってしまいます。むしろ、この試合で"弱点"がはっきりと見えたので、次からの変化に期待したいところです。
また、リラードがフリースロー成功数のフランチャイズ歴代2位に上がりました。
One man left to beat.
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月12日
Another @budweiser Legendary Moment for @Dame_Lillard. pic.twitter.com/yRyLIe2OlS
彼のキャリアを"平凡"で終わらせたくない、このチームで成功するには本当にたくさんの選手の奮起が必要です。
ベストプレイ:CJ DANCE
May @CJMcCollum have this dance? pic.twitter.com/j2C3qafnqO
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月12日
#28 12月12日(水) at メンフィス・グリズリーズ
quiet night | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (15-13) | 26 | 14 | 23 | 20 | 83 |
Grizzlies (16-11) | 15 | 27 | 26 | 24 | 92 |
リワインド
1年間のタンク。それは彼らにとって最悪な時間ではありませんでした。ジャクソンJrは荒削りながらも、グリズが捧げた1年間に報いる活躍をしています。復活したコンリーも、クラッチタイムで活躍。他の多くのチームとは違い、派手さやスピード感がないチームですが、彼らは終始一貫したペースで試合をプレイし、敵を自分たちのペースに巻き込み、そして勝ちます。
style | Pace | ORtg | FG% | 3P% | DRtg | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Grizzlies | 96.4(30) | 105.3(26) | .454(16) | .356(9) | 104.2(4) | 9.1(3) | 6.1(3) |
大抵の予想で、グリズはプレイオフ圏外とされていました。才能の欠如、ロスターの薄さ、年をとった2人の主力。才能あふれるウェスタンで彼らが勝ち上がるのは厳しいと、誰もが思っていました。しかし、実際の彼らには、豊かな経験と若さの素晴らしい融合があり、互いに理解し合っている"チーム"がそこにはあります。
今シーズンはグリズだけでなく、クリッパーズを見ても突出したスターがいるチームが勝つのではないということを彼らは示しています。"スーパースターを2~3人揃えなければ勝てない"という風潮に風穴を開けるシーズンになるかもしれません。誰かが成功するまでは、それは不可能に思えるものですから。
ループにも希望を
スターターがいいスタートを切っても、ベンチがすべて吐き出す。リズムを見失って、4Qまでにリードされていたら苦しくなる。ここ最近はそんな試合ばかり見ています。テクニカルを2つ出し、フラストレーションのたまったバスケットをしているように感じました。お互いミスコールも多く、どうも締りの悪い内容でした。
Bench Stats | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK | TO |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Blazers | 15 | 7/19 | 1/6 | 14 | 8 | 3 | 4 | 6 |
Grizzlies | 38 | 14/30 | 3/8 | 17 | 4 | 5 | 2 | 3 |
またもベンチは惨敗。ただ、久々に出場したスワニガンが積極的にアクションを起こそうとしていたことが好印象でした。コリンズとマイヤーズは自ら得点を生み出せず、ターナーとスタウスカスのメイクに依存し、DHOかスクリーンをしようと、ペリメーター付近をうろうろとしているだけの事が多いです。彼らにも、スワニガンのような積極性を見たいところです。
また、好調だったリラードとヌルキッチが揃って大ブレーキに。入りそうで入らないショットが多く、運に見放されていた感じでした。"彼らの調子が悪くても、大丈夫!"と思えるような試合があればいいんですが。
Brother | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK | TO |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
デイミアン・リラード | 14 | 4/18 | 1/5 | 7 | 3 | 2 | 0 | 4 |
ユスフ・ヌルキッチ | 2 | 1/15 | 0/1 | 10 | 1 | 2 | 3 | 0 |
リードしていた展開から逆転され、4Qに決定的なランを決められた...というロケッツ戦と全く同じ展開で負けました。しかし、スターターは概ねいいんです。ベンチはそのリードを保ちたいです。マッカラムが孤軍奮闘の活躍で40得点しても、何かが噛み合わない。その歯車を、もう1度かみ合わせましょう。
Fight on. #RipCity pic.twitter.com/uO9ZrGiLhJ
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月13日
僕たちは1年に1度、こういう事があってから、好調に向かうようです。
それは辛く、世界一最悪なことですが、僕たちはそれを乗り越えます。
ベストプレイ:くらいついて
Second night of a back-to-back, doesn't matter...@dame_lillard is DIVING to save that ball. pic.twitter.com/TBxCbtRutp
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月13日
#29 12月14日(金) vs トロント・ラプターズ
