WE ARE THE NORTH WEST

#24【今週のブレイザーズ】week21 /LAL/NYK/GSW

37勝26敗で迎えたweek21に行われた試合の感想。日付は現地。日本だと次の日。
atはロード、#数字は何試合目かを表しています。


#64 3月5日(月) at ロサンゼルス・レイカーズ

Q1 Q2 Q3 Q4 END
Trail Blazers (38-26) 27 31 15 35 108
Lakers (28-35) 24 31 25 23 103
BOX SCORE

上昇?

少し前にシャーロット・ホーネッツが5連勝しプレイオフカムバックへの期待を覗かせましたが現在は連敗しており、期待は打ち砕かれています。同様のチームがレイカーズです。

5連勝しNBA最大のフランチャイズは盛り上がりを見せました。その連勝を支えているのは今シーズン制限付きフリーエージェントになるジュリアス・ランドル。往年のブレイク・グリフィン(DET)のようにペイントをこじ開けてガンガン得点し、味方へのパスも増加しています。

あれだけトレードの噂が立ちましたが、今ではレイカーズのベストプレイヤーのように見えます。再契約、濃厚です。この試合ではブランドン・イングラムが欠場していたにもかかわらず、効果的な3Pを沈め優位に試合を運んでいました。

一見すると改良されたように見えるレイカーズ。ジャズのような爆発大型連勝をすればプレイオフの可能性も見えますが、これから大変に厳しいスケジュールが待っているため、そこで真価を問われそうです。

HE IS SUPER-STAR

2Qで31失点。Q間で30得点以上失点したのが4試合前の3Qぶり、実に14Q連続で30得点以下に抑えてきたバッドボーイズブレイザーズ。攻撃的なレイカーズ相手にまたもクラッチディフェンスがさく裂し、L→Wに変えました。レイカーズは5連勝中平均121.4得点と大爆発中でした。

Lakers vs Trail Blazers
5 W Streak 6
116.0 (4) OFF Rtg 108.0 (15)
102.6 (5) DEF Rtg 98.1 (1)

2月23日のマブスレイカーズ戦でウェズリー・マシューズ(DAL)が3Q頭2分で4本連続3Pを決めています。ステイプルズセンターの人たちには再来の光景だったでしょう。

それにしても...デイミアン・リラードがやってくれました。4Q4:04→2:22で4本連続3Pを沈め大逆転。4Q5:52、11点差ビハインドから今シーズン3番目のカムバック劇を果たしました。

もちろんヒーローはリラードです。しかし、今までのブレイザーズならば追い抜いても追いつかれる"締めの守備"が崩れることが多々ありました。しかし、それを起こさなかったことこそが最大の勝因なのです。

非常にファストブレイクの多い(1試合約17点)チームに、この試合14点で抑えれた堅実な守備は本当に進化したと思います。チーフのリバウンドフォロー、ネイピアーのスティール、ヌルキッチのオフェンスリバウンド...彼らがリラードを"スーパースター"にしてくれました。

アイザイア・トーマスがFG5/21、デッドボールファウルで得たフリースローをミスするというボーンヘッドプレイを連発。昨年セルティックス戦をよく見ていたので、こんなにも変わってしまうものなのかと感じています。

また、3点差の状況でフリースローを2本ミスり、デッドボールファウルで逆転の可能性を与えたCJ・マッカラム。グリフィンにブザーでやられた"あのクリッパーズ戦"の再来かと思いました...ITのおかげで救われたものの、ここにきてのミスは命取り。

汚れたQ3

勝利したので忘れがちですが、3Q10:29で4チームファウルを犯し早々にボーナス突入。フリースロー13/16本与えましたが、FG5/18(27.8%)は12点に抑えていただけに相手の術中にはまってしまったことが残念。

3QのPF数10。ファウルトトラブルが続出し、何もできないマイヤーズ・レナードが出場する緊急事態に。ディフェンスを崩されての得点差ならまだいいんですが、ファウルによる得点差は今後避けたいことろです。

また、前回敗北したのが2014年3月。話はそれますが、当時ロスターにいた元レイカーズのロバート・サクレ(現・SR渋谷)のBリーグダンクコンテストにおける"あの"恥ずかしいウィンドミルが放送で話題に上がっていました(笑)。日本ではあれでもスゴイんですよ...

