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#67【NBAドラフト2020】指名結果と感想

未聞のドラフトが行われた2020年11月18日。渦中に巻き込まれた選手たちの胸中を察する中、数年後最も波乱が起こると予想された今ドラフト。マーチマッドネスの不開催の影響は大きく、プロセスが例年通りにいかなかったため意外な指名というよりは安パイな指名が目立った印象でした。



アトランタ・ホークス 2019-20成績:20勝47敗 (26位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
6位 C オンヤケ・オコングウ USC '00.12.10 19.0pts, 8.6reb, 1.2stl, 2.7blk
50位 SG スカイラー・メイズ LSU '97.11.4 16.7pts, 5.0reb, 3.2ast, 1.8stl

補強とポイント:ゴール下とシューティング

地元ジョージア州のスター、アンソニー・エドワーズはベストフィットだったでしょう。クリント・カペラが到着したことでビッグマンの穴を対処したように見えたため、オコングウの指名はその穴を強化したことになりました。ルーキー契約中のコアたちは一見有望に見えますが、全体的に特筆した数字が無く攻守ともに穴だらけであることが否めません。

Off Rtg Def Rtg Opp 2nd Opp Paint REB% 3P%
107.0
(25)
114.4
(28)
15.0
(29)
53.6
(30)
48.4
(26)
33.3
(30)

オコングウのようなバム・アデバヨ型のビッグマンは今後の流行りになるでしょう。モバイルなアスレチックさを持ち、PNRないしトランジションでの爆発に期待できます。また、非常にいいディフェンダーでありスティールとブロックの両方を積み重ねます。ミスマッチにも対応できる汎用性はもちろんポジショニングに優れています。ただ外からのショットは無く、フィニッシャー以上の存在ではないようです。ジョン・コリンズを維持するならば、彼らは非常に良いフィットでしょう。

ドラフト採点:80点




ボストン・セルティックス 2019-20成績:48勝24敗 (5位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
14位 G/F アーロン・ニースミス バンダービルド '99.10.16 23.0pts, 3P52.2%, 4.9reb, 1.4stl
26位 PG ペイトン・プリチャード オレゴン '98.1.28 20.5pts, 4.3reb, 5.5ast, 1.5stl
47位 PG ヤム・マダール Hapoel '00.12.21 10.1pts, 2.4reb, 3.4ast, 1.0stl*1

補強とポイント:ベンチの強化

すでにリーグトップの総合力を誇るチームのため、大きな動きが無かったことは意外でした。ドリュー・ホリデーのためのトレードは完遂できずじまい。2019、2020と6つの1巡目を持っていただけに、大物補強のために使えたはずの資産だった大量ピックの使い道は蓋を開けてみれば消化不良に終わったと言わざるを得ません。

2019 2020
14 ロミオ・ラングフォード 14 アーロン・ニースミス
20 マティス・ザイブル 26 ペイトン・プリチャーズ
22 グラント・ウィリアムズ 30 デズモンド・ベイン

それぞれ14位になった19年のキングスと20年のグリズリーズ経由のピックはもっとハイになると予想されていたので、運が悪い結果だったと言わざるを得ません。トレードアップも噂されていた中、実行されなかったので期待外れに終わったドラフトとも言えます。

個人的にはニースミスは見れば見るほどアレン・クラブを思い出します。ディフェンスが悪く、疲労骨折持ちなので慢性的な怪我の心配もあります。しかし、ほとんどのショットがスリーになると思われる超級ピュアシューターであり数試合に渡ってFTを25本連続で決めたことも印象的です。ゴードン・ヘイワードが去った後の貴重なC&Sオプションになるでしょう。

プリチャードはカレッジで着実かつ堅実な経験を蓄積してきたハードワーカー。セルツはチームアシスト数(23.0/25位)が少なく、ケンバ・ウォーカーの膝問題もありポイントガードの層に不安を残しているためボールハンドラーとして存在感を見せてほしいところ。明確な役割を持つロールプレイヤーとして堅実な指名をしたと言えます。47位のマダールはイスラエル代表としてデニ・アブジャと共に活躍したPG。スピードにキレがあり、海外でさらに経験を積んだ数年後が楽しみな選手です。

ドラフト採点:75点




ブルックリン・ネッツ 2019-20成績:35勝37敗 (14位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
57位 F/C ジー・ペリー ミシシッピ州 '00.3.21 17.4pts, 10.1reb, 2.3ast, 1.2blk

補強とポイント:安価な貢献者

ネッツは19位権を保有していましたが三角トレードで主にランドリー・シャメットブルース・ブラウンに変換しました。おまけでついてきた57位のペリーは総合的に高い能力を持っていますが、プレイ態度に難色を示す未成熟な選手です。

ケビン・デュラントカイリー・アービングの統治下にある今、優先順位はロールプレイヤー>開発である必要があります。19'20中にアービングが要らない選手と要る選手をきっぱり分けるよう発言をしたことは話題の一つでした。彼のことですから、想定内の発言でしたけどね。

Nets Pistons Clippers
ランドリー・シャメット サディック・ベイ
(19位)
ルーク・ケナード
ジェイ・スクラブ(55位)
ブルース・ブラウン ジャナン・ムサ 2023 2RP (POR)
2024 2RP (DET)
ジー・ペリー
(57位)
ロドニー・マグルーダー 2025 2RP (DET)
2021 2RP (TOR) 2026 2RP (DET)

一部省略しましたが、この三角トレードで加入した2名(シャメット&ブラウン)は短期的な在籍になると思いますが即時の貢献が望めます。また、ネッツは20'21に向けて贅沢税ラインを大幅に超えるサラリーを計上しているため、特にシャメットのような安価なルーキー契約中の選手は貴重です。しかし現在のネッツはスターパワーがでかすぎるので、すぐにテセウスの船よろしく総入れ替えが起こるのではないかと思うほど不安定な状況にあります。

ドラフト採点:80点




シャーロット・ホーネッツ 2019-20成績:23勝42敗 (23位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
3位 PG ラメロ・ボール Illawarra Hawks '01.8.22 17.2pts, 7.8reb, 6.8ast, 1.5stl
32位 C バーノン・キャリーJr. デューク '01.2.25 17.8pts, 8.8reb, FG57.7%, 1.6blk
42位 C ニック・リチャーズ ケンタッキー '97.11.29 14.0pts, 7.8reb, FG64.2%, 2.1blk
56位 PG グラント・リラー チャールストン '97.2.8 21.9pts, 5.1reb, 3.9ast, FG49.9%

補強とポイント:フランチャイズの方向性を定める

デボンテ・グラアムマイルズ・ブリッジスPJ・ワシントンの3名は良くも悪くも有能なロールプレイヤーの域を出ないように感じます。そのため、それらに追加するのではなく明確なゲームチェンジャーを必要としているように感じます。抽選により5つ順位が繰り上がったホーネッツ。2017年から11,12,12位の指名が続いたのでようやく運が回ってきました。彼らにとっては再建の分岐点とも言えるドラフトになったと思います。