we the north west | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Raptors (23-8) | 23 | 27 | 39 | 33 | 122 |
Trail Blazers (16-13) | 28 | 30 | 33 | 37 | 128 |
欠けたピース
カワイ無しでも多くのチームに圧勝してきるNBAベストチーム。しかし、この日ラウリーの欠場以上に大きかったのがバランチュナスの欠場。今シーズンはイバカと相手ラインナップによってスターターとベンチを行ったり来たりしていますが、彼がいればラプターズの第2ユニットは大崩れしていなかった可能性が高いです。
Under 20 minuts | MP | PTS | FG% | REB | AST | BLK | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヨナス・バランチュナス | 18.8 | 12.8 | .575 | 7.2 | 1 | 0.8 |
2 | JJ・バレア | 19.4 | 11.4 | .441 | 2.4 | 5.4 | 0.0 |
3 | ジェレミー・リン | 18.2 | 10.6 | .503 | 2.2 | 3.4 | 0.1 |
また、シアカムもマッカラムにファウルをもらった際に負傷し、3Qの中盤で退きました。リーグで最も効率的なスコアラーの1人である彼の不在は痛く、フロントコートの層が薄くなってしまったことで後半の戦いが厳しくなりました。
それでもシーズンハイの3P58.1%をチームで叩き出し、終盤に追いついてくることろはさすがです。得意のファストブレイクも多く決まり、もしかしたら...というところまで追い詰められましたが、大事なポゼッションでの5秒バイオレーションには救われました。しかし、全体的には彼らの負傷に助けられた部分が多く、完全体なラプターズとはどんなに強いのだろうと思わされました。
狼煙
怪我人を多く抱えたチームといえど、 カワイ無しでウォリアーズに圧勝しているチームに勝ち目なんてないと正直思っていました。しかし、ベンチが最高の仕事をしました。勝因はほとんどそれです。やはり、鍵はコリンズ。彼が活躍すると、試合は盛り上がりを見せます。
Bench | PTS | FG | 3P | REB | AST | STL | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Raptors | 26 | 11/20 | 4/7 | 5 | 6 | 3 | 1 |
Blazers | 58*1 | 22/36 | 5/12 | 15 | 12 | 4 | 1 |
ここまで躍動しているベンチを見たのは久々でした。主役のコリンズは上手く攻守に絡み、大きくリードする要因を作りました。今までとは違ったエントリーパスがよく通り、内外で活躍している姿が印象的でした。ディフェンスでもマイヤーズと適宜スイッチし、彼らの利点を生かしていた点が目立ちました。
セスも久々に活躍。レイマンに位置を奪われかけていましたが、彼らがどちらも使える状態にあることは、ハークレスらの怪我に対応できるようになるので、とてもいいことです。
Keep it | PTS | FG | 3P | REB | STL |
---|---|---|---|---|---|
ザック・コリンズ | 16 | 6/8 | 1/2 | 4 | 0 |
セス・カリー | 13 | 5/8 | 3/5 | 0 | 2 |
今まで停滞していたベンチは、この日大きく変わりました。インサイドでの守備が特に光っていました。攻撃では内外で相手を揺さぶり効率的な得点を多く生み出し、異常にショットが入っていたように感じます。彼らはこのような復讐の期を常にうかがっていたと思いますが、この日はあまりにも出来すぎでした。
このような得点を毎回続けることは不可能です。しかし、毎試合スターターのプラスをマイナスに変えない程度に保てれば、ほとんどの試合で不利な展開(追いかける試合)になることはないはずです。攻守で大崩れしない一貫性を保つこと。それが次へのステップです。
ベンチのおかげで勝利まで持っていきましたが、その他の要因としてオフターンオーバーの多さが目を見張りました。今までは敵のターンオーバーを上手く利用できず、大きな差をつける要因になっていませんでしたが、この日はそこで差をつけられました。
リーグ平均 | ブレイザーズ平均 | この日の成績 | |
---|---|---|---|
PTS OFF TO | 17.1 | 14.0 | 26 |
終盤に4連続スリーを含む驚異的な追い上げを見せられ、2点差にまで詰め寄られた苦しいところで、敵のターンオーバーをアンサーに変えられたところが大きかったです。マッカラムのアンサースリーには痺れました。もちろんアミヌの止めも。やはりホームパワーを感じました。
ベストプレイ:ハンマー点火
MEYERS REVERSE ALLEY OOP pic.twitter.com/0G5ZdkJrVT
— Trail Blazers (@trailblazers) 2018年12月15日
Week10のブレイザーズ
一時の勢いを失い、3連敗中のチーム。ルー・ウィリアムズを欠き、火力不足は否めないがモントレズ・ハレルはブレイザーズベンチにとって厄介な相手。フォワード陣がハレス&ガリナリを抑えることができれば、普通に勝機が見えるはず。
ホーム&アウェイでの間もない再戦。リラードとヌルキッチが普通にプレイし、ベンチがリベンジに成功すれば楽な展開に持ち込めるはず。4Qまでにリードを奪って、とにかく落ち着いて終盤を戦いたい。
下馬評はかなり高かったものの、苦戦している"失望した"チーム。ドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベールは決して昨年以上のプレイをしていないが、覚醒させることは避けたい。ペリメーターのヤバいブレイザーズにとって、致命的なシューターであるカイル・コーバーとジョー・イングルスらにも眠っていてもらいたい。
グリズ戦と一緒で、ベンチが復讐しなければいけない試合。JJ・バレアに振り回されないことが大事。また、マブスは多くのターンオーバーとファストブレイクを許しているチーム。ここに確実に付け込んでいきたい。
*1:シーズンハイ