ベストプレイ リアル Shabazz Is The Man

足首はお大事に。



#65 3月6日(火) vs ニューヨーク・ニックス

Q1 Q2 Q3 Q4 END
Knicks (24-41) 28 24 19 16 87
Trail Blazers (39-26) 35 22 30 24 111
BOX SCORE

未来のための敗北

ニックスのファンはレギュラーシーズンの話をしません。話題は6月に行われるドラフトで誰を指名するのか、という会話だけです。どうやらケビン・ノックス(ケンタッキー大)が人気候補の模様ですが、個人的にはウェンデル・カーターJr.とのフィット感を感じます。

そしてニックスヘッドコーチジェフ・ホーナセックも勝利を放棄。プレイオフチームでは無いことを公に認め、ハイピック選手を求めタンキングモードへ移行しました。ニックスは2012-13から6年連続プレイオフ欠場が決定的です。

カーメロ・アンソニトレードで得られたのはエネス・カンター(2018PO)、2巡目選手(2018ドラフト)、エマニュエル・ムディエイ(22歳)。ニックスはバックコートをフランク・ニキリーナ(19歳)とムディエイで将来を見据えはじめましたがこれは危険です。

ムディエイは悪いディフェンダーであり未だに悪いショットを取り続けるているので、使い続けていれば敗北の一途をたどります。ニキリーナは今夜がキャリア初スターター。若さとサイズに恵まれているため、ニューヨーカーの期待の星。しかし全体8位としての存在感はありませんでした。

前回の対戦でも感じましたが、ケビン・デュラント(GSW)と幼馴染であるマイケル・ビーズリーのスゴさを再認識しました。
www.espn.com

一瞬のジャム、ジャブステップからきれいな放物線を描くミドルシュート、パスワーク。その動きはとても華麗で、なぜ今まで活躍してこなかったのか不思議に思えます。

世が世なら、彼はKDのような人生を歩んでいたのかもしれません。2人ともドラフト全体2位。こんなにも異なる人生を歩んでいる2人は、物語の対極にいる主人公のよう。ビーズリーは29歳。まだまだ、これから一発逆転劇狙えますね。

勝利に勝るものはない

リラードは過去、常に高い成績を残してきました。しかし、過去2年オールスターを逃した元"Snub-Player"は"過小評価されていることは小規模のチームにいるせい"という言葉が常に彼の周りを取り巻きました。

確かに彼はロサンゼルスやニューヨークのような大都市チームの選手ではありません。しかし大切なのはどこでではなくて何を成し遂げたのかだと思っています。加えて、スモールスクール出身のリラードは高い壁を登ることが好きです。本当にスゴイ選手は、嫌でも視界に入ってきますから。

数年前のステフィン・カリー(GSW)らを思い出せば、彼らは"外から撃つチームはチャンピオンにはなれない"と言われて続けていました。しかしその一般論を覆し頂点に立ち、当時否定した人々は嫌でも彼らを認めざるを得ないのです。

人々の視界に入れるのは、適切なコーチ適切なチームメイトの両方が揃って成り立ちます。リラードは過去2年フロントの過払いという失態の犠牲者となりました。"リラード&マッカラムだけの力に頼ったプレイオフ当落線上にいるチーム"これがブレイザーズに対する評価。

ユスフ・ヌルキッチの登場でブレイザーズは突如ディフェンシブなチームへと変貌するきっかけを得ました。同時にリラードとマッカラムの守備意識を高めるきっかけにもなりました。そして新たなベンチプレイヤーシャバズ・ネイピアーザック・コリンズパット・カナトンの台頭。

さらに勝つために"リラード&マッカラム以外の助けが必要"ということは承知の事実でした。今シーズン、ついに攻守で大きな援助を受けてリラードは新たなステージへの階段を登り始めています。

ベストプレイ エドデイビスのエッジブロッグ

シーズンハイ20本の3Pも決めました。



#66 3月9日(金) vs ゴールデンステイト・ウォリアーズ

Q1 Q2 Q3 Q4 END
Warriors (51-15) 27 25 31 25 108
Trail Blazers (40-26) 33 28 26 38 125
BOX SCORE


人手不足?

