日本時間2019年2月18日にシャーロットで行われるNBAオールスター2019。世界最大のバスケットボールの祭典は、毎年の楽しみです。
ウェスタンに所属していてオールスターに出場するのは、とても難しいです。それぐらいレベルの高い選手が多く集まっているカンファレンスで選ばれる選手たちは、真のオールスターたちです。リーグの人気ツートップが同じカンファレンスにいることで、キャプテン争いの行方にも注目したいところです。
出場するのはいつものように、スターター(ガード2名/フォワード2名/センター1名)、リザーブ(ガード2名/フォワード2名/センター1名)、ワイルドカード(ポジション無し2名)からなる12名です。
※成績は1月18~20日時点のもので、成績の下の数字は左から17'18年のファン投票・選手間投票・メディア投票の結果です。
- ★スターター★
- PG|ステフィン・カリー|ゴールデンステイト・ウォリアーズ|★5
- SG|ジェームズ・ハーデン|ヒューストン・ロケッツ|★6
- SF|ケビン・デュラント|ゴールデンステイト・ウォリアーズ|★9
- SF|レブロン・ジェームズ|ロサンゼルス・レイカーズ|★14
- C|アンソニー・デイビス|ニューオーリンズ・ペリカンズ|★5
- ★リザーブ★
- PG|デイミアン・リラード|ポートランド・トレイルブレイザーズ|★3
- SG|デマー・デローザン|サンアントニオ・スパーズ|★4
- SF|ポール・ジョージ|オクラホマシティ・サンダー|★5
- PF|トバイアス・ハリス|ロサンゼルス・クリッパーズ|未
- C|ニコラ・ヨキッチ|デンバー・ナゲッツ|未
- ★ワイルドカード★
- PG|ラッセル・ウェストブルック|オラホマシティ・サンダー|★7
- C|ルディ・ゴベール|ユタ・ジャズ|未
- ★その他の候補
★スターター★
PG|ステフィン・カリー|ゴールデンステイト・ウォリアーズ|★5
1988年3月14日生 デビッドソン(06-09) 1巡目7位→GSW(09~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
35 | 34.4 | .492 | .454 | .925 | 5.2 | 5.4 | 1.2 | 0.4 | 2.9 | 2.6 | 29.8 | |||
1位 238万票*1 | 1位 146票*2 | 2位 83票*3 |
ベイエリアの伝説
ウォリアーズが生んだ伝説の選手は、新たな領域に踏み込みます。今シーズン前、歴代7位だったキャリアスリー成功数は一気に3位に浮上。階段を三段飛ばしで駆け上がり、伝説のシューターを抜く瞬間がすぐそこまで来ています。
shooter history | G | キャリア 3P数 | キャリア 3P% | 1試合平均 | 1年平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | レイ・アレン | 1300 | 2973 | .400 | 2.3 | 165 |
2 | レジー・ミラー | 1389 | 2560 | .395 | 1.8 | 142 |
3 | ステフィン・カリー | 659 | 2313 | .438*4 | 3.5 | 231 |
今シーズンのカリーは1試合平均のスリー数がキャリアハイを更新しています。あの"402"を超えるペースでスリーを決めています。それでいて、成功率もキャリアハイ。アシストとスティールはキャリアロウですが、ほとんど気にならないぐらい得点で貢献しています。
シューターは基本的に長寿なので、彼が後10年現役を続けたら4500~5000本ぐらい余裕で行ってしまう気がします。もしそこまでいったら、誰も破れないモンスターレコードになるでしょう。そして、後いくつチャンピオンリングを手にするのか。伝説はまだまだ続きます。
SG|ジェームズ・ハーデン|ヒューストン・ロケッツ|★6
1989年8月26日生 アリゾナ州立(07-09) 1巡目3位→OKC(09-12)→HOU(12~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
42 | 37.4 | .439 | .376 | .863 | 6.4 | 8.5 | 2.1 | 0.6 | 5.6 | 3.5 | 35.7 | |||
3位 148万票 | 2位 141票 | 1位 94票 |
35の壁