O Rtg TS% REB(D) D Rtg STL BLK
105.9
(28)
53.9
(29)
31.8
(29)
112.8
(25)
6.6
(26)
4.1
(25)

ホーネッツはリーグで最もオフェンス効率の悪いチームであり、ゴール下ディフェンスに難があります。なのでワイズマンの指名が最も理に適っていたように見えますが、今クラスでフランチャイズプレイヤーと呼べる存在に最も近いのはラメロだったと思います。ワイズマンは短期的に問題を解消しますが、長期的な目で見るとラメロである方が良いと思います。

お騒がせ3兄弟の末っ子であるラメロは常にサイズの優位性を持つビッグハンドラー。得点よりパスを出すことを好むように見えるので、純粋なポイントガードであるように思います。欠点として身体的な爆発性が無くリムで上手くフィニッシュできず、外からも入らないので得点効率の悪さが目立ちます。初見の印象では大きなリッキー・ルビオに見えました。

異なる環境下であるオーストラリアでのプレイが本来のものであったとは到底思えず、彼がクラスで2番目に若いということを忘れてはいけません。才能溢れるゲームフィーリングを数えることはできず、例によってカリスマ性を持つためホーネッツにとっては今後を左右していく重要な選手になることは間違いありません。

2巡目でエリートカレッジから出てくる2人の堅実なセンターと下馬評の高かったリラーの良指名です。キャリーJr.に関しては1巡目に値してもおかしくないほど多彩な能力を持つフレッシュマンなので、この位置での指名は儲けです。いわゆる未知な存在であるラメロ・ボールとホーネッツの行方は誰にとっても楽しみなはずです。

ドラフト採点:100点




シカゴ・ブルズ 2019-20成績:22勝43敗 (24位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
4位 F パトリック・ウィリアムズ フロリダ州 '01.8.6 9.2pts, 4.0reb, 1.0stl, 1.0stl
44位 C マルコ・シモノヴィッチ KK Mega '99.10.15 16.8pts, 8.0reb, 1.1stl, 1.2blk

補強とポイント:ツーウェイウィングと一貫性

ブルズはシーズンを通してコーチング問題と怪我に悩まされ続けていた印象が強かったです。ベテランは期待外れで、スターになると期待された選手も伸び悩み。ザック・ラヴィーン以外からの一貫した貢献を得られず、迷走中です。過去3年連続で7位=ブルズでしたが、運よく繰り上がったことでSF/PFに最大の穴を持つ彼らにとっては貴重なウィングを獲得できる格好の位置となりました。

パトリック・ウィリアムズは静かに静かにボードを駆け上がったライザー。国内トップの深さを誇るチームに属していたため出場時間が制限されていたものの、どんな役割もこなせる万能性を持っています。個人的には10位前後の指名が妥当であったと思っていましたが、4位まで上がったという事実は彼に対する期待の高さとウィングの価値が高騰していることを顕著に示しているなと思いました。

即戦力では無いのでオット・ポーターJr.の後ろから出て、ゆっくりと開発していくことが最適です。そういった点でジェイレン・ブラウンの1年目と似たようなシーズンをなぞり、彼のように発展していくことは理想と言えるでしょう。

ウィリアムズは現時点で特筆したスキルを持たず、SF/PFの中間に属しているツイーナーです。しかし彼がフロリダ州立で披露したスキルは才能の一部に過ぎず、特別な何かを隠し持っている可能性が大いにあります。それが彼の最大の魅力であり、高順位の投資に値する理由です。汎用性という点においては今ドラフト屈指。

安定したジャンプショットを持っており時たまオフハンドで正確なパスを出すハンドルセンスも光るため、オールラウンド能力を持つツーウェイウィングへと成長する基盤があります。また、個人の成績より勝利に貢献できるチームファーストの精神を持つハードワーカーです。ボールを持って主張するタイプでは無くロールプレイヤーで満足している節があるので、スター性は低いと言えますがブルズのウィング問題を解消する事案を一手に担うことになります。

ウィリアムズに対する疑問符はオンディフェンス時の腰の重さです。ハンドラーの前に留まることに難を示す瞬間があり、レーンを必要以上に飛び出しすぎるギャンブルの傾向もあります。ただ、コーチング可能な選手だと思うので良くも悪くもどのように成長していくかはチームの開発力にかかっているんだろうなと感じさせる選手です。44位のシモノヴィッチはストレッチ5センター。20'21シーズンは引き続きセルビアチームに在籍しているため契約するのは21'22以降になると思われますが、現在の成績はかなり良く見えます。

サディアス・ヤングを放棄すればオフに4800万ドルほどキャップが開けるブルズ。シーズン中の戦い次第でいくらでもマーキーフリーエージャントを引き付けられる市場にあるので、開発と同様に今シーズンの成績も非常に重要です。

ドラフト採点:85点




クリーブランド・キャバリアーズ 2019-20成績:19勝46敗 (28位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
5位 SF アイザック・オコロ オーバーン '01.1.26 12.9pts, 4.4reb, 2.0ast, FG51.4%

補強とポイント:万能ディフェンダーによる再建プロセスの加速

コリン・セクストンダリウス・ガーランドの実験を開始した19'20シーズン。2人はアンダーサイズ悪ディフェンダーであり、どちらもボールを必要とするので理論上一緒にプレイすると悪臭しか放ちません。しかし、そのコンビを継続し成功したいと思うならば3/4/5全員が質の良いツーウェイプレイヤーでなければ高いレベルで勝利に導くことは難しいでしょう。

彼らがエミュレートしているデイミアン・リラードCJ・マッカラムのコンビも永遠に同様の問題で彷徨い続けているので、PGサイズコンビとシームレスに合致するサポートキャストを配置するのはかなり難しいものだと分かります。

Def Rtg Steal Block Opp Off Tov Opp Paint
114.8
(30)
6.9
(25)
3.2
(30)
20.0
(30)
53.5
(29)

キャブスの課題は全てと言っても過言ではないほど多岐に渡りますが、最大の穴はディフェンス。内も外もリーグワーストであり、現在全面的に点を防ぐ方法がありません。5位指名のアイザック・オコロは今ドラフトクラスのベストウィングディフェンダーです。スティール/ブロック数は多くないものの、あまりにも堅実なチームディフェンダーでありパスレーンを飛び出すギャッブルをしません。

最後の最後まで粘るディフェンスが特徴で、大きな数字を挙げなくても勝利に貢献するグルーガイタイプでありアンセルフィッシュな勝者のバスケットをします。オフェンスリバウンド奪取率も高く意欲的。高レベルのオールラウンドディフェンダーとして現在のキャブスに必要な要素を初日から提供します。

