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#34【NBAドラフト2018】第2回・ブレイザーズの注目選手

最速でプレイオフ敗退。残された楽しみはたった1つの指名権(24位)の行方です。毎年恒例ですが、補強ポイントは3Pシューターor3&D選手。昨年と打って変わって、ウィング不足が嘆かれている2018ドラフト。よりサイズのある選手は前半で消えてしまうかもしれません。

また、前回の候補選手は除いています。年齢はドラフト当日(6月22日)の表記にしています。



カイリ・トーマス | PG/SG | クレイトン大 | 6'3''

1996年5月8日生 ウィングスパン6'10'' (Junior/22歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 34 18.6 .471 0.7 1.6 .418 .521 3.7 1.4 1.0 0.1 1.1 1.9 6.2
SO 35 31.2 .505 1.3 3.3 .393 .766 5.8 3.3 1.5 0.4 2.0 1.6 12.3
JR 33 31.7 .538 1.9 4.6 .411 .788 4.4 2.8 1.7 0.2 1.8 1.9 15.1

よくドリュー・ホリデー(NOP)に例えられる守備型のコンボガード。ソフォモアではジョシュ・ハート(LAL)ミカル・ブリッジス(ビラノバ)とDPOYを分け合いましたが、今シーズンは単独受賞。NBAでも即"エース潰し"を任せられる好ディフェンダーです。

しかし、ハンドラーとしての役割は期待できず、オフェンス面で周りの助けが必要になります。攻撃的役割は大きく制限されますが、高いFG%を残しているのでフィニッシュとオフザボールの動きに優れていることが分かります。適正はSGなので、リラードの横に置くのが理想的。トーマスのような選手がいれば、ハンドラーとして期待できるエバン・ターナーが生きてくると思います。

すべてのチームが求める3&Dタイプ。しかし、サイズ不足と年齢から下位指名まで落ちてくる可能性があります。ブレイザーズの優先事項はPG⇔SFを守れるウィング選手ですが、パット・カナトンシャバズ・ネイピアーの再契約が流動的な為に、ガードの指名も十分にありえる状況です。

予想順位 : 15 - 30位




ランドリー・シャメット | PG | ウィチタ州立大 | 6'4''

1997年3月13日 ウィングスパン不明 (RS sophomore/21歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 3 17.7 .438 1.0 3.3 .300 .750 2.7 1.7 1.7 0.3 0.7 2.7 8.7
RS FR 36 26.7 .472 2.0 4.6 .439 .802 2.8 3.3 0.7 0.2 1.1 2.1 11.4
RS SO 32 31.7 .489 2.6 5.9 .442 .825 3.2 5.2 0.7 0.2 2.1 1.9 14.9

自らスペースを作り出したり、見つけることのできる高いバスケットボールIQと精度の高いジャンプショットには目を見張るものがあります。また、ピック&ロールのハンドラーに優れています。近年常勝チームとして知られるようになったショッカーズを引っ張っている点も大きく評価されるでしょう。

6-4(193cm)のサイズに対し、公称体重が81kg。細身の体型に加え、爆発力のないスピードや簡単に突破を許してしまう守備のもろさが弱点。理想的なバックアップポイントガードのように見えますが、NBAでは"ソフトな選手"と言われてしまうかもしれません。

予想順位 : 20位 - 2巡目




トニー・カー | PG | ペンシルベニア州立大 | 6'5''

1997年10月11日 ウィングスパン6'8'' (Sophomore/20歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 33 32.8 .377 1.0 3.1 .320 .771 4.8 4.2 0.7 0.3 2.6 2.2 13.2
SO 37 35.4 .408 2.4 5.5 .433 .799 4.9 5.0 0.8 0.3 2.3 1.8 19.6

ボールを支配し、多彩な方法で得点できるスコアラー。フレッシュマンでは6-3(190cm)でしたが、ソフォモアで6-5(196cm)にまで背が伸びました。これによりポストプレイでは安定したプレイが増えました。しかし、支配的なことに加えゴール下に切り込めるスピードがないのでタフショットになってしまい、結果としてFG%が伸びません。

ドラフト候補となる最大の理由は改善されたシューティング。ステップバックなどを駆使して、アシストを受けずに(3Pアシスト率60.2%)この数字を残している点はすごいです。守備に特筆すべき点はありません。チームメイトのジョッシュ・リーブス(SG)がオールディフェンシブチームに選ばれるほどのディフェンダーなので、カーのディフェンスハイライトはあまりありません。

