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#23【勝手にランキング】バックアップPG編

スポットライトがなかなか当たりにくいバックアップ選手。しかし、彼らはチームが勝つための大きな要素。今回はその中で"ポイントガード"に焦点を当てています。

成績は2017-18シーズン3月7日(日本8日)時点。対象選手は現役選手です。


10位 コーリー・ジョセフ (インディアナ・ペイサーズ)

1991年8月20日生/7年目 テキサス大オースティン校(2010-11) 2011年ドラフト1巡目29位(SAS)
Team G GS*1 MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
3*2 65 12 27.1 .428 .356 .731 3.2 3.1 1.0 0.2 1.0 1.7 7.9
Career 429 81 20.6 .452 .328 .763 2.4 2.6 0.7 0.2 1.0 1.4 7.0

タイラー・ジョンソン(MIA)と迷いましたが、PGとして多くプレイしているジョセフを選びました。シューティングガードもこなすコンボガード。ダレン・コリソンの負傷時にはスターターの位置でPGを開始しています。ラプターズがキャップスペースを確保するためにタダ同然でペイサーズへ移籍。躍進を支えるチームの大事なピースとして堅実な成績を残しています。

ミドルレンジが主な攻撃エリア。また、数字上には表れにくいものの非常にいいロックダウンディフェンダーでありビクター・オラディポとのディフェンシブバックコートは強力。




9位 アイザイア・トーマス (ロサンゼルス・レイカーズ)

1989年2月7日生/7年目 ワシントン大(2008-11) 2011ドラフト2巡目30位(SAC)
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
5 25 14 26.2 .373 .287 .898 2.0 4.9 0.5 0.1 2.8 1.7 15.3
Career 466 323 29.8 .440 .362 .877 2.6 5.2 1.0 0.1 2.4 2.1 18.9

オールスター2回選出・2016-17シーズンMVP投票第5位という輝かしい成績を残したにもかかわらず、あのトレードからすべてが狂ってしまったように見えます。尻の怪我のせいなのか、はたまたブラッド・スティーブンスがすごいだけなのか。

2018デッドライントレードの主人公であり、実に波乱万丈なバスケット人生を歩んでいる物語に富んだ選手。ケツ指名(全体60位)から史上初のオールスター、ケイ・フィルダー(DET)と並ぶ現NBA最低身長ながら現代の常識を打ち破る記録(2016-17平均得点28.9/リーグ3位)を叩き出してきた超人。

カイリー・アービング(BOS)事変以降レブロン率いるチームともそりが合わず放出され、レイカーズにはロンゾ・ボール(LAL)がいるためバックアップへと下がってしまいました。ドウェイン・ウェイド(MIA)との再会が胸熱...

昨年までのキレのあるペネトレイトや3Pシュートが見られません。セルティックス時代はトーマスが第1オプションであり、彼が常にボールに対し主導権を握っていた(2016-17Usage34.0%/リーグ5位)ため成せたことだったのかもしれません。

守備でも全くと言っていいほど役に立たず、契約が切れる今オフに大型契約を結べる可能性は極めて低いです。昨年切れていたらよかったのに...運が悪すぎる。


8位 トマス・サトランスキー (ワシントン・ウィザーズ)

1991年10月30日生/2年目 2012年2巡目2位(WAS) チェコ出身
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
1 56 17 20.3 .537 .474 .753 2.6 3.5 0.7 0.2 1.0 1.6 6.8
Career 113 20 16.4 .494 .400 .736 2.0 2.5 0.6 0.1 0.8 1.3 4.7

ジョン・ウォールの離脱の緊急事態に本来はシューティングガードながら、ポイントガードとして存在感を示している異色の選手。ただ、ヨーロッパでは主にポイントガードとしてプレイしていたので慣れ親しんだポジションでもあります。

ウォール無しの28試合で好成績(↓表参照)を残しており、ショット試投数こそ少ないものの非常に効率的な選手と言えます。
MP FG% 3P% FT% TRB AST STL PTS
21.7 .549 .527 .875 3.5 5.1 0.9 9.8

ウォール離脱時のチーム成績は16勝12敗。今シーズンJJ・バレア(DAL)ケリー・ウーブレイJr.に対しオフェンスファウルをした際、ウォールと一触即発になったことが大きな話題に上りました。

試合後ウォールはバレアを「小人がなんか言っていた」と詰り、バレアはこう語りました。

俺は彼が今嫌いだ。彼のチームメイトが彼のことを好きだとは思わない。だから、彼にとってこれは新しいことではない。

ウォールはホークスのケント・ベイズモアデニス・シュルーダーにインスタグラムで笑い者にされ、その後逆に2人を笑い返すということもありましたね...

戦力は十分のウィザーズですが、チームの和が乱れている状態。ドラフト1位&3位の"エリートバックコート"でどこまでいけるんでしょうか?