オコロはセクストン&ガーランドを支持する守備能力と大丈夫以上のハンドルを持っていますが、シューティングが皆無です。それが赤旗となる大きな要素であり、オコロの低いFT%(67.2)と3P%(28.6)を考えると理想的なフィット感は感じられません。しかし、2020クラスのウィングは弱かったので5位で理想的ではないというのは酷な部分です。また、2021クラスのウィングは稀にみる強さなので20'21シーズンは再び敗北を繰り返しながらも様々な実験を行うには悪くないシーズンと言えます。

ドラフト採点:95点




ダラス・マーベリックス 2019-20成績:46勝27敗 (12位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
18位 G/F ジョシュ・グリーン アリゾナ '00.11.16 12.0pts, 4.6reb, 2.6ast, 1.5stl
31位 PG テイレル・テリー スタンフォード '00.9.28 14.6pts, 3.2ast, 3P40.8%, 1.4stl
36位 PF タイラー・ベイ コロラド '98.2.10 13.8pts, 9.0reb, 1.5stl, 1.2blk

補強とポイント:ウィングディフェンダー

ルカ・ドンチッチ時代に何度もリングに手が届くような構築を速やかに行っていきたいマブス。リーグ最強のオフェンスを誇っていますが、ウィングディフェンダー不足に悩まされています。18位のグリーンはディフェンスに秀でたウィング。SGサイズではあるものの、1-4までを守ることができる素早さとタフさを持っています。西の上位で戦っていくにはこの手の選手は必須です。

グリーンはオフェンスにおいて非要因であることが多く、アリゾナでは多くの場合スポットアップシューターとして起用されました。身体能力が高いダンカーのため、オフボールで彼をどう活かしていくかが楽しみです。また、セス・カリーと交換する形でジョシュ・リチャードソンも獲得。グリーンはリチャードソンと比較を描かれていたため、グリーンの開発プロセスは非常に快適になるでしょう。

Mavericks Sixers
ジョシュ・リチャードソン セス・カリー
タイラー・ベイ(36位)

31位のテリーは高いBBIQを持つことで注目集めたインテリプレイヤー。トレイ・ヤングを思い起こさせるようなシューティング能力を持ち、細身ながらどんな状況でも臆さないタフネスさがあります。36位のベイはツーウェイ契約からスタートするものの、高いディフェンス能力を持つ5ポジションディフェンダー。指名した3人を総合的に見て、補強すべき場所で非常にバランスが取れた適材適所な指名であったと思います。

ドラフト採点:90点




デンバー・ナゲッツ 2019-20成績:46勝27敗 (6位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
22位 F/C ジーク・ナジ アリゾナ '01.1.9 16.1pts, 8.6reb, FG57.0%, FT76.0%
24位 G RJ・ハンプトン NZ Breakers '01.2.7 9.6pts, 3.9reb, 2.5ast, 1.2stl

補強とポイント:シューターと長期計画

高い攻撃力と安定した守備力を持つエリートチーム。穴という穴は無く、総合的に見て西のセルティックスという印象を受けます。若いコアを持ちつつも潤沢な経験をここ数年間積み重ね、チャンピオンシップを視野に入れる土台がすでに出来上がっています。そのため、ドラフトでの狙いは補強というよりも潜在性に賭した指名の方が合っているでしょう。最もの理想はウィング指名だったと思いますが、20位台で獲得した2名はフレッシュマンクラスながらも未開拓な才能を秘めた逸材です。

ナジは情熱溢れるエネルギープレイヤー。常に全力で一生懸命プレイする姿が印象的で、ファン受け抜群間違いなし。リバウンド能力に優れ、セカンドチャンスをさらに多く生み出します。また、すでにストレッチ能力を示しており軽いフットワークも合わさってPNP/Rの両面で活躍します。弱点はディフェンスであり、PFになるほどの敏捷性が無くリムプロテクターでも無いため、ポジションの獲得に悩まされます。

ハンプトンはエリートハイスクールプレイヤーから一転、海外でのプレイが影響して評価の下がった異色の存在。ナゲッツは19'20シーズン前の段階で1巡目を保有していなかったものの、上手く資産を回収しました。また、ジェラミ・グラントを得るために1巡目をサンダーに送りましたが、再びハンプトンを得るためにサンダーに1巡目送ることになりました。

Nuggets Thunder
RJ・ハンプトン(24位) 2023 1RP (DEN)

彼の魅力はスピード。サイズ、ハンドル、スピードという要素からダンテ・エクザムやエマニュエル・ムディエイに見えなくもありません。同チームのマイケル・ポーターJr.と同様のポテンシャルを感じますが、より良いチームプレイヤーになるまでには時間を要するでしょう。定評のある開発力でどこまで伸びるか。一定の成績を残していけば、兼ねてより噂されているブラッドリー・ビールのような大物を釣る餌として使うこともできそうです。

ドラフト採点:90点




デトロイト・ピストンズ 2019-20成績:20勝46敗 (27位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
7位 PG キリアン・ヘイズ ratiopharm ulm '01.7.27 11.6pts, 5.4ast, FG48.2%, 1.5stl
16位 C アイザイア・スチュワート ワシントン '01.5.22 17.0pts, 8.8reb, FG57.0%, 2.1blk
19位 F サディック・ベイ ビラノバ '99.4.9 16.1pts, 4.7reb, 2.4ast, 3P45.1%
38位 SG サベン・リー バンダービルド '99.6.23 18.6pts, 3.5reb, 4.2ast, 1.5stl

補強とポイント:未来は僕等の手の中

アンドレ・ドラモンドは決してその手のプレイヤーでは無く、長年フランチャイズの土台となるプレイヤーがいなかったため中途半端な停滞が続いてきたピストンズ。1巡目で3人を獲得しルーク・ケナードも放出したため、一気に新しい感が増しました。セコウ・ドゥンブヤにこれらの選手を加えてどのような発展を遂げていくのか見ものです。

7位のヘイズは才能溢れるゲームフィーリングを持つカリスマ性雰囲気漂うスター候補。ドイツのチームに所属しており、ハイレベルのリーグで良い個人成績を残しました。所属チームの成績が悪かったため悪いチームの良い成績と見なす人もいたでしょう。

コンボガードでレフティのためジェームズ・ハーデンを模していると思われるプレイが随所に感じられます。ボールを持った時に最も効果的で、視野が広く様々な選択肢を持つ自然なオフェンスクリエイターです。一方でシューティングが不安定だったり、リムで接触を避けてワイルドにフィニッシュする傾向にあります。フルタイムのPGというよりはSG/SFにスライドできるような2次クリエイターという印象を受けます。

16位のスチュワートは非常に若い選手ですが、強力な仕事倫理を持っています。ラインバッカーのような肉体を持ち、最もチームがピンチな時に恐れずボールを要求し期待に応えてくれます。個人的にですが今ドラフトで最も無形資産に優れた選手だと思っています。彼の態度やゲームに対する真摯さは、かつてのブレイク・グリフィンを想起させるものがあります。

