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#18【今週のブレイザーズ】week17 /DET/CHA/SAC/UTA

29勝24敗で迎えたweek17(2月2週)に行われた試合の感想。日付は現地。日本だと次の日。
@はロード、#数字は何試合目かを表しています。


#54 2月5日(火) vs @デトロイト・ピストンズ


Q1 Q2 Q3 Q4 END
Trail Blazers (29-25) 20 23 24 24 91
Pistons (26-26) 22 27 30 32 111
BOX SCORE
Trail Blazers OUT G/F E.Turner (左ふくらはぎ)
Pistons OUT G R.Jackson (右足首) F/C J.Leuer (左足首:絶望)

NEW TEAM

ブレイク・グリフィンが移籍発表後4連勝。グリフィン-ドラモンドのラインもつながり、シーズンハイの合計36アシストの快勝。
1月20日以来の.500復帰。悪夢の8連敗から抜け出して、プレイオフ争いに再び名乗りをあげています。2018ドラフト1巡目選手を諦めているだけにプレイオフ出場は絶対目標。

ベンチが45得点。主な3人のベンチプレイヤーはいずれもグッドシューター
FG 3P PTS 3P%
A.Tolliver 6/9 3/6 15 41.3%
L.Kennard 5/7 1/2 12 42.3%
L.Galloway 5/8 3/5 13 36.4%
9チームを渡り歩いているアンソニー・トリバー、毎年チームのように所属が変わり続け8チーム目のシクサーズで結果を出し、ようやく2016年に3年契約を結び10チーム目にして長居する場所を得たイシュ・スミスらベテランの存在も欠かせません。
後退
3Q8:46(53-61)→3Q3:09(57-75)と一気に突き放され意気消沈。攻撃ではチーフ(3/11),CJ(6/15),コリンズ(1/8)が荒れショット。
ペリメーターディフェンスも崩壊し3P献上(15/30)。セルティックス戦ではローテーションディフェンスができていましたが...連戦の疲れであることを信じたい。

Biggie Recall
現地2月4日にGリーグのカントン・チャージからブレイザーズへのリコールが発表されたケイレブ・スワニガン(通称:ビギー)。ガーベージタイムで登場。12月22日以来となる出場でした。
G MP FG FGA FG% 3P 3PA 3P% FT% ORB DRB TRB AST STL BLK PTS
14 30.3 5.5 11.0 .500 0.6 1.9 .308 .673 3.0 8.9 11.9 2.6 1.1 0.9 14.2
ハッスル・ハングリー精神は人一倍。今では主力に成長したCJ・マッカラムやルディ・ゴベール(UTA)もGリーグ(当時Dリーグ)を経験しています。
サマーリーグでは最も頭角を現した選手。NBAの舞台で"ダブルダブルマシン"と呼ばれる選手になってほしいです。
ベストプレイ モーリス・ハークレスのドライブ



#55 2月7日(木) vs シャーロット・ホーネッツ


Q1 Q2 Q3 Q4 OT END
Hornets (23-31) 18 27 20 32 6 103
Trail Blazers (30-25) 29 20 30 18 12 109
BOX SCORE

"エースの意地"

クリスタプス・ポルジンギス(NYK)の代替選出により2年連続のオールスター出場が決まったホーネッツのエース、ケンバ・ウォーカー7年目27歳。元スーパースタードワイト・ハワードが加入し昨年(36-46)より浮上することが期待されていました。

開幕からは好調。しかし、6勝3敗としてから6連敗。その後は大型連勝もなく.500以下に甘んじています。状況を打破するためにトレードを試みようにも、悪い契約も抱えており良い見通しはありません。しかし、ブレイザーズよりはどうにかなりそう(笑)。
契約 G MP FG% 3P% FT% TRB AST STL BLK TOV PTS
N.Batum 5年1億2000万ドル(2) 40 31.8 .420 .319 .800 4.4 4.7 1.0 0.3 2.1 12.2
C.Zeller 4年5600万ドル(1) 23 19.1 .495 1.000 .732 5.4 1.0 0.4 0.9 1.2 7.0
M.Williams 4年5420万ドル(2) 50 26.0 .480 .438 .870 4.8 1.2 0.7 0.4 0.8 9.5
M.K-Gilchrist 4年5200万ドル(2) 47 26.5 .509 .000 .689 4.6 1.1 0.8 0.5 0.6 9.9