7位 ショーン・リビングストン (ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

1985年9月11日生/13年目 2004年1巡目4位(LAC)
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
9 55 7 15.3 .498 .000 .814 1.7 1.9 0.4 0.3 0.8 1.6 5.1
Career 753 191 21.2 .484 .188 .794 2.4 3.1 0.7 0.4 1.3 1.9 6.5

3Pを持たないミドルレンジプレイヤー。また、9チームを渡り歩いてきたジャーニーマン。今シーズン新たに3年契約を結びましたがウォリアーズに在籍した過去3年よりも生産が減少。キャリア終盤に向かっていると思われる成績を残しています。

それでも悪いショットを取らず優秀なチームメイトとのつなぎ役として貢献しています。個人的にはデューク大のスターでGリーグの王様クイン・クック(GSWとツーウェイ契約)NBAでも通用するというところがみたいです。


6位 パティ・ミルズ (サンアントニオ・スパーズ)

1988年8月11日生/10年目 セントメリーズ・カリフォルニア大(2007-09) 2009年2巡目25位(POR) オーストラリア出身
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
2 64 18 24.4 .420 .379 .875 1.8 2.7 0.7 0.1 1.3 1.4 9.7
Career 505 36 17.9 .434 .392 .842 1.6 2.2 0.6 0.1 1.0 1.2 8.1

過去の成績ではTOP3に入る実績十分の選手ですが、今回は"インパクト"も重視しているのでこの順位にしました。本当はトニー・パーカーも入れるべきなんですが、"スパーズのバックアップといえば"ミルズなのでパーカーは除きました。

エネルギー溢れるプレイ、クラッチでの思いっきりの良さが印象強い選手。ディジョンテイ・マレーの登場で昨年まで1143試合中13試合しかベンチでスタートしていなかったパーカーが今シーズン復帰後は16試合ベンチから出場しており、1つの時代の終焉を感じました。

パーカーは今季で契約が切れますが、100%スパーズの再契約を望んでいます。スパーズファン以外も彼がスパーズ以外でプレイする姿は見たくありません。

2017年オフ新たに4年5000万ドルの契約を結び、パーカーやマヌ・ジノビリの跡を引き継ぐベテラン選手になるであろうミルズ。現在揺れるスパーズですが、底力はどこよりもあるチーム。簡単に脱落することは考えられません。


5位 テリー・ロジアー (ボストン・セルティックス)

1994年3月17日生/3年目 ルイビル大(2013-15) 2015年1巡目16位(BOS)
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
1 65 3 24.3 .403 .385 .775 4.4 2.5 1.0 0.2 0.9 1.5 10.5
Career 178 3 17.7 .377 .353 .775 3.2 1.9 0.6 0.1 0.7 1.1 6.5
高い跳躍力、すばらしいハンドルさばきが昨年よりレベルアップ。そのスピードはカイリー・アービングに見えるときもあります。絶好調セルティックスを支えるバックアップバックコートマーカス・スマートと強力なセカンドユニットを形成中。

積極性の高い選手で、アイソ能力も多きく向上。高いプルアップシュート成功率(55/110,50%)を誇ります。昨年ブレイザーズセルティックスが対戦した時に、ディフェンシブでクラッチな選手だなと思っていました。

セルティックスは現在、将来を見据えジェイレン・ブラウンジェイソン・テイタムのコンビを保持することが最優先事項。そのため、価値が高騰してきたスマートとロジアーを手放すことになります。陰で貢献してきた彼らがいなくなったときにどのようなチームになるのか、見物です。




4位 シャバズ・ネイピアー (ポートランド・トレイルブレイザーズ)

1991年7月14日生/4年目 コネチカット大(2010-14) 2014年1巡目24位(CHA)
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
3 58 8 21.4 .438 .387 .842 2.3 2.2 1.2 0.2 1.3 1.2 9.3
Career 217 20 15.5 .399 .366 .800 1.7 1.9 0.8 0.1 1.1 1.0 5.6

"レブロンのお気に入り"こと"Mr.March"が4年目にしてついに真価を発揮しています。動画の2017年12月28日の対フィリー戦をきっかけにし、粘り強いチームへと変化していったと思います。リラードを欠いた試合でカムバック劇を演じた主人公・ネイピアーは輝いていました。1:37のパスは今シーズンのベストアシスト。

シーズン終盤で浮上してきたブレイザーズですが、2017オフの補強はドラフト指名選手2名のみ。ウルブズ・ナゲッツ・サンダーらはスター選手を獲得し、単純に勝つと思われていました。傍から見ると浮上する要素も何もないブレイザーズが上がってきたのもネイピアーの力が本当に大きいのです。