ネガティブな部分を切り取れば、1巡目指名の可能性は低いです。しかし、たまに起こすビッグゲームや格上のオハイオ州立に見せたブザービーターは強烈な印象に残りました。ウィル・バートン(DEN)ジョーダン・クラークソン(CLE)のような、もう一人のスコアラーとして期待するならば指名候補に入る選手です。

予想順位 : 2巡目




シェイク・ミルトン | PG | 南メソジスト大 | 6'6''

1996年9月26日 ウィングスパン7'0'' (Junior/21歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 30 32.7 .477 1.7 4.1 .426 .725 3.0 2.7 0.8 0.3 1.5 1.4 10.5
SO 35 35.4 .437 2.3 5.5 .423 .758 4.1 4.5 1.3 0.3 1.8 1.5 13.0
JR 22 36.4 .449 2.5 5.9 .434 .847 4.7 4.4 1.4 0.6 2.3 1.7 18.0

標準的な能力を備えた汎用性の高い選手。しかし、自分で有利な状況を作り出してショットするシーンはあまりありません。ドリブルも動きが小さく、タフショットを多く取らされます。最後はロングショットに頼ってしまう...という傾向が見られます。

そのロングショットの成功率はとても高いです。レンジの長さと自身のサイズも相まってスペンサー・ディンウィディ(BRK)のように見えます。守備は平均的。間合いを詰め、プレッシャーをかけることはほとんどなく、距離をとって相手の様子をうかがっていることが多いです。そのため厳しいディフェンダーという印象はありません。守っているときは視野が狭いのか、チームディフェンスでの貢献度は低いです。

試合に大きなインパクトを与えないものの、多様性があるため様々なラインナップでフィットさせることができる選手と言えます。SG/SFクラスの選手が不足しているため中位指名も大いにありえます。

予想順位 : 20 - 30位




ドンテ・ディビンチェンゾ | SG | ビラノバ大 | 6'5''

1997年1月31日 ウィングスパン 6'5'' (RS sophomore/21歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 9 8.2 .286 0.3 1.9 .176 - 1.8 0.4 0.4 0.0 0.8 1.1 1.7
RS FR 36 25.5 .466 1.2 3.2 .365 .699 3.8 1.7 0.9 0.3 1.4 1.6 8.8
RS SO 40 29.3 .481 2.1 5.3 .401 .710 4.8 3.5 1.1 0.2 2.0 2.1 13.4

NCAAトーナメントで一躍その名を全米に轟かせたシンデレラボーイ。昨年のトーナメントではザック・コリンズがビッグゲームを起こしましたが、彼はそれを想起させました。しかし、今ドラフト10位以内が確実視されているミカル・ブリッジス、個人賞を総なめにしたジャレン・ブランソンを中心とした、6人の2桁得点者がいるカレッジベストチームに所属しているゆえの活躍と思っている人は少なくないでしょう。

上述の2人が抜ける来シーズンに第1オプションとして活躍すれば、確実なドラフト候補へと名乗りを上げるかもしれません。彼は特別なスコアラーでも、ディフェンダーでもありませんが、トーメナントで見せた勝負強さはスペシャル。現段階だと2巡目指名がやっとですが、可能性を感じずにはいられない選手です。

予想順位 : 2巡目




グレイソン・アレン | SG | デューク大 | 6'5''

1995年10月8日 ウィングスパン6'7'' (Senior/22歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 35 9.2 .425 0.5 1.5 .346 .849 1.0 0.4 0.3 0.1 0.4 1.2 4.4
SO 36 36.6 .466 2.5 6.0 .417 .837 4.6 3.5 1.3 0.1 2.0 2.7 21.6
JR 34 29.6 .395 2.4 6.5 .365 .811 3.7 3.5 0.8 0.1 2.2 2.3 14.5
SR 37 35.6 .418 2.8 7.5 .370 .850 3.3 4.6 1.7 0.1 2.1 2.1 15.5

最も有名なカレッジプレイヤーの1人であり、カレッジ最高のピュアシューター。ソフォモアで大きく注目され、2016ドラフトではTOP10候補にも上がっていましたが、学業を優先していたため大学に残っています。その後は右肩下がりの成績に加え、悪質なファウルを犯したことが大きく取り上げられ、ダーティープレイヤーというイメージもついてしまっています。