ゴール下主体の選手であり需要の低いセンターでタッパもありませんが、ジャンプショットはシーズンを通して改善し続けました。そのように良くなり続けることができる数少ない選手だと思うし、数年間は日の目を浴びなかったとしても必ずや花が咲くタイプでしょう。

ベイはSF/PFをこなすことができるサイズのあるウィング。過去のビラノバ出身者が堅実なロールプレイヤーとしてリーグに登場していることから、彼に対する期待値は高いです。NBAレベルで秀でている点はスリーポイント。45.1%という数字が示すように、警戒されている中でもシュートを沈めてきた確かなシューター。

ただ、FT%(76.9)が低く過去のシューティングナンバーも決して良いとは言えないため、それが本当に一貫したものであるか証明する必要があります。弱点はディフェンス。反応速度が悪く横方向のスピードも無いため、エースディフェンダーと呼ばれることはないでしょう。38位のリーは身体能力が高く得点センスが光る小さめのツーガード。非常にやる気に満ち溢れた精神力を感じます。

現在のチーム力は非常に低く向こう数年再び厳しい状況に置かれると思いますが、今後のドラフトで真のフランチャイズプレイヤーを見つける機会にも出会うでしょう。それまでは現在の若い選手を確実に育てていくことから始まります。

ドラフト採点:90点




ゴールテンステイト・ウォリアーズ 2019-20成績:15勝50敗 (30位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
2位 C ジェームズ・ワイズマン メンフィス '01.3.30 19.7pts, 10.7reb, FG76.9%, 3.0blk
46位 PG ニコ・マニオン アリゾナ '01.3.17 14.0pts, 2.5reb, 5.3ast, 1.2stl
51位 G/F ジャスティニアン・ジェサップ ボイシ州立 '98.5.23 16.0pts, 2.1ast, 3P39.7%, 3PA7.7

補強とポイント:底からの出発

ベテランの離脱と怪我もあり、早々に勝利することを放棄し見事計画通りにハイピックを獲得したウォリアーズ。噂されていたアンソニー・エドワーズやタイリース・ハリバートンではなく、彼らが避けていると目されていたワイズマンの指名は意外でした。現在のチームを踏襲するならばピッタリです。しかし、ウォリアーズも少しづつ未来に移行しているのので柔軟性の低いセンターをどこまで生かせるかに注目したいところです。

ワイズマンは古典的なビッグマン。画面から飛び出すような体躯から強力なフィニッシャーとして絶対的な存在感があり、超級のロブターゲットとしてリーグで最も高いFG%を簡単に残すでしょう。また、比較的敏捷性があるため広い範囲をカバーできる足があります。ポジショニングも非常に良く、ゴール下で簡単に得点を許さないような威圧感があります。スリーポイントの範囲は持ちませんが、ミドルショットが安定しているため選択肢になります。

メンフィスでのマネースキャンダルを含んだ一連の問題もあり、ほぼ1シーズンを休んだたため多くの疑問符をつけられてもしょうがない状況にあります。ガンガン自ら攻撃するというよりは受動的なタイプのようにも見えます。また、古典的センターの役割縮小傾向は否めずウォリアーズではドレイモンド・グリーンと共存するという点で、どのように発展していくのか想像がつきません。

46位のマニオンはトップリクルーターであったにも関わらず評価が暴落しました。BBIQやパス能力が非常に高いと感じさせますが、ゲームに一貫性が無くアリゾナリードボーカルを全うすることができず身体能力の低さやサイズ不足も相まって利点をアピールすることに失敗しました。51位のジェサップはウィングシューター。ダンカン・ロビンソンのような選手の活躍を見ていると、侮れない存在だなと思います。

ウォリアーズは従来の選手たちにワイズマンを加えて再出発するはずでしたが、クレイ・トンプソンのアキレスに不運なことが起きたため当初の期待されたようなシーズンにはならないでしょう。そのため、ワイズマンのような近々の選手たちの成長と活躍が大事になってきます。

ドラフト採点:85点




ヒューストン・ロケッツ 2019-20成績 44勝28敗 (8位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
52位 F KJ・マーティン IMGアカデミー '01.1.6 19.6pts, 8.3reb, 1.5stl, 1.1blk

補強とポイント:転換期

激動の2020オフを過ごしたロケッツ。ドラフト後にはラッセル・ウェストブルックジョン・ウォールのトレードも成立し、一気に何かが変わる気配が漂っています。ジェームズ・ハーデンのトレードリクエストもホットな話題であり、1つの時代の終焉を予感させています。

Rockets Pistons
クリスチャン・ウッド
(S&T)
アイザイア・スチュワート
(16位)
2021 1RP (DET) トレバー・アリーザ
2021 2RP (LAL) 2027 2RP (HOU)

52位のマーティンはケニヨン・マーティンの息子でハイスクールから入ってくる未知の選手。ロバート・コビントンのトレードで得た16位権を行使することもできましたが、2021以降に繰り越して未来のピックをため込みました。同時にクリスチャン・ウッドに変換されたことを考えれば、上手く資産を運用したと言えます。

今後どのような状況になるか分かりませんが、近年のロケッツはドラフトで選手を指名するということをほとんどしてこなかった印象が強いのですが、GMやHCが変更されたことで体制が大きく変化していくことは間違いありません。

ドラフト採点:80点




インディアナ・ペイサーズ 2019-20成績:45勝28敗 (7位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
54位 G/F カシアス・スタンリー デューク '99.8.18 12.6pts, 4.9reb, FG47.4%, 0.7blk

補強とポイント:第2層からの脱却

マルコム・ブログドンのトレードで1巡目権を失っていたペイサーズビクター・オラディポを取り巻く不穏な噂が巻き起こった中、動き無く終わりました。ロスターにはロールプレイヤーがぎっしり詰まっているので、ドラフトでの補強はそこまで重要ではありません。

54位のスタンリーは身体能力が武器のウィング。デリック・ジョーンズJr.タイプの選手になる可能性も秘めているので、この指名は位置に比べ儲けです。東上層チームと比較した際にスターパワーで不利なペイサーズ平凡な強さを脱却するには、もう一皮むけた選手の存在が必要になります。

ドラフト採点:80点




ロサンゼルス・クリッパーズ 2019-20成績:49勝23敗 (4位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
33位 C ダニエル・オツル ミネソタ '99.9.20 20.1pts, 11.3reb, FG56.3%, 2.5blk
55位 G/F ジェイ・スクラブ JUCO '00.9.2 21.9pts, 6.8reb, 2.7ast, 1.5stl

補強とポイント:勝負の年

ナゲッツに敗れたことにより、新シーズンに向けてピリついた空気が漂うクリッパーズ。ドラフトを介してルーク・ケナードランドリー・シャメットトレードオフし、ベンチからの安定した供給を確保しました。しかし、スターコンビによる一蓮托生のチームであるため特に誰が入ってきても針を動かす気配を感じません。

