WE ARE THE NORTH WEST

#41 忘れるために忘れない

2018オフシーズン

17'18レギュラーシーズンの成功は"ただの幸運"?

強豪だらけのウェスタンカンファレンスに所属しながらも、ライバルチームの主力に怪我が相次いだこともあり、49勝33敗の3位という幸運で予想外な17'18レギュラーシーズンを送ったポートランド・トレイルブレイザーズ

しかし、第3シードで挑んだプレイオフファーストラウンドで唯一のスイープ負け。加えて、2016年のプレイオフから数えて10連敗となり、"リラード&マッカラムのチームではプレイオフで勝てない"と多くの人に見られ、2018オフにはリラード&マッカラムのトレードに関する噂が多く話題に上りました。

それでも、トレードなどの活発な動きをまったく見せなかったブレイザーズフロント。選手の入れ替えは最低限なもので、その動きは"前進"ではなく、"真横"に動いただけの小さなものでした。

退団
BLK エドデイビス 1年440万ドル
BLK シャバズ・ネイピアー 2年380万ドル
MIL パット・カナトン 2年340万ドル
入団
DAL セス・カリー 1年280万ドル
BLK ニック・スタウスカス 1年160万ドル

エドの移籍

デイビス、ネイピアーはアレン・クラブに続くネッツへの移籍。デイビスは破格の年俸で移籍したこともあり、多くのファンから怒りの声を買い、リラードからも残念な声明が出されました。ニール・オルシェイGMは"スペースの重要性"を重視したためデイビスとの再契約を見送り、彼にネッツとの契約を薦めました。

個人的にはエドと再契約する可能性は低いと思っていましたが、やはりファンや選手たちの反応を見ると、いかにチームに必要な存在だったかが分かります。エドがいなくなったということはシーズンが開幕してから実感していくと思います.....。ただでさえ薄いフロントコート陣がさらに薄くなったため、2年目のザック・コリンズにかかる期待値は計り知れません。

ネイピアーとカナトンは中々移籍先が発表になりませんでしたが、無事に契約先ができて良かったです。それぞれの移籍先での活躍を祈っています。

ピュアシューターの加入

レイオフスイープ負けの主な原因はブレイザーズによるリラードへの依存ペリカンズによる完璧なリラード潰しです。リラードを起点とした攻撃パターンはことごとく潰され、ワンパターンのアイソばかりになり、簡単に敗北しました。その解決策になるのか...最小限の動きで追加したのはシューターガードでした。

G MP 3P 3PA 3P% AST STL PTS
セス・カリー*1 70 29.0 2.0 4.6 .425 2.7 1.1 12.8
ニック・スタウスカス*2 41 12.8 1.0 2.4 .400 1.0 0.2 4.4

ネイピアー→セス、カナトン→スタウスカスに置き換えました。2人とも3Pに特化した選手なので、とにかくチームが今シーズンスペースを広く使った3ポイントに力を入れようとしていることが明確に伺えました。

セスは怪我からの完全復活、スタウスカスはNBAの生き残りを懸けたシーズンなので、この気概が爆発すれば、昨シーズン3P試投数28.1(19位)、3P成功数10.3(16位)だった3P各種成績の大幅アップが期待できそうです。



2018サマーリーグ

意外といいルーキーたち

Player MP FG% 3P% REB AST STL BPG PTS
レイマン 23.1 .571 .542 4.4 0.3 1.4 0.9 13.4
ボールドウィン4世 25.4 .451 .500 4.0 7.4 1.1 0.4 13.4
コリンズ 23.6 .408 .500 6.8 1.2 0.3 2.7 8.0
スワニガン 26.3 392 .444 10.7 3.3 0.4 0.3 8.4
サイモンズ 20.0 .434 .346 3.2 0.5 1.0 0.0 11.0
トレントJr. 23.1 .354 .300 3.3 1.4 1.3 0.4 11.4

サマーリーグはあくまで見世物ですが、過去リラード(26.5ppg)、ウィル・バートン(現:ナゲッツ)(14.6ppg)&マッカラム(20.6ppg)大爆発しているのでブレイザーズにとっては縁起のいいものです。昨年はレイカーズに敗れて準優勝、今年はリベンジに成功し優勝!ちゃっちいトロフィーですが、こういうときぐらいしか喜べないので喜びましょう!