ポール、ゴードンの負傷により1人でチームを背負い、全てのギアを開放したデンジャラススコアラー。平均得点はついに35得点を超え、試合をするたびに"記録"が出る状態に。それほどまでに試合を支配し、そして勝つ。真のMVPシーズンが訪れているようです。負傷者だらけのロケッツは、ウェストブルックがMVPを獲った16'17シーズンのサンダーに似ていると思います。
35+pts streak | G | MP | PTS | FGA | FG% | 3P% | REB | AST | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | コービー・ブライアント | 13(11-2) | 41.8 | 42.4 | 30.3 | .487 | .455 | 5.2 | 3.5 |
2 | マイケル・ジョーダン | 10(3-7) | 41.1 | 42.1 | 32.1 | .477 | .000 | 6.0 | 3.9 |
2 | ジェームズ・ハーデン | 10(8-2) | 40.8 | 39.5 | 27.8 | .406 | .409 | 6.1 | 9.0 |
それぞれの記録を達成したコービーとジョーダンに共通したことは、その年のシーズンで平均30得点を超えたことと、若かったこと。ハーデンはその中では異質な存在です。望んで過度に得点しているわけでは無く、主力の相次ぐ負傷によってボールをシェアする相手がいなくなったために、そうならざるを得ない...ハーデンが全てを出し尽くす試合が続いています。
トリプルチームを敷いても得点されるし、もうディフェンスは何をやっても止められません。今は故障者の復帰待ちで耐える試合が続いていますが、評価すべきはチーム成績≧個人成績なので、一刻も早く健康なチームに戻れるといいですね。けれど、今だったら1試合70点越えも有り得そうですが(笑)。
SF|ケビン・デュラント|ゴールデンステイト・ウォリアーズ|★9
1988年9月29日生 テキサス(06-07) 1巡目2位→SEA/OKC(07-16)→GSW(16~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
46 | 35.6 | .509 | .384 | .906 | 7.4 | 6.0 | 0.8 | 1.1 | 3.3 | 2.0 | 28.1 | |||
1位 223万票 | 1位 204票 | 1位 98票 |
去就>シーズン?
常に50/40/90シーズンをマークし、チームを勝ちに導くサーヴァント。今シーズンはカリーとグリーン負傷によって、1人で試合を運んでいた姿が印象に残っています。FGアテンプトはウォリアーズに来てから最大をマークしているあたりに、負傷の影響を感じます。
Curry/Green | G | MP | PTS | FGA | FG% | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Off KD | 5勝4敗 | 37.3 | 35.3 | 24.4 | .495 | 9.0 | 6.1 |
On KD | 26勝10敗 | 35.1 | 26.5 | 17.6 | .518 | 7.0 | 6.1 |
今シーズンのウォリアーズの弱点は従来のセンターだけでなく、ベンチに大きな穴を感じます。イグダーラとリビングストンが年齢を重ねてきたことも影響していると思いますが、カリー&デュラントに大きく頼った試合が以前より増えたように思います。トンプソンのシュートの塩梅が悪いという珍シーズンではありますが。
ウォリアーズで3シーズン目を迎え、すでに2つのリングを手にし、次はどこを目指すのでしょうか。ニューヨーク?ロサンゼルス?様々なうわさが飛び交っていますが、彼は40歳ごろまで選手としてのキャリアを考えているようなので、遅かれ早かれベイエリアを去る日は来ます。"弱いチームを強くする"姿も見てみたいところですが。
SF|レブロン・ジェームズ|ロサンゼルス・レイカーズ|★14
1984年12月30日生 1巡目1位→CLE(03-10)→MIA(10-14)→CLE(14-18)→LAL(18~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
34 | 34.6 | .518 | .356 | .682 | 8.3 | 7.1 | 1.3 | 0.7 | 3.4 | 1.6 | 27.3 | |||
1位 264万票 | 2位 220票 | 1位T 99票 |
LAにトロフィーを
優勝請け負い人であるキングの移籍により、レイカーズのプレイオフ復帰は確実に。今のロスターでファイナルを目指すことは望み薄ですが、"もう1人のスーパースター"を連れてきてファイナルを目指すのでしょうか。LAはスターを引き寄せる力が強大ですからね...実現不可能ではないでしょう。