現在ケンバ・ウォーカー(4年4800万ドル)ジェレミー・ラム(3年2100万ドル)がフレンドリーな契約を来季まで結んでいます。そのためトレード価値が最も高いのがウォーカー。様々なところでウォーカーのトレード案がありましたが、結局トレードは起きず。

同球団オーナーのマイケル・ジョーダンはウォーカーに対し"オールスタープレイヤーとしかトレードしない"と言っていたため、将来のドラフト指名権を含めたトレードパッケージを断ったとみられています。

悪い契約を抱え、悪い状況にあるチーム。どことなくブレイザーズとダブって見えます。しかし、彼らにはヌルキッチのようなカンフル剤が存在していません。あるならば、ウォーカー自身。それをこの試合で体現しています。気迫でもぎとった4Q17得点、OT全6得点。プレイオフ出場は最後まであきらめません!


暗雲

ゲームをコントロールして大勝するべき試合展開。しかし、勝ちゲームから一転しターンオーバー祭りによってケンバによるカムバック劇を演出。辛うじて勝利するも、今後不安しか残らない試合内容。サンズ戦にも見られた4thクォーター問題は永遠の課題です。

4Q HORNETS 経過 TRAIL BLAZERS
6:43 カミンスキーティー 77-92 マッカラム ロストボール
6:29 カミンスキー3Pショット 80-92
6:04 80-92 デイビス 3秒バイオレーション
5:53 ウォーカー 3Pショット 83-92
5:39 ウォーカー スティー 83-92 マッカラム ロストボール
5:35 83-92 ハークレス シューティングファウル
5:35 ウォーカー 3/3FT成功 86-92
5:19 バトゥム スティー 86-92 ヌルキッチ パスミス
5:11 ウォーカー レイアップ 88-92
中略
3:42 バトゥム スティー 91-95 マッカラム ロストボール
3:08 ウォーカー レイアップ 93-95
2:59 ウォーカー スティー 93-95 アミヌ パスミス
2:56 ウォーカー レイアップ 95-95
マッカラムが結構やらかしてます。チーム全体で4Q6:43以降7ターンオーバー(TO),OTは5TO。全17TO中12TOが4Q終盤以降って...観ている方は楽しくないワクワクとドキドキに襲われるだけ(笑)。
別れの季節
この日がトーレド期限日。そして、悲劇が生まれる日。様々な思惑が交錯した時間が過ぎ去り、ブレイザーズノア・ヴォンレイと別れることになりました。
Bulls Get F N.Vonleh 金銭
Trail Blazers Get F-C M.Rakovic TPE

キャップ状況が最悪だったにもかかわらず、指名権を保持したまま贅沢税回避&ロスター枠を確保。今後のバイアウト市場に目を向けることが可能です。派手な動きではありませんでしたが、賢い取引だったと思います。これができたのもアレン・クラブ(BRK)をネッツがまだ求めていてくれたから。ネッツさんありがとうございます。

チーフの怪我で出番が回ってきて、エリートリバウンダーとしての片鱗を見せたヴォンレイはチーフ復帰後から出場機会を失いました。2014年ドラフト全体9位の選手。22歳という若さもブルズが取引に応じてくれた理由でしょう。

最近ではミドルと3Pショットの精度が上がっていました。バトゥムトレードで得た財産は芽吹きませんでしたが、いつかヴォンレイが開花することを願っています!2年半ありがとうございました。ヤングブルズでの活躍、期待しています。"ブルズでノア"なので、親近感は持たれそう(笑)。
ベストプレイ マイヤーズ・レナードのブザー3P
年間1000万ドルの仕事です。



#56 2月8日(金) vs @サクラメント・キングス


Q1 Q2 Q3 Q4 END
Trail Blazers (31-25) 33 29 30 26 118
Kings (17-37) 31 21 22 26 100
BOX SCORE
Kings OUT G-F I.Shumpert (足) F S.Labissiere (肩) G F.Mason (かかと) F H.Giles (膝/絶望)

再建は遠い?