33位のオツルはソフォモアシーズンでブレイクアウトしたオフェンシブビッグマン。やはりビッグマン層に不安を持つクリッパーズにとって、ロスターを埋めるには適した選手です。55位のスクラブはNCAAではなく訳あってJUCOから入ってきた異色の選手。層の厚いクリッパーズでどのように時間を得ていくのかは分かりません。

ドラフト採点:75点




ロサンゼルス・レイカーズ 2019-20成績:52勝19敗 (3位)

獲得者無し

補強とポイント:継続

すでにチャンピオンシップを獲得した彼らにドラフトで加入してくる選手は必要ありません。PGのグレードアップを目指していたため、保有していた28位権をデニス・シュルーダーに変換。ドラフトは戦力の補強手段に過ぎません。

Lakers Thunder
デニス・シュルーダー ダニー・グリーン
ジェイデン・マクダニエルズ(28位)

28位で4年間安価な管理ができる選手を指名するというのも1つの手かなと思いましたが、毎年毎年高い競争力を維持するには先手必勝の取引の方が重要ですね。

ドラフト採点:指名無し




メンフィス・グリズリーズ 2019-20成績:34勝39敗 (16位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
30位 G/F デモズンド・ベイン TCU '98.6.25 16.6pts, 6.3reb, 3.9ast, 3P44.2%
35位 C ザビエル・ティリマン ミシガン州 '99.1.12 13.7pts, 10.3reb, 3.0ast, 2.1blk

補強とポイント:シューティングウィング

昨年運よく2位に上がったことで再建プロセスが加速し、すでにプレイオフを狙える位置にいるグリズ。すでにコアは形成されているため、後は経験と追加を繰り返して行くことになります。オフェンスの弱点はシューティング。現ロスターは非シューターが多く、ジャ・モラントのスピードを最大に生かすにはシューターの存在は必須です。

3P% Opp 3P% Opp Off Tov Opp 2nd Opp FB
34.7
(23)
36.5
(24)
17.9
(26)
13.6
(24)
13.9
(22)

ターンオーバーによる失点も多く、余計な点を与えないようなチームディフェンスの意識向上も必要です。30位のベインはすでにロールプレイヤーとしての風格漂うシニア。カレッジを通して高い3P%(43.3)を残し、開発の必要のない完成された3&Dとしてチームに汎用性を与えます。ただ、大きな弱点としてサイズに乏しくシューティングが生命線のため、多くの選手と同じくスリーポイントラインに生きることになるでしょう。

35位のティリマンは子連れルーキー。2019年のマーチマッドネスでザイオン・ウィリアムソンと渡り合ったことで彼の存在と守備力は一躍有名になりました。エリートプログラムから出てくるビッグマンで、ハイポストからのオフェンスクリエイターとして存在感があります。堅実なロールプレイヤーとして重宝するでしょう。

グリズは近々の指名で当たりを引いているため、今回も賢く立ち回った印象があります。セルツから30位を上手く盗み、指名した2名は堅実で良指名。水面下で着々とチーム力をつけはじめています。

ドラフト採点:85点




マイアミ・ヒート 2019-20成績:44勝29敗 (9位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
20位 F/C プレシャス・アチウワ メンフィス '99.9.19 15.8pts, 10.8reb, 1.1stl, 1.9blk

補強とポイント:コスト管理

絶妙なバランスでファイナルまで進出し、勢いに乗っているヒート。ドラフト組のタイラー・ヒーロバム・アデバヨが大ヒットし総合的なチーム力に磨きがかかりました。それぞれの役割が明確に分かれており、弱点と言える弱点が存在しません。

20位のアチウワはポジションレスディフェンダー。とにかくモーターが高くて一生懸命にプレイします。最も優れているのはリバウンドであり、敏捷性が高いため容易くスイッチが効きます。弱点はシューティング。FT%(59.9)が絶望的に低くフォームも不安定で、修正するには多大な時間がかかりそうです。そのため、スモールボール5として輝く場面が多くあるでしょう。しかし、間違ってもウィングとしては機能しません。

アチウワは高フロア低天井と見なすべきですが、サイズと身体的な強みがあるため一定の役割を得ることができます。ヒートはキャップが開くため2021オフに焦点を当てています。それがどのように動くかは想像の域を出ませんが、現在は追い風が吹いているようです。

ドラフト採点:80点




ミルウォーキー・バックス 2019-20成績:56勝17敗 (1位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
45位 PF ジョーダン・ウォラ ルイビル '98.9.9 18.0pts, 7.7reb, 3P40.2%, FT81.2%
60位 SG サム・メリル ユタ州 '96.5.16 19.7pts, 3.9ast, 41.0%, FT89.3%

補強とポイント:安価なシューター

ヤニス・アデトクンボの去就次第でリーグのパワーバランスが一変することは周知の事実。バックスは24位に加えた4つの1巡目でドリュー・ホリデーの獲得に成功。動向次第で諸刃の剣と化すトレードと言えますが、リングを狙うための最大のチャンスが到来したようです。

Bucks Pelicans
ドリュー・ホリデー エリック・ブレッドソー
2024 1st (swap)
2025 1st (MIL)
2026 1st (swap)
2027 1st (MIL)

45位のウォラはストレッチ4。国内トップチームのエーススコアラーとして活躍したものの、大事な場面でしばしば消える消極性が目立ちました。信頼性の高いシューティングを持っているため活躍する機会は多そうです。60位のメリルはドラフト最下位指名ながらも保証契約を得た珍しい選手。やはり彼もカレッジシューターであり、いかにフロアを広げる存在になるかがすべてを握ります。

ドラフト採点:70点




ミネソタ・ティンバーウルブズ 2019-20成績:19勝45敗 (29位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
1位 SG アンソニー・エドワーズ ジョージア '01.8.5 19.1pts, 5.2reb, 2.8ast, 1.3stl
23位 G/F レアンドロ・ボルマロ FC Barcelona '00.9.11 8.0pts, 1.6reb, 2.5ast, 1.2stl*2
28位 F ジェイデン・マクダニエルズ ワシントン '00.9.29 13.0pts, 5.8reb, 2.1ast, 1.4blk

補強とポイント:有能ウィング

コンセンサス1位が存在しないクラスで引き当てたウルブズ。カール=アンソニー・タウンズミネソタに留めておくために最善を尽くさなければならない状況にあります。フォワードポジションに絶対的な穴がありますが、運悪くそのポジションでトップ選手がいませんでした。1位を獲れど不安が残るドラフトにもなりました。また、トレードで出戻りとなったリッキー・ルビオを得ました。17位をトレードダウンし、2名のフォワードに変換。積極的な動きを見せました。

Timberwolves Thunder Knicks
リッキー・ルビオ アレクセイ・ポクセフスキー
(17位)
イマニュエル・クイックリー
(25位)
レアンドロ・ボルマロ
(23位)
ジェームズ・ジョンソン
ジェイデン・マクダニエルズ
(28位)
2024 2RP (MIN) 2023 2RP (DET)