ウォリアーズはこの敗北に3つの言い訳をすることができます。

1. ステフィン・カリーアンドレ・イグダーラデイビッド・ウェストジョーダン・ベルパトリック・マッカウというベストプレイヤーとシックススマン、2人の主要なロールプレイヤー(RP)を失っているから。
2. 移動日なしのバック-トゥ-バックだから。

しかし、覚えているでしょうか。前回2月14日、上述のベルとマッカウ以外の3人が揃った極めて健康なウォリアーズブレイザーズは勝利しています。

そしてさらに覚えているでしょうか。2017年12月11日のPOR@GSW戦ではカリーとドレイモンド・グリーン無しでウォリアーズは快勝しています。オールスター2人を失っていてもボロ負けたブレイザーズの成長は明白です。

カリーが今シーズン出場しなかった試合(開始2分で退いたスパーズ戦を含む)で12勝5敗。ウォリアーズとしては悪い成績。また、カリーとデュラントが唯一同時に欠場したキングス戦ではまさかの敗北。ちなみにデュラントだけの欠場では6勝0敗(HOU含む)です。

結論として、この試合カリー以外の欠場4名の影響はほとんどありません。さらに、試合前では今後数試合カリー無しでもオールスター3名をスターターに擁しているため、デュラントは余裕を見せていました。

Game simplified without curry.─単純にカリーがいないというだけの試合だよ。

まさかの事態で始まった試合ですがブレイザーズに前半リードを許するも、3Qにはデュラントが攻撃の起点となり、グリーンが守備側で常に貢献し、トンプソンがロングシュートでスコアし、オールスター3人を最大限に利用して逆転に成功。

それから起こった出来事を思い出してください。彼らはなぜリードを広げられなかったのか?それには認めざるを得ない最後の理由で合点がいきます。

3. ブレイザーズが優れたチームだから。

連勝の要因

9連勝。そしてこの連勝を認めたくない人は5つの言い訳をすることができます。

1. タンクチームと3試合戦っているから。
2. カーメロ・アンソニーのいないサンダーが相手だったから。
3. 西11位のレイカーズジミー・バトラーのいないウルブズが相手だったから。
4. カリーと重要な3人のRPがいないウォリアーズが相手だったから。

確かに、真に厳しかった相手は2月14日の対ウォリアーズ、そして11連勝していたブレイク明けの対ジャズでした。しかし、そこで連勝したことによりブレイザーズは攻撃と防御に自信を得て前進していけたのです。

リラードのミラクルプレイに目がいきがちですが、今までのブレイザーズでは信じられないことにディフェンスで勝ってきています。DEFRtgはレイカーズ戦の表参照(6連勝中のものですが)。

Team 1-3Q点差 4Q FG - 得点 - TO数 (相手) 4Q FG - 得点 - TO数 (自分)
vs GSW 5点 10/21 .476 30点 4 9/23 .391 31点 0
at UTA 16点 8/23 .348 17点 3 10/22 .455 20点 1
at PHX -10点 7/17 .412 23点 3 14/27 .519 35点 1
vs SAC 8点 6/20 .300 19点 4 10/23 .435 28点 3
vs MIN 7点 8/22 .364 21点 4 8/20 .400 33点 1
vs OKC 8点 11/23 .478 25点 3 7/16 .438 25点 4
at LAL -7点 8/22 .364 23点 5 10/19 .529 35点 1
vs NYK 14点 6/21 .286 16点 2 8/21 .381 24点 6
vs GSW 4点 8/15 .533 25点 4 11/21 .524 38点 2