昨年フランチャイズの顔だったデマーカス・カズンズを放出し、再再建に入ったキングス。2014年8位,2015年6位,2016年8位,2017年5位&10位のドラフト指名権を持ちながら、オールスター級に育ったはいません。

上位指名の2015年6位ウィリー・コーリー=ステインと2017年5位ディアーロン・フォックスはともに名門ケンタッキー・ワイルドキャッツ出身。2010年ジョン・ウォール(1位)&カズンズ(5位)から毎年複数人指名を受けるようになった有数のNBA選手輩出大学。

2010年以降ワイルドキャッツの大黒柱はトップ10以内の指名を受け続けている状況に加え8年間で30人がドラフトで指名されています(2000-09の10年間で6人)。(数字)は指名順位-現在所属のチーム。

2010 J.Wall (1)WAS D.Cousuns (5)NOP P.Patterson (14)OKC E.Bledsoe (18)MIL D.Orton (29)
2011 E.Kanter (3)NYK B.Night (8)PHX J.Harrellson (45) D.Liggins (53)NOP
2012 A.Davis (1)NOP M.K-Gilchrist (2)CHA T.Jones (18) M.Teague (29) D.Lamb (42) D.Miller (46)NOP
2013 N.Noel (6)DAL A.Goodwin (29)
2014 J.Randle (7)LAL J.Young (17)PHI
2015 K.A-Towns (1)MIN W.C-Stein (6)SAC T.Lyles (12)DEN D.Booker (13)PHX A.Harrison (44)MEM D.Johnson (48)OKC
2016 J.Murray (7)DEN S.Labissiere (28)SAC T.Ulis (34)PHX
2017 D.Fox (5)SAC M.Monk (11)CHA B.Adebayo (14)MIA

現在キングスで最も見通しのいい選手ボグダン・ボクダノヴィッチマーキース・クリス(2016年8位)とのトレードによってもらたされたもの。サンズへ行ったクリスも主力には育ってません。キングスは毎度毎度はずれを引いているのか?それとも選手を生かしきれていない現場が悪いのか?はずれがほとんどない「1位」を取りに行くしかないのか?


スモールスクールの頂点

名門出身ではありません。"超スモールスクール"であるウィーバー州立大を卒業しているリラードは全スモールスクールに所属する選手の憧れです。高校時代ももちろん無名。そんな選手がまた一つ、大記録を打ち立てました。

29分間の出場で50得点。先日達成した相棒CJ・マッカラムに続きました。終盤差を縮められリラードが登場しそうになるも、結局出番無し(笑)。前半で28得点。キングス側が「もうやめて...」といいたくなる暴れっぷり。最下位を行くチーム相手に手こずってはいけません。


ベストプレイ ザック・コリンズのキラーパス



#57 2月10日(日) vs ユタ・ジャズ


Q1 Q2 Q3 Q4 END
Jazz (28-28) 19 24 38 34 115
Trail Blazers (31-26) 26 18 19 33 96
BOX SCORE
Jazz OUT G R.Rubio (尻) G-F T.Sefolosha (右膝/絶望) G D.Exum (肩/絶望)

ROY・ミッチェル

ジャズはブレイザーズの次に好きなチームです。決して派手ではなく、質実剛健なチームスタイルがとても魅力的。昨年2009-10シーズン以来のプレイオフ進出を果たした原動力になったのがゴードン・ヘイワード(BOS)。ジャズはFAとなった彼の慰留に全力を注ぎました。

しかし、恩師ブラッド・スティーブンス率いるセルティックスへ移籍。ユタの希望が去り、今シーズンからは厳しい戦いが強いられると誰もが予想していました。

そこへ現れた"超新星"ドノバン・ミッチェル21歳ルーキー。ルーキーNo.1スコアラーとしてジャズの"新エース"へと駆け上がっています。身体能力はヤニス・アンテトクンボ(MIL)並みの高さ。

2017年11月1日、オーバータイムにもつれ込んだジャズvsブレイザーズ戦で28得点。4Q7得点、OT5得点。この時スターターだったロドニー・フッド(CLE)よりも存在感がありました。

リラードはルイビル時代のミッチェルをよく知っています。そしてポートランドへ来てほしいとも思っていたようです。
https://www.deseretnews.com/article/865692117/Damian-Lillard-Donovan-Mitchell-put-friendship-aside-as-Jazz-top-Blazers-in-overtime.htmlwww.deseretnews.com
プレイスタイルも非常に似ていて、クラッチ場面でショットを決めれる度胸もあります。"スーパースター"の誕生です。

リラードもハードダンカー!ダンクコンテストも出場しています。

Rookie Of The Year(ROY)争い筆頭はベン・シモンズ(PHI)ですが、彼は2016年の1位。昨年は怪我のため出場無し。昨年出場していたら間違いなくROYだったでしょう。