エドワーズは高い得点力を持つ超級のスコアラー。地元のジョージア大を選択したため、総合力に劣るチームで重い負荷を背負ったため強烈なマークを受けてFG%が伸び悩みました。3レベルのスコアラーでどこからでも自由に得点する能力があり、NBAでも容易に平均20得点を記録するでしょう。しかし、ショット選択が悪いアンドリュー・ウィギンス臭が漂っており非効率大容量ボリュームスコアラーになってしまう危険性を感じます。

おそらくツーウェイと呼べる守備力を持っていると思いますが、守備側に力を入れている様子は見られませんでした。ウルブズではディフェンスをプレイする必要があり、SFとして起用される機会も多くあるでしょう。タウンズとディアンジェロラッセとボールを共有しウィングディフェンダーとして、どこまで進化できるか楽しみです。

23位のボルマロは真のウィングハンドラー。PNRハンドラーとしてボールを持った際に最も力を発揮します。オンディフェンダーとして優秀であり、ある程度の汎用性をもたらします。反面シューティングに難があり、ボールを持っていないときにオフェンスに貢献する方法がありません。バルセロナに数年間滞在するとされているため、さらに高いレベルで経験を積ませてから契約することが可能になります。数年後に登場する隠し玉と言えます。

28位のマクダニエルズはサイズに優れたスコアラー。プレミアサイズでガードスキルを持っているため需要の高い能力に恵まれています。一流の素材を持っていますが、ハイライトになりそうなアイソプレイを好み結果として入らないショットを多く放つため、勝利に影響するプレイをしません。また、劣悪なファウルを何度か犯し成熟性が問題視されています。上手くいかないと不機嫌になることも多く、ベンチに下げられたこともありました。

弱いクラスと言われている2020で1位を得たことは運が良いのか悪いのか……エドワーズがどこまでフィットできるかを模索するシーズンになるでしょう。2021のドラフト権がウォリアーズに渡っていることを考えれば、どんなことがあっても勝ち続けなければならないシーズンになります。

ドラフト採点:90点




ニューオーリンズペリカンズ 2019-20成績:30勝42敗 (21位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
13位 PG キラ・ルイスJr. アラバマ '01.4.6 18.5pts, 4.8reb, 5.2ast, 1.8stl

補強とポイント:ハンドラーorウィングディフェンダー

負傷や一貫性に苦しんだシーズンになりましたが、リーグで最も有望なフォワードコンビを持ち希望しかないペリズ。リーグトップクラスのオフェンス力を持つも、ディフェンスに不安が残るシーズンになりました。ドリュー・ホリデーを正式にトレードしたことにより、完全なニューチームに変貌しました。ウィングやビッグマンとマッチアップすることができるディフェンダーがいないため、それをいかにして確保するかが今後の課題です。

D Rtg Opp Off Tov Opp 2nd Opp FB Opp Paint
111.8
(21)
19.6
(29)
13.6
(26)
15.4
(28)
52.2
(28)

13位のルイスJr.は電光石火のハンドルが持ち味でディアーロン・フォックスタイプのスピードスター。ドライブスピードが速く、リムへのフィニッシュも良いです。もちろんメインハンドラーとしてのビジョンも備えており、非常に良いツーウェイPGとなる要素を持ち合わせています。トランジションでガンガン得点していくことに長けているので、速いペース(リーグ4位)でプレイするペリズとの相性は良いです。

シューティングに不安があり、ターンオーバーしやすい傾向があります。身体が非常に薄いため、バルクアップにまだまだ時間を要します。しかし、アラバマでの2年間で一貫したプレイをし続けていたので、簡単にバックアップ以上の存在になるでしょう。アラバマのチーム成績が悪かったため全国的な注目を浴びませんでしたが、もっと高い順位でも良かったと思えるほどいい選手。13位ながらも盗んだ指名をしたと思います。

ドラフト採点:90点




ニューヨーク・ニックス 2019-20成績:21勝45敗 (25位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
8位 F/C オビ・トッピン デイトン '98.3.4 20.0pts, 7.5reb, 2.2ast, FG63.3%
25位 SG イマニュエル・クイックリー ケンタッキー '99.6.17 16.1pts, 4.2reb, 3P42.8%, FT92.3%

補強とポイント:スター誘致のためのアピール可能な才能

まだまだドラフトストックをため込む必要があるニックス。競争力を高める必要と同時に才能が集まっている2021クラスでのトップピックを見据えている感もあります。総合力はリーグワーストクラスのため、相当なゲームチェンジャーが加入しない限り大きな変化があるとは思えません。変則契約によってその場しのぎのシーズンは後どれくらい続くのでしょうか。

8位のトッピンはニューヨーク出身。最年長クラスの1人で、完成された能力を持つオフェンシブビッグマン。ソフォモアシーズンで107/115本のダンクを決めたあまりにも優秀なダンカー。サイズに対しかなり優秀なハンドルと敏捷性を持っていて、オールラウンドに得点できる真のスコアリングビッグマン。高難度のスリーポイントを決めることができる確かなシューティング能力があります。ラマーカス・オルドリッジを彷彿とさせるオフェンスの才能を感じます。

弱点は守備。特にゴール下の反応が遅すぎるというビッグマンとして致命的とも言える欠点があります。カレッジレベルですら反応できていないことを考えれば、NBAでゴール下を任せることはほぼ不可能だと思われます。敏捷性はありますが、それが守備側で生かされることは少なくハンドラーに簡単に突破を許します。それらの守備的欠陥が簡単に修正できるとは思えないため、すでに守備に不安を抱えているニックスとの相性は決して良くありません。

25位のクイックリーは高いFT%に裏打ちされたスリーポイントシューター。PGをこなせずにフレッシュマンで伸び悩んだものの、ソフォモアでSG/SFとしてプレイし大成功を収めました。同様のスタイルをNBAでもこなすことができれば、彼の契約は大きな盗みとなります。ニックスの迷走はまだまだ続きそうですが、とりあえず彼らが礎石となりえるか実験するシーズンになります。

ドラフト採点:85点




オクラホマシティ・サンダー 2019-20成績:44勝28敗 (10位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
17位 PF アレクセイ・ポクセフスキー Olympiacos B 01.12.26 9.9pts, 7.3reb, 2.8ast, 1.7blk
34位 PG テオ・マレドン ASVEL '01.6.12 7.3pts, 1.9reb, 2.7ast, 0.5stl
37位 G/F ヴィト・クレイチ Zaragoza '00.6.19 3.2pts, 1.2reb, 0.7ast, FG55.4%

補強とポイント:タレントのストック

ドラフトやトレードを経て大幅にチームが変化したため、19'20シーズンと20'21シーズンは切り離して考えてもいいでしょう。さらに、ティーブン・アダムズを放出したことによりサンダーは完全に1つの時代の終焉を迎えました。しかし、たくさんのドラフトピックを保有しているため未来は明るいです。