ドラフト組のサイモンズ(24位)&トレントJr.(37位)はまだジャンプショットしか選択肢がありませんが、積極的なプレイが好印象でした。"ドラフトの選択は最悪"と言われていましたが、サイモンズはスピードがすばらしくトレントJr.はシューターとしての素質十分
即戦力に成るかは難しいところですが、言われていたよりも全然いい、むしろ早い段階で戦力になれるだろうと思わせてくれるプレイを多く見せてくれました。

ベンチウォーマーからの卒業

CJ・マッカラムウィル・バートン(トレードを経て)アレン・クラブ(現:ネッツ)パット・カナトン(現:バックス)らはブレイザーズに入団し、3年目のシーズンNBAプレイヤー(ローテーションプレイヤー)となりました。
マッカラムは早期の怪我とウェズリー・マシューズ(現:マブス)という巨大な存在に阻まれ、バートン、クラブ、カナトンは2巡目指名だったため、プレイする機会が限られていました。

1,2年目、試合に全く顔を出さなくなると、大抵の人は存在を忘れかけます。しかし、ブレイザーズの場合、1,2年目パッとしなかった(ドラフト入団)選手は3年目が本番です。2016年ドラフト47位指名のジェイク・レイマンは今シーズンで3年目です。

www.oregonlive.com

今まで"ただ座っている人"だったレイマンが、ようやく自信を持ってプレイできる時が来ました。モーリス・ハークレスエバン・ターナーらウィング陣が怪我の不安を抱えている中、彼の存在はひと際光ります。



2018プレシーズン

Preseason
Game1 (9.30) 104 - 122 at Raptors
Game2 (10.6) 115 - 93 at Suns
Game3 (10.8) 112 -123 vs Jazz
Game4 (10.11) 116 - 83 vs Suns
Game5 (10.13) 118 - 115 vs Kings

トレードの噂やSNSでの騒ぎばかりが目立った夏が過ぎ、バンクーバーから始まったプレシーズンでは"今シーズンやりたいこと"を明確に見せてくれました。

継続と進化

このプレシーズンは攻撃面での収穫が目立ちました。特にリーグ最強ディフェンスチームのジャズに対し、とても素晴らしいオフェンスを見せたことは、シーズンへの希望でした。

FG% 3P 3PA 3P% REB AST FBPS*3 STL BLK
2017 Pre .453 11.7 27.7 .422 47.7 20.5 5.3 8.0 4.5
17'18
Season
.452
(20)
10.3
(16)
28.1
(19)
.366
(11)
45.5
(3)
19.5
(30)
8.1
(30)
7.0
(26)
5.2
(3)
2018 Pre .464 12.6 30.6 .412 45.2 25.4 10.4 6.2 4.4

ボールムーブが強く意識され、リラード&ヌルキッチのPNR以外のアシストが増えました。期待薄だったスタウスカスマイヤーズ・レナードが外からの得点で貢献。特に、スタウスカスは面白い存在になりそうです。

もう一つ改善されつつあるのがファストブレイクポイント。NBA内で1試合中最も長い距離を走る選手であるCJはプレゲームでも走ります。

また、スローインからのペースを意識的に速め、ハーフコートからのロングパスも多く見られました。成功しなくても"こういう攻め方もある"と思わせることが重要です。

ヌルキッチ、333

3のうてないビッグマンが廃退したNBAでは、キャリア途中から3をうち始めるビッグマンが多くいます。昨年から行き場のないミドルショットを多くうち、その前兆を見せていたユスフ・ヌルキッチ。彼も流れに逆らうことなくついに3ポイントを導入し、これがモノになればリラ&マコへの恩恵は計り知れません。

しかし、まだ10回に1,2回ぐらいしか入らないでしょう。ドフリーなら入いれちゃうよ程度に止めておいて、使いどころを間違えないでほしいです。

ディフェンスが課題

5試合すべて100点ゲームを行いましたが、ファウル過多、TO過多がひどく目立ちすぎた試合がありました。ディフェンスで期待されたザック・コリンズに期待以上のものはありませんでした。エドがいない以上、リバウンドは彼の仕事です。しかし、彼は本番になると力を発揮するタイプだと信じておきます。

最も守備で目立っていたヌルキッチはディフレクションとブロックを多く叩き出し、ポジショニングへの理解度は昨年よりレベルアップしているようでした。目標とするオールディフェンシブ1stチームはそう遠くないように感じます。チームディフェンスが機能してくるのはシーズンが始まってからでしょう。