Lakers On/Off | G | MP | ORtg | DRtg | FG% | REB | AST | +/- |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
On Lebron | 20勝14敗 | 34.7 | 107.7 | 104.5 | .487 | 33.3 | 17.5 | 2.8 |
Off Lebron | 5勝7敗 | 22.6 | 103.4 | 105.2 | .452 | 22.8 | 11.6 | -1.0 |
クリスマスゲームのレイカーズ対ウォリアーズ戦で負傷したレブロン。そこからのレイカーズは急転直下していますが、やはりロンドやキングのような勝ちを知るベテラン選手の存在がどれだけ大きいものだったかを感じさせます。彼のいないレイカーズは昨年と一緒ですからね。
ここ3年はレギュラーシーズンを長期欠場するような怪我も無く、昨年はフル出場もしていたので、彼のいない試合を観るのは変な感じです。多くの人が期待していたようなレイカーズとレブロンでは無かったかもしれませんが、まだLA1年目。これから上昇しかないでしょう。
C|アンソニー・デイビス|ニューオーリンズ・ペリカンズ|★5
1993年3月11日生 ケンタッキー(11-12) 1巡目1位→NOH/NOP(11~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
41 | 37.0 | .508 | .325 | .812 | 13.3 | 4.4 | 1.7 | 2.6 | 2.0 | 2.6 | 29.3 | |||
3位 109万票 | 2位 150票 | 2位 73票 |
スーパースターの加重
もう1つのモンスターシーズンを送っている悩めるスーパースター。プレイオフからの流れで一気に上昇すると思われたペリズは、中々軌道に乗れません。少数精鋭だったら強いんですが、使える選手が7-8人しかいないのが悩みの種。
誰か怪我をすれば、レギュラーシーズンでこけるぐらいの影響を受けています。デイビスのトレード説も浮上しっぱなしで、一刻も早くチームを建て直す必要があります。
今シーズンのデイビスは重い怪我を圧して出場し、チームのために最善を尽くそうと満身創痍で戦っている姿が印象にあります。ペリズはアシスト&ペイントポイントが非常に多いんですが、守備が噛み合わないために勝ちきれない試合が多いと思います。
29/13/4 players | PTS | FG% | REB | AST | |
---|---|---|---|---|---|
アンソニー・デイビス | 29.3 | .508 | 13.3 | 4.4 | |
カリーム・アブドゥル=ジャバー | 3回 | 31.8 | .547 | 15.7 | 4.6 |
ウィルト・チェンバレン | 2回 | 35.2 | .532 | 23.4 | 5.1 |
エルジン・ベイラー | 3回 | 35.3 | .437 | 17.3 | 4.9 |
平均37分出場はキャリアハイ。ほぼフル稼働で毎試合戦っているので、成績が莫大な数字になっています。平均29pts/13reb/4astをシーズンでマークした選手は過去3人。しかも、メンツが豪華すぎる。"化石"のような大記録は、チーム成績と一緒に報われてほしいです。
★リザーブ★
PG|デイミアン・リラード|ポートランド・トレイルブレイザーズ|★3
1990年7月15日生 ウィーバー州立(08-12) 1巡目6位→POR(12~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
47 | 35.3 | .445 | .378 | .902 | 4.4 | 6.1 | 1.0 | 0.5 | 2.8 | 1.7 | 26.1 | |||
8位 44万票 | 4位T 27票 | 7位T 0票 |
Lock
覚えている人はいるでしょうか。昨年のリラードは、ルー・ウィリアムズにさえ負けていました。オールスターの再選出は、1回目の選出よりもハードルが高いです。今では、これが滑稽なものだったと笑うことが出来ますが。
オールNBA1stチームに選ばれたことで、オールスターとしての認識を得ることができた思います。個人成績は昨年とほぼ変わりません。今までは、個人成績は高くてもスロースタートだったチーム成績のせいで選出漏れしていたので、今シーズンのように早めにエンジンをかけていれば、2回逃すことは無かったんでしょうね。