その中で指名したポクセフスキーはクラス最年少ユニコーン型ビッグマン。7フッターながらもガードスキルを持ち、希少なサイズとも合わさって潜在性はピカイチ。解き放つには時間が必要ですが、そのための時間を十二分に持っているサンダーにとってこの上ない選手を指名したと言えます。

34位のマレドンは高いBBIQが光るフレンチマン。すでにユーロリーグでローテーションプレイヤーとしてプレイしているため、ティーンながらも経験は豊富です。特に秀でた能力は感じませんが、経験積めば確実に良い選手になると思える雰囲気があります。37位のクレイチはチェコ出身のウィング。スペインのチームに所属していますが、出場は皆無でありNBAにやってくるまでに時間を要します。

即戦力は必要なく、可能性のある選手を確保して伸ばすことに専念できるサンダー。リーグの底に潜伏しつつも、賢いフロントがどのような作戦をとってくるかは非常に見ものです

ドラフト採点:85点




オーランド・マジック 2019-20成績:33勝40敗 (18位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
15位 PG コール・アンソニー UNC '00.5.15 18.5pts, 5.7reb, 4.0ast, 1.3stl

補強とポイント:エリートシューター

背の高いラインナップを持つマジック。サイズやウィングスパンに固執しているためトップクラスの守備力を持っているものの、非効率なオフェンスに苦しみ続けているためオフェンシブなハンドラーを必死に必要としています。アーロン・ゴードンを交えたトレードは結局行われず、第1ラウンドを突破するための明確な道筋は見えていません。

FG% 2P% 3P%
44.4%
(27)
34.3%
(25)
50.2%
(27)

15位のアンソニーはプレドラフトで多くの1位予想を集めたエリートハイスクールプレイヤー。19'20のノースカロライナは過去最低と言えるシーズンを過ごしました。チームメイトの能力に恵まれなかったこともあり、アンソニーのワンマンチームのように見えました。敵のマークもきつく思うような成績を残せずに評価は急下落。怪我もあり、踏んだり蹴ったりなシーズンを送りましたが秘めている才能は底知れません。

時に怠惰に見えますが、試合に対する情熱は誰よりも熱いように思います。マジックが従来指名してきたサイズとウィングスパンに優れた選手ではありませんが、両者にとって最も良い位置に着地したと思います。チュマ・オケケと契約に1年のギャップがあり、事実上2名の加入になるためガードの指名は必然だったと言えます。

ドラフト採点:90点




フィラデルフィア・セブンティシクサーズ 2019-20成績:43勝30敗 (13位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
21位 G タイリース・マキシー ケンタッキー '00.11.4 14.0pts, 4.3reb, 3.2ast, 0.9stl
49位 SG アイザイア・ジョー アーカンソー '99.7.2 16.9pts, 4.1reb, 3PA10.6, FT89.0%
58位 F/C ポール・リード デポール '99.6.14 15.1pts, 10.7reb, 1.9stl, 2.6blk

補強とポイント:安価なシューター

期待と裏腹なシーズンを過ごしプロセスに暗雲が漂ってきているシクサーズアル・ホーフォードをダンプしただけでなくダニー・グリーンを得たり、カリーを獲得しスマートな動きを見せました。サラリーがガッチガチなため柔軟性はありませんが、ドラフトはコスト管理可能な選手を見つける最大のチャンスです。

21位のマシキーは下馬評の高かったコンボガード。多彩な得点方法を持っているためマイクロウェーブスコアラーとして期待できます。プレッシャーの下で強気にプレイできる強さがあり、高い潜在能力を持っていることを感じさせます。ただシクサーズが必要とするシューターでは無く効率的な選手ではありません。平均以上のディフェンス能力があり、ツーウェイのポテンシャルがあります。

49位のジョーはシューティングのためだけに契約を勝ち取ったシューター。ソフォモアシーズン全体で放ったショットの内76%を3Pアテンプトに費やし、シュートを必要とするチームにとってこの上ない存在となります。58位のリードは守備に優れたビッグマン。もっと高い順位で指名されると予想していたため、この位置は意外でした。1巡目も2巡目もチームにフィットするような適切な選手を指名したと思います。

ドラフト採点:85点




フェニックス・サンズ 2019-20成績:34勝39敗 (17位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
10位 C ジェイレン・スミス メリーランド '00.3.16 15.5pts, 10.5reb, FG53.8%, 2.4blk

補強とポイント:パワーフォワード

バブルで無敗をマークし新シーズンに向けて勢いに乗ったサンズ。長年ポイントガード問題で迷走しましたが、4チームのトレードを介しクリス・ポールで念願の選手を獲得。ケリー・ウーブレイJr.を放出したことでミカル・ブリッジスの可能性が解き放たれることが非常に楽しみです。オフェンスとディフェンスのバランスは過去最高とも言え、ようやく役者が出揃ったように見えプレイオフに向けて舵を切りました。

Suns Thunder
クリス・ポール タイ・ジェローム
アブデル・ネイダー 2022 1RP (PHX)

10位のスミスはストレッチ能力を持つディフェンシブビッグマン。強い仕事倫理を持ち勝利に貢献する有能な選手。純粋なパワーフォワードではありませんがディアンドレ・エイトンと共存可能でしょう。スリーポイントはシーズンを追うごとに良くなっており、カレッジでは重要な局面でスリーを放つこともあったためシューティングの信頼性は高いです。最大の強みは守備。特にショットブロッカーとして優れており、ゴール下に大きな存在感があります。

オフェンス能力に乏しく、ボールを持って得点する機会はほとんどありません。シューティングができなければオフェンスで役に立つ機会に恵まれないでしょう。オフェンススキルの開発が必須ですが、年々良くなり続ける堅実なロールプレイヤーに育ってくれるでしょう。サンズは希少なウィングであるデビン・ヴァッセルを指名するという手もありましたが、スミスを指名したことはある種の賭けです。起用法次第で大きく化ける万能性があるため、コーチングの腕が試されます。

ドラフト採点:85点




ポートランド・トレイルブレイザーズ 2019-20成績:35勝39敗 (15位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
46位 SF CJ・エレビー ワシントン州 '00.6.16 18.4pts, 7.8reb, 1.8stl, FT82.3%

補強とポイント:ディフェンスの改善

ロスター構築の誤りと負傷が重なり散々なシーズンを過ごしたにもかかわらず、滑り込みでプレイオフ進出を果たしたブレイザーズ。19年オフにウィングディフェンダーを一気に失いリーグワーストの守備成績を残し守備に大きな欠陥を抱えていることはあまりにも明白でした。

D Rtg STL Opp 2nd Opp FB
114.3
(28)
6.3
(28)
15.5
(30)
14.8
(24)