番外編

祝・オールNBA1stチーム

ビル・ウォルトンクライド・ドレクスラーに続く史上3人目のブレイザーになりました。これにはラッセル・ウェストブルックの方が云々...という声も多かったそうですが、記者の方が選んだ公正な結果だと信じて素直に喜ばせてください。そういう声を黙らせていくのは、やはりプレイオフで結果を出していくしかないと思います。

しかし、本当におめでとうございました。ルーキーシーズンから大けが無くチームの先頭を引っ張り続けてくれているリーダーがさらに高みに行くことを切に願っています。

I'm Trying Jennifer

これは一種の炎上商法です(笑)。CJはスポーツジャーナリストとしての一面も持っており、2018年3月からやっている自身のラジオ「Pull Up」に超大物のケビン・デュラントが2018年7月18、25日と2週にまたがって出演。英語が分かる方ならとても楽しい内容になっておりました。

https://art19.com/shows/pull-up-with-cj-mccollumart19.com

CJ:ウォリアーズは行くものじゃなく倒すものだ。だから(ブギーの判断)が...。

KD:でもCJ(のチーム)はチャンピオンシップに勝てないでしょ?

CJ:うっ...でも...!

KD:俺は(そのチームが)あるよ。なんでもできるチームが。

CJ:でも俺たちが第3シードまで行ったことは事実だ。

KD:あれ?プレイオフどうだったっけ?え、いた?

(多分)このような会話が交わされ、そしてこれが公の電波に乗ってしまったことが発端となり、ツイッター上での口論(?)に繋がりました。しかし、KDが言っていることは120%事実であり、反論しようのない事です。CJが言っていることは負け犬の遠吠えぐらいにしか思われません。

KDからすれば、ただの世間話ぐらいに思ってたけど、思ったより広まっちまったなぁ...って感じではないでしょうか。まぁ、しかし彼らはバスケットボール選手です。決着は試合でつけましょう。逆に火が付きましたよ。ねぇ、ジェニファー!

そして、この騒動の後「Pull Up」のリスナーは大幅に増えたそうです。



2018-19シーズン開幕へ

選手名 タイトル/希望成績
デイミアン・リラード MVP FG45%↑
CJ・マッカラム オールスター フリースロー数↑
ユスフ・ヌルキッチ オールディフェンシブ FG%, ブロック数↑
アル・ファルーク・アミヌ オールディフェンシブ 3P40%
モーリス・ハークレス 3P40%, 10pts, 健康
エバン・ターナー FG50%, 4ast
マイヤーズ・レナード ローテーション復帰, 5reb, 3P40%
ジェイク・レイマン 15分以上でローテーション定着
ザック・コリンズ 25分↑, 8reb, 1.5blk
ケイレブ・スワニガン 5pts, 5reb
ウェイド・ボールドウィン4世 5pts, 2ast
セス・カリー 10pts↑, 2ast, 3P40%↑
ニック・スタウスカス 6pts, 1ast, 3P40%↑
ゲイリー・トレントJr. 50試合以上出場, 3P50本成功
アンファーニー・サイモンズ 50試合以上出場
50勝 & ウェスタンカンファレンスファイナル進出

Remenber to foget

レイオフ敗退のどん底も、13連勝の希望もある。そんなチームだから好きなんです。

最高のオーナーをありがとう...ポール・アレン

本当に、彼のために戦うシーズンになります。



Week1のブレイザーズ

#1 10月18日(木) vs ロサンゼルス・レイカーズ

盟主・レイカーズに目下15連勝、さらにレブロン・ジェームズはローズガーデンでは勝てず、極めつけにブレイザーズは現在開幕試合17連勝中。この相性最高絶好調を味方につけ、今年もBEAT L.A.(from Oregon)と行きましょう!



#2 10月20日(土) vs サンアントニオ・スパーズ

デマー・デローザン&ラマーカス・オルドリッジのミドルに対するディフェンスはもちろんターンオーバー、ファウルを含めた細かな部分の修正が試される試合。そして、負傷者続出のスパーズカード層は非常に薄いので、新・ガードラインナップの威力を見せる絶好の機会。


*1:2016-17成績

*2:2017-18成績

*3:ファストブレイクポイントの略