2018オールスターでは、もう一歩のところでMVPを逃しました。あれは相当に悔しかったですよ...でも、活躍のおかげでレブロンの視界に入りました。彼がアービング⇔リラードのトレードを提案したのも、オールスターが無ければ有り得ないことだったでしょう。その後も、何度かリラードを褒めちぎってくれたことはとても有難かったです。
今シーズンのリラードは、チームの恩恵を受けています。特にヌルキッチ。昨年3月のように毎試合MVPパフォーマンスをしていなくても、チームは安定して勝つことができます。彼のゲームは目に見えないところで大幅に進化しています。
それは得点以外で貢献しようとする姿勢だったり、より味方を生かすような動き、ディフェンスのハードワークだったり。スーパースターとして迎えるオールスターで、昨年のリベンジをしましょう。
SG|デマー・デローザン|サンアントニオ・スパーズ|★4
1989年8月7日生 USC(08-09) 1巡目9位→TOR(09-18)→SAS(18~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
46 | 35.5 | .466 | .175 | .824 | 6.1 | 6.4 | 1.0 | 0.5 | 2.6 | 2.3 | 21.7 | |||
2位 100万票 | 2位 101票 | 2位 89票 |
静かなる復讐
今シーズンのデローザンはほとんどスモールフォワードです。フォーブス(6'3'')、ホワイト(6'4'')とのスタータースリーガードラインナップでは、ほぼSFのような役割をしています。もう来年からはフォワード登録にしましょう。
彼のSG/SF問題は数年前から尽きない話題の一つですが、それに決着が着きそうです。フォワードにスライドすると、彼の貧弱なディフェンスが不安材料になりますが、それほど悪いディフェンダーではないように見えます。それはスパーズのチームディフェンスが機能していることが理由の1つです。
Range Rk/FGA | RIM | MID-RANGE | 3PA | |||
---|---|---|---|---|---|---|
17'18 Spurs | 27 | 24.7 | 3 | 21.3 | 27 | 24.1 |
18'19 Spurs | 30 | 21.6 | 1 | 24.8 | 30 | 24.4 |
また、ミドルレンジが全FGAの42%を占め、昨年(36%)より上昇しました。反比例するように、3Pはわずか4.9%。昨年(20%)を大幅に下回り、攻守でスパーズ色に染まっています。アシストもキャリアハイ。オルドリッジとベンチで話し込んでいる姿が印象的で、とてもいいコンビに見えます。
余談ですが、ラプターズ対スパーズ戦は燃えていましたね。アリーナの雰囲気も異様で、カワイに対する復讐心なのか、ノスタルジアなのか、それぞれファンも思うところがあったんでしょうね...
SF|ポール・ジョージ|オクラホマシティ・サンダー|★5
1990年5月2日生 フレズノ州立(08-10) 1巡目10位→IND(10-17)→OKC(17~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
44 | 36.0 | .442 | .386 | .834 | 8.0 | 4.0 | 2.3 | 0.5 | 2.7 | 2.8 | 26.7 | |||
5位 88万票 | 6位 48票 | 7位 4票 |
Best Two-Way Player
ペイサーズと再契約しないことを公に発表し、2018年にレイカーズに移籍することが決定的だと誰もが思っていました。結局サンダーに残ったことは良い選択肢でした。彼が、"スモールマーケットだから選手は残ってくれない"という常識を覆してくれたことは、ポートランドファンにとっても救いになりました。
Thunder on/off | MP | ORtg | DRtg | FG% | 3P% | STL | p |
---|---|---|---|---|---|---|---|
On George | 35.9 | 110.3 | 101.4 | .460 | .337 | 8.0 | 7.0 |
Off George | 13.3 | 98.3 | 107.2 | .443 | .312 | 2.5 | -2.3 |
今年のサンダーの上限はジョージ1人で引き上げています。全てを上手くまとめる潤滑油として、キャリアベストシーズンを送っています。よくリーグベストツーウェイプレイヤーはカワイと言われますが、今シーズンの彼のインパクトとチームへの献身はそれを上回っているように感じます。