シモンズがいなければ、ミッチェルはROY筆頭候補だっただけに運が悪い。個人的にはミッチェルにROYレースを制してほしい。ジャズはルディ・ゴベールが還ってきてから10勝2敗。プレイオフ出場は見えています。
2017 ROY Vot G PTS AST RB FG% 3P% STL BLK TOV
M.Brogdon 1(36) 75 10.2 4.2 2.8 45.7% 40.4% 1.1 0.2 1.5
D.Saric 2(12) 81 12.8 2.2 6.3 41.4% 31.3% 0.7 0.4 2.3
J.Embiid 3(3) 31 20.2 2.1 7.8 46.6% 36.7% 0.9 2.5 3.8
2018 ROY Rk G PTS AST RB FG% 3P% STL BLK TOV
B.Simmons 1(1) 52 16.5 7.3 7.7 52.5% 0% 1.8 0.9 3.7
D.Mitchell 2(13) 53 19.4 3.4 3.4 44.4% 35.4% 1.5 0.4 2.6

(数字)は指名順位。ちなみに昨年2016-17ROY争いは、誰になるのか最後の最後まで分からなかった大混戦レース。しかもサリッチとエンビートは2014の選手。2016ドラフト選手の1年目はパッとせず。

2年目に入り3位ジェイレン・ブラウン(BOS)5位クリス・ダン(CHI)は出場時間が増加。12位トーリアン・プリンス(ATL)11位ドマンタス・サボニス(IND)らも1年目から大きく成績を伸ばしています。

2017ドラフト選手は1年目から豊作揃い。もちろんこれから先は長いので、2年目・3年目に開花する選手が表れることを楽しみにしています。マーケル・フルツ(PHI)は最悪のドラフト1位選手になってしまうのか?


内弁慶

3Qで一気に差をつけられ、4Q終盤で巻き返しを見せたものの時すでに遅し。CJが序盤不調(3QまででFG3/14,4TO)。リバウンドでもヌルキッチ不在が響きました。

ジャズはデリック・フェイバーズロイス・オニールがとても良い働きをしていました。新加入のジェイ・クロウダーレブロンから解放され、セルティックス時代のようなプレイがジャズでできると思います。攻守の歯車がきっちりとかみ合い始めており、今後非常に怖い存在になるチーム。
3Q FG% ORB DRB PITP*1 FBPS*2 2ND PTS
Jazz 48.0% 6 14 16 10 6
Trail Blazers 28.6% 1 7 4 0 0
ジャズは9連勝。この中にはウォリアーズ、ラプターズ、スパーズが含まれています。対してブレイザーズはリーグ上位チームに勝てません。プレイオフ突破は夢のまた夢。
Golden State Warriors 43-13 0-1
Houston Rockets 42-13 0-2
Toront Raptors 39-16 0-2
Boston Celtics 40-18 0-1
San Antonio Spurs 35-22 1-1
Cleveland Cavaliers 33-22 0-1
Minnesota Timberwolves 35-24 1-2
Washington Wizards 32-24 1-1
Milwaukee Bucks 31-24 0-2
Oklahoma City Thunder 32-25 2-0
Indiana Pacers 32-25 2-0
Portland Trail Blazers 31-25 現在地
Miami Heat 30-26 1-0
Denver Nuggets 30-26 1-2
Philadelphia 76ers 28-25 1-1
New Orleans Pelicans 29-26 1-2
LA Clippers 28-26 1-1
Utah Jazz 28-28 0-2

現時点で.500以上のチームに対し13勝21敗。特に相性が悪いと感じるのはジャズ(直近1-4)とバックス(直近1-6)。.500以下に対しては18勝4敗。弱い敵に強く、強い敵にはあっさり負ける。この状況を打破する術は現在ありません。

また、ヌルキッチが背中と股関節の痛みでまともにプレイできず。ひとまず次戦でオールスターブレイクに入るのが不幸中の幸い。彼の長期離脱は一番の痛手になります。他のセンターはエドデイビスマイヤーズ・レナードの2人。レナードはワーストクラスのリムプロテクター。もし長引くのならば、ザック・コリンズをセンターへ回すしかありません。

ヌルキッチがいないと攻撃ではさらにバックコートに依存、守備では不安を残します。


ベストプレイ ドノバン・ミッチェル=エリートスコアラー



week18(31-26)のブレイザーズ

#58 2月14日(水) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ
バレンタインゲーム。オールスターブレイク前最後の試合は最強の敵。ヌルキッチが万全でない状態のためさらに厳しい試合になる。ファストブレイクポイントを最小限にとどめるディフェンスを見せてほしい。

*1:ペイント得点

*2:ファストブレイク得点