7試合は1-3Qリードし、4QスコアでリードされずTO数も少なくいけてることで粘り強く勝てていると思います。リラードのクラッチと周りの貢献がかみ合っている理想的なチームへと変貌しています。

さんざんブレイザーズのディフェンスはザルだのバックコートは防御できないからうんぬん...と言われ続けてきましたがリラードは今シーズン本当によく手を出すようになりました。スクリーンを追いかけていき後ろから触れてシューティングファウル...というダサいファウルは激減し、逆にボールをストリップさせるシーンが増えました。

苦しんできた時間を経て、今最高のシーズンを迎えています。

We're the real deal

試合を振り返ると、ウォリアーズのお株を奪うオフザボールの動きが冴え前半から3Pを量産。1Qでは圧倒的にリバウンドを制し試合を優位に進めました。

しかし、逆転され最大6点差つけられた3Q後半エバン・ターナーによる3バケット連続7得点、3ポゼッションでデュラント封じ。エドデイビスによる逆転のリバウンドカバー。そして最後にリラードが3本のフリースローを沈め、ウォリアーズの勢いを絶ちました。

4Qに入ってシャバズ・ネイピアーの4Pプレイを含む8得点、ザック・コリンズの3Pとビッグスティール&アシスト。マッカラムの2本連続3P、そしてもう1度デイビス
たくさんのハイライトが詰め込まれた試合。そして最も重要なのは、この試合リラードとマッカラムだけが活躍したわけではないということです。
MP FG% 3P% FT% ORB DRB TRB AST STL BLK TOV PF PTS
Jusuf Nurkic 20:49 .625 .000 4 7 11 1 0 0 3 2 10
Evan Turner 27:26 .455 .333 0 1 1 3 0 0 0 2 12
Ed Davis 26:16 .800 .667 7 8 15 4 1 1 1 1 10
Zach Collins 25:43 .833 .500 1.000 1 3 4 1 1 0 1 3 12
Shabazz Napier 16:09 .429 .333 .750 0 1 1 0 0 0 1 1 10

練習にも、映像分析にも集中して取り組めている。これまで集中できていなかったわけではないよ。ただ、集中レベルが違う。以前より熱が入った状態だね─byリラード

リラードが試合後に言った"Real Deal(本物のこと)"はウォリアーズに勝ったから、ではなくてチームに確かな力を感じているからこそ言える言葉です。しかし、この連勝の最大の要因はもちろん彼です。

5. デイミアン・リラードがすごすぎるから。10試合で354得点を記録しフランチャイズレコードを樹立、フリースロー試投数フランチャイズ3位浮上、総得点フランチャイズ4位浮上...そして、彼のファンが生まれていくのです。

ベストプレイ リベンジ

3Pシューティングファウルかと思われたファウルをパーソナルファウルととられた直後。



week22(40-26)のブレイザーズ

#67 3月12日(月) vs マイアミ・ヒート
昨年オールスターブレイク後に爆発した両チームの顔合わせ。9人の2桁得点者を擁するバランスのとれたチームで、プレイオフは当確。しかし、今勢いがあるチームではない。ウェイン・エリントンに3Pを決めさせないことが勝利の条件。

#68 3月15日(木) vs クリーブランド・キャバリアーズ
前回はアイザイア・トーマス(LAL)の復帰試合。トレードを経て"New Cavs"となった全く違うチームに。3Pを撃たせない守備が機能すれば勝機到来。

#69 3月17日(土) vs デトロイト・ピストンズ
前回ブレイク・グリフィンフィーバー中に敗北した相手。プレイオフレースにほぼ脱落したが、ドラフト権を持たないため負けても意味がないチーム。フロントコートvsバックコート対決となる中絶好調ジー・ブロックを確実に抑えたい。

#70 3月18日(日) at ロサンゼルス・クリッパーズ
レイオフレースライバルの1つで、勝ってタイブレーク勝利にしたい試合。オールスターブレイク後平均得点119.0点(リーグ1位)、FG50.3%(リーグ2位)の"超攻撃型"チーム相手にブレイザーズディフェンスの本領発揮成るか。