昨年は選出漏れし、そのことについてウェストブルックが強く憤慨したことを覚えています。それも彼をオクラホマシティに残留させることになった理由一つになりましね。熱すぎるリーダーの隣で、もっと輝いて行くでしょう。
PF|トバイアス・ハリス|ロサンゼルス・クリッパーズ|未
1992年7月15日生 テネシー(11-12) 1巡目19位→MIL(11-13)→ORL(13-16)→DET(16-18)→LAC(18~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
45 | 34.2 | .499 | .442 | .886 | 8.0 | 2.2 | 0.8 | 0.4 | 1.9 | 2.1 | 20.9 | |||
26位 4万票 | 7位 27票 | 8位T 0票 |
50/40/90
今シーズンのサプライズチーム&プレイヤー。クリパをプレイオフレースに導き、リーグ屈指のスコリングフォワードとしてオールスターに名乗りを挙げました。在籍4チーム目で1回目のオールスターに選出された選手は過去何人いるのでしょうか?幾多のトレードを超え、ついにその花が開きました。
270 Foward | FG% | 3P% | FT% | |
---|---|---|---|---|
ラリー・バード | 2回 | .526 | .407 | .913 |
ダーク・ノヴィツキー | 06'07 | .502 | .416 | .904 |
ケビン・デュラント | 12'13 | .510 | .416 | .905 |
トバイアス・ハリス | 18'19 | .499 | .422 | .886 |
どこのフロアからのショットでも成功率は43%を超え、得点方法に穴がありません。過去、フォワードで50/40/90を達成した選手は過去3人だけ。そのメンツを見ると、いかに達成することが難しいかが分かります。すでに一流オフェンスプレイヤーですが、ディフェンスができないため、今の攻撃成績を保っていなければ、あっさり見逃されてしまう選手でもあります。
C|ニコラ・ヨキッチ|デンバー・ナゲッツ|未
1995年2月19日生 セルビア(12-15) 2巡目11位→DEN(15~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
45 | 31.0 | .505 | .323 | .842 | 10.0 | 7.7 | 1.3 | 0.7 | 3.2 | 2.8 | 19.6 | |||
22位 11万票 | 15位 14票 | 9位T 0票 |
世紀のセンター
ナゲッツのフランチャイズプレイヤー。彼らが2位になっている最大の理由であり、今世紀最高のパサーセンターとして、これから長年NBAを席巻し続けるでしょう。彼がボールを持つだけでフロアは広がり、敵の守備は崩れます。センターを介したオフェンスは最も守りにくく、そして効率が良いと思います。
Ast7+ Center | PTS | REB | AST | |
---|---|---|---|---|
ウィルト・チェンバレン | 2回 | 24.2 | 24.0 | 8.2 |
ニコラ・ヨキッチ | 18'19 | 19.6 | 10.0 | 7.7 |
こんな選手が2巡目に埋まっていたことが既に奇跡なわけですが、何故2巡目なのかは彼の守備を見ればすぐに合点が行きました。スピードの欠如、スタミナの欠如。ドラフトされる前の彼のゲームには、センターとして大きな弱点がありました。確かに、今でも彼の守備は決してセンターとしては優れていません。しかし、過去と比べれば随分と改善されているように思います。
今の守備は平均的なものになり、そして攻撃は近年で最高のセンターです。そのためなら、平均的な守備に目をつぶることが出来ます。センターの平均アシスト記録はチェンバレンが51年前にマークした8.6。それを破ることが出来るのは、後にも先にも彼しかいないかもしれません。
★ワイルドカード★
PG|ラッセル・ウェストブルック|オラホマシティ・サンダー|★7
1988年11月12日生 UCLA(06-08) 1巡目4位→OKC(08~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
37 | 35.5 | .414 | .239 | .642 | 10.6 | 10.5 | 2.5 | 0.3 | 4.5 | 3.5 | 21.8 | |||