悪質なファウルを犯すこともありますが、本質的に彼はとても賢い選手です。ポンプフェイクやスクリーンを多用し、高い確率のショットを選択します。また、動画の中からも分かりますが、すでに彼のシューティング能力はNBAレベルに達しています。ショットの6割以上が3PなのでFG%は低空になっているものの、ドライブからのフィニッシュ力は決して悪くありません。

旬が過ぎ去ったかのように見えるアレン。しかし、才能が集うデビルズで長年スターターを張ってきたことは絶対にプラスになるはず。すごい選手たちとプレイしていたので、NBAですぐにフィットするかもしれません。

予想順位 : 25位-2巡目




ゲイリー・トレント・ジュニア | SG | デューク大 | 6'6''

1999年1月18日 ウィングスパン6'9'' (Freshman/19歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 37 33.8 .415 2.6 6.5 .402 .876 4.2 1.4 1.2 0.1 1.0 1.7 14.5

このリストの中で唯一のフレッシュマン。多少の粗さはあれど、有望なフレッシュマンは早い順位で消えるので1巡目下位に残るフレッシュマンはトレントぐらいだと思います。

成績はとても優秀ですが、ディビンチェンゾ同様にドラフト上位選手らとチームメイトだったための成績であることは否めません。厳しいディフェンダーでもなく、パサーでもなく、スコアラーでもない。シューティング能力、サイズと伸びしろを評価するならば1巡目指名に値します。フレッシュマンではありますが、強豪・デビルズで補完的役割を担っていたので即ローテーションプレイヤーに入れる可能性もあります。

予想順位 : 20位 - 30位




メルビンフレイジャー | SG/SF | テュレーン大 | 6'6''

1996年8月30日 ウィングスパン7'2'' (Junior/21歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 34 19.5 .401 0.5 1.9 .286 .516 3.1 0.7 0.9 0.3 1.1 1.4 5.2
SO 30 30.2 .438 0.9 3.5 .264 .667 4.6 1.5 1.9 0.5 2.4 2.7 11.5
JR 30 34.4 .556 1.2 3.0 .385 .712 5.6 2.9 2.2 0.7 2.6 2.0 15.9

オフェンスが大きく改善されたことで、ドラフト候補に浮上したディフェンシブ選手。サイズの誤差はあれど、PG⇔PFまでをカバーできる高い守備意識を持っています。ディフェンスのタフさやプレイスタイルはロンデイ・ホリス=ジェファーソン(BRK)に近いものを感じます。

元来のシューターではありません。ミドルとロングショットは改善の余地があります。また、直線的なスピードにとても優れています。ファストブレイクが死んでいるブレイザーズにとって、スティールからトランジションにつなげることができる選手は貴重です。

NBAヘッドコーチのマイク・ダンビーリーの下で成長してきたフレイジャー。器用な選手ではありませんが、身体能力はとても高いです。テュレーン大は未だ1巡目指名選手を輩出したことが無いスモールスクール。スターは案外こういうところから生まれてくるかもしれません。

予想順位 : 2巡目




ジェイコブ・エバンス | SG/SF | シンシナティ大 | 6'6''

1997年6月18日 ウィングスパン不明 (Junior/21歳)
Season G MP FG% 3P 3PA 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
FR 33 24.4 .372 1.4 4.1 .333 .804 4.1 1.6 0.8 0.8 0.8 1.8 8.4
SO 36 31.6 .473 1.9 4.6 .418 .732 4.2 2.7 1.3 0.8 1.3 2.1 13.5
JR 36 30.8 .427 1.7 4.5 .370 .754 4.7 3.1 1.3 1.0 1.8 2.0 13.0

ベアキャッツはとても優れたディフェンスチームです。その一角を担い、より攻撃的なのがエバンス。動画の1:41で6-9の選手とのミスマッチでブロックショット。これだけのブロック数(35個)を残せるほどのジャンプ力とタイミングに優れています。

1対1ではスペースを作り出すことよりも、タフショットを多くとってしまう傾向にあります。また、リム付近でとても高い成功率(67.1%)を残しています。TO%の低さやセカンドハンドラーとして、様々な状況で試合を回せる多様性を持っていることも大きく評価されています。

攻守で即戦力になる高水準3&Dプレイヤー。今ドラフトでは6-7、6-8あたりの選手が少ないのでさらに価値が上がっている選手だと思います。

予想順位 20 - 30位