ディフレクション*3平均数2.1は4位*4ティール率2.9はリーグ全体で4位。閃光のようなスティールでファストポイントをかっさらいます。ネイピアーとパット・カナトンは昨年のガーベージゲームで大きな存在感を示せたことが、今シーズンの活躍につながっていると思っています。



3位 フレッド・バンブリード (トロント・ラプターズ)

1994年2月25日生/2年目 ウィチタ州立大(2014-16) 2016年アンドラフト
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
1 61 0 19.5 .414 .393 .859 2.5 3.1 1.0 0.2 1.0 1.8 8.1
Career 98 0 15.2 .401 .391 .850 2.0 2.3 0.8 0.2 0.8 1.5 6.2

イースタンベストチームラプターズの最強セカンドユニットポイントガード。バンブリードは+/-ポイントで驚異の+338を誇っています。

ラプターズノーマン・パウエル以外のベンチプレイヤー5名全員がポイントで+200を超えており、42位以上にいるというとんでもない成績を残しています。
Rk Player G PTS
12 フレッド・バンブリート PG 60 +338
20 ヤコブ・ポエートル C 63 +284
31 パスカル・シアカム PF 62 +249
35 CJ・マイルズ SF 53 +227
42 デロン・ライト SG 51 +201

+/-ポイントは、ざっくり言うと"その選手がコートにいるときどれだけ点差を広げたか(広げられたか)"を表しています。こちらを参照していただければ彼らがいかにすごいかわかると思います。

カイル・ラウリーデマー・デローザンが全く活躍しなくても余裕で上位チームに勝つこともしばしば。彼らだけに頼らない完璧なベンチがラプターズ最大の勝因。平均得点差8.64はリーグ第2位(ロケッツ8.88)。

バンブリードは堅実なスコアラーとして出場時間を獲得し、CJ・マイルズとともに3Pシュートを担います。デロン・ライトヤコブ・ポエートルが非常に強力なディフェンダーのため、バランスのとれた布陣。チャンピオンシップ、本当にあります。




2位 JJ・バレア (ダラス・マーベリックス)

1984年7月26日生/12年目 ノースイースタン大(2002-06) 2006年アンドラフト プエルトリコ出身
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
2 60 5 23.4 .425 .362 .786 3.0 6.2 0.5 0.1 2.1 1.3 11.4
Career 755 96 19.7 .423 .353 .798 2.1 3.8 0.4 0.0 1.5 1.4 8.8

ウォールには"小人(183cm)"と称されましたが、この人はスゴいです。33歳にしてキャリアベストの成績を残しています。"フロア上の指揮官"とも言うべき針を通すパス、アリウープはまるでクリス・ポール(HOU)を見ているようです。

バレアの経歴は極めて異色です。ノースイースタン大...どこ?と思うほど耳にしない大学。過去5人がNBA選手になっており、セルティックスで活躍し27歳の若さで亡くなったレジー・ルイスの出身校として知られています。

ルイス以降(1987年)ドラフトで指名された選手はいません。超超スモールスクールから、しかもアンドラフトで、12年もの長い年月を淘汰の激しいNBAという世界で戦っている姿は、多くの選手の光となっています。また、最近色々と話題のマーク・キューバン氏のお気に入り選手としても有名(笑)。

決してHall of Famerになることはありませんが、史上最高のアンドラフト選手として歴史に名を刻んでいます。




1位 TJ・マッコネル (フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)

1992年3月25日生/3年目 デュケイン大(2010-12)→アリゾナ大(2013-15) 2015年アンドラフト
Team G GS MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PF PTS
1 57 1 24.3 .499 .472 .844 3.2 4.4 1.4 0.2 1.7 1.7 6.9
Career 219 69 23.4 .474 .340 .773 3.1 5.3 1.4 0.1 1.8 1.6 6.6

揃えるつもりはありませんでしたが、トップ3がアンドラフト選手になりました。マッコネルもまたそうとうな苦労人で、トランスファーを経てNBA入りし成功を収めている極めて珍しい選手。

ネイピアー同様の条件でディフレクション平均数1位(2.5)、スティール%9位(2.7)をマークしているディフェンシブガード。2015-16年ベン・シモンズを得るためとはいえNBA史上最低記録10勝72敗という、かなり精神的にくるであろうドン底シーズンを経験しています。

役者がついに揃った今シーズンからプレイオフチームへと復帰し、"6thマン"として躍動。動画のトリプルダブルもすごいんですが、11アシスト+6スティーはバックアップとして理想的。本当にいい選手です。

試投数こそ少ないものの、3P%が.348→.200→.472と大きく上昇。シモンズが3を撃てないので、これを改善してきた点がすごいです。


*1:スターターで出場した試合数

*2:在籍してきたチームの数

*3:ボールに触れ軌道を変えること

*4:25分出場以下30試合以上出場