4位 124万票 | 3位 102票 | 3位 17票 |
Mr.トリプルダブルの変化
今シーズンもアベレージはトリプルダブルで、アシスト&スティールでリーグトップ。しかし、得点ではキャリアワースト効率になっていて、役割は大きく変化しています。ハイボリューム&非効率なスリー、キャリアワーストのFT成功率。ドライブ以外で得点できる方法を見ません。そして、入らないスリー&ミドルをうちまくる、類を見ないほどのハイボリューム低効率スコアラーになっています。
Russ-Range | RIM% | MID% | 3P% |
---|---|---|---|
17'18 | .580 | .388 | .298 |
18'19 | .598 | .327 | .239 |
フルシーズンでスリーアテンプトが1試合平均4.0回を超え、成功率が25%を下回った選手は歴史上1人もいません。TS47.5%もリーグワースト*5で、効率の面でアレン・アイバーソンといい勝負をしています。しかし守備ではプラスなので、ロングショットの数を抑えてスラッシャーとパサーに徹すれば、得点は伸びなくても敵は脅威を感じるはずです。
C|ルディ・ゴベール|ユタ・ジャズ|未
1992年7月26日生 フランス(10-13) 1巡目27位→UTA(13~) | ||||||||||||||
G | MP | FG% | 3P% | FT% | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
47 | 31.5 | .656 | .652 | 13.1 | 2.2 | 0.9 | 2.0 | 1.5 | 2.9 | 15.0 | ||||
31位 4万4千票 | 47位 1票 | 9位T 0票 |
DUNK & BLOCK
17'18年のDPOY。今まで毎年のようにオールスター候補に上がりながらも、ビッグマン層の厚さに押しやられていましたが...今シーズンこそは彼が選ばれるでしょう。リーグベストディフェンシブチームの絶対的守護神。彼がいるだけで、リムにアタックする気が失せます。FG%でもリーグトップをマークしていて、彼は一昔前の"より良いDAJ"のように見えます。
Dunk-Buckets | FG | FGA | AST% | |
---|---|---|---|---|
1 | ルディ・ゴベール | 168 | 188 | .804 |
2 | クリント・カペラ | 160 | 175 | .906 |
3 | ヤニス・アデトクンボ | 159 | 174 | .572 |
ルビオ、イングルズといったBBIQに優れたパサーからのパスでダンクを量産。基本的に、ジャズの多くの選手が、インサイドにいるゴベールにパスを集めようとする意識が高いと思います。もしダンクをミスしてもオフェンスリバウンドを拾い即ダンクに行くため、リムにいる彼にボールが渡ればほとんどの確率で得点になります。
ブロックにしろ、ダンクにしろ、彼の超人的な高さ(7'1'')と長さ(7'8.5'')に加え、そこに素早いフットワークとIQがあるため、敵は彼を攻略することに苦労します。リバウンドにも磨きがかかっていて、20/20ゲームの量産にも期待したいところです。
★その他の候補
SG|クレイ・トンプソン|ゴールデンステイト・ウォリアーズ|★4
過去4年連続で選出されているため、オールスターという印象が強いものの、生命線であるスリーが40%を大きく下回っているため、今年は選出漏れするでしょう。ブルズ戦での歴史的な試合をしたり、印象的な活躍をしていますが、全体的に波の激しいシーズンであることは否めません。彼はリーグで最も優れた第3オプションなので、絶対に選ばれないといけない選手ではありません。
C|ラマーカス・オルドリッジ|サンアントニオ・スパーズ|★6
前半は不調、しかし11月の終わりごろから急激に盛り返してきたベテラン。特にサンダー戦での56得点は鬼神の如き活躍っぷりでした。ただハリスとオルドリッジ、どちらを選ぶかと言われれば、多くの人が前者を選ぶと思います。今シーズンはフルタイムセンターのようにプレイしていますが、攻守に素晴らしい存在感があります。
C|カール=アンソニー・タウンズ|ミネソタ・ティンバーウルブズ|★1
チーム状況が良くないため、選出漏れする可能性が非常に高いでしょう。加えて西のビッグマンが混雑しているという点もあるので、チーム成績が優先されると思います。個人成績は昨年よりやや下降していますが、派手なパス・ブロックが印象に残ります。彼だけじゃなく、ホリデーなどもチーム成績のために選出漏れになってしまいます。