コスト管理可能な16位権を有していましたが、21年1巡目を加えてロバート・コビントンを獲得したため一時的に穴を埋めることに成功しました。過払いにも見えるようですが、ブレイザーズとのフィットを鑑みればお釣りが来るほど安いなと個人的には思いました。

Trail Blazers Rockets
ロバート・コビントン 2021 1RP (DET)
2021 1RP (POR)

46位のエレビーはカレッジで負荷を背負ったスコアリングウィング。総合的に秀でた点はありませんが攻守にポテンシャルがあります。16位と20位台になるであろう1巡目を組み合わせて彼らが切望していたウィングを獲得したと考えれば、理にかなったトレードをしたと思います。近年のドラフトでは静かな動きしかしていませんでしたが、ついに勝負に出た動きを見せました。

ドラフト採点:80点




サクラメント・キングス 2019-20成績:31勝41敗 (20位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
12位 G タイリース・ハリバートン アイオワ州 '00.2.29 15.2pts, 5.9reb, 6.5ast, 2.5stl
40位 F ロバート・ウッダード II ミシシッピ州 '99.9.22 11.4pts, 6.5reb, 1.1stl, 1.0blk
43位 SG ジャマイアス・ラムジー テキサス工科 '01.6.9 15.0pts, 4.0reb, 2.2ast, 3P42.6%

補強とポイント:フォワード層の強化

レイオフの希望から一転して不穏な空気が漂っているキングス。未来は決して明るいとは言えず、バディ・ヒールドマービン・バーグリーのようなコアというべき選手が期待を裏切るシーズンになりました。ディアーロン・フォックスを不幸にしないためには彼らのような選手の活躍が必須になりますが、弱点であるウィングの確保も急務です。

12位のハリバートンは今クラスのジョーカー的存在。個性的なスキルセットを持っており、派手で奇抜なプレイスタイルが目を惹きます。超エリートパサーであり、A/TO比率で過去最高レートをマーク。敵の死角から正確無比なパスを投げることができる視野とハンドルを持っているため、ボールを持っているときに最も効果的です。ヘンテコでスローなシューティングフォームをしており、高い成功率を残しましたが信頼性が持てません。また、多くの試合で40分のフル出場をするほど無尽蔵のスタミナがあります。

ドラフト前は高い評価を受けており、TOP5の予想もされていた高素材でありポジションレスバスケットボールにおいて貴重なサイズと能力を掛け合わせたハイブリットさが魅力。しかし、ボールを持っていないときに効果的であることを証明できておらず得点よりもパスの比重が多い傾向にあります。決してスコアラーとは言えずアイソになると途端に非効率的になります。素晴らしいオフボールディフェンダーですが、かなり瘦せているためNBAレベルでの競争に不安を残します。

40位のウッダードは汎用性が強みのウィング。派手なダンカーであり見た感じキングゴンクのようにも見えます。オフボールで活きる能力を持っており、ディフェンダーとしての成長も期待できるためキングスと相性が良い能力に恵まれています。43位のラムジーは自信を感じさせるシューター。ロールプレイというよりはヒーローボールに走る傾向があり、まずはロールプレイヤーとしてのプレイを学ぶ必要があるでしょう。

非常に評価が高かったハリバートンを12位で獲得できたことは今ドラフト最大の儲けの1つです。ドラフトプロセスの短縮の影響が伺えますが、キングスにとってラッキーだったことは間違いありません。2巡目組は開発次第で活躍できる能力を持ついい素材。キングスに開発の実績が無いことは懸念事項ですが、喜んで投資できる選手を指名したと思います。

ドラフト採点:95点




サンアントニオ・スパーズ 2019-20成績:32勝39敗 (19位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
11位 SF デビン・ヴァッセル フロリダ州 '00.8.23 12.7pts, 5.6reb, 1.4stl, 1.0blk
41位 PG トレ・ジョーンズ デューク '00.1.8 16.2pts, 4.2reb, 6.4ast, 1.8stl

補強とポイント:ネクストコア

1997年のティム・ダンカン以来23年ぶりのロッタリー指名権を得たスパーズ。その常勝の歴史には感服するばかりですが、同時にチームに大きな転換期が来てることも示しています。もちろん今回の指名も重要ですが、ベテランを一掃する2021年からが真のスタートという感があります。ロスターにガードが多くSF/PFに絶対的な穴があるため、11位ではウィングを指名する必要性がありました。

11位のヴァッセルの成績自体は平凡に見えますが、優秀すぎるチームファーストプレイヤー。国内で最も層の厚いチームでプレイし、ロールプレイヤーとして勝利に貢献し続けました。ボックススコアに残らないプレイを多く行い、広範囲をカバーできる連携を重視したチームディフェンスの要と言える存在です。クラッチスリーポイントを沈めており、正にツーウェイプレイヤーとして多くのチェック項目を満たす有能な選手です。

3&Dとして重宝する素材ですがロールプレイヤーの域を出ないでしょう。良いサイズを持っていますが4を守れるほどの強さと長さはありません。ボール持っているときにミドルショットを好み、リムでのフィニッシュを避ける傾向にあります。単なる3&D以上になる可能性も秘めていますが、スパーズの開発実績を考えれば先行きは明るいです。

41位のジョーンズはフロアゼネラルとしての安定感溢れるいぶし銀。ノースカロライナ戦で見せた漫画のようなプレイが忘れられません。理想的なバックアップPGのように見えますが、シューティングの悪さが尾を引きます。避け続けてきた再建の道に足を踏み入れ始めたスパーズ。今回の指名はその第一歩であり、それに適した選手を獲得したと思います。

ドラフト採点:90点




トロント・ラプターズ 2019-20成績:53勝19敗 (2位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
29位 PG マラカイ・フリン サンディエゴ州立 '98.5.10 17.6pts, 4.5reb, 5.1ast, 1.8stl
59位 G ジェイレン・ハリス ネバダ '99.8.14 21.7pts, 6.5reb, 3.9ast, 1.1stl

補強とポイント:スリーパーを狙え

毎年掘り出し物を見つけるのが非常に上手く、戦略に長けている印象が強いです。20位台でパスカル・シアカム(27位)、OG・アヌノビー(23位)ら高レベルのツーウェイプレイヤーをその位置で獲得した先見性は見事。シアカムはプレイオフで散々でしたが、それも一皮剝けるために必要な経験に過ぎません。追加すべき明確なポジションはありませんが、即貢献可能でベンチを厚くしてくれる選手は相性がいいでしょう。

29位のフリンはカレッジで破竹の26連勝を達成し計30勝2敗に導いた立役者。プレイは非常に洗練されており強い決意を感じます。勝利に貢献するためならば何でもするタイプであり、ラプターズ向きな選手であると感じます。重要なポゼッションで力を発揮するクラッチプレイヤー。チームオフェンスをコントロールする自然なハンドラーであり、貪欲なディフェンダー。ミッドメジャーから来ているためリーグの競争レベルの低さを指摘することができ、身体能力に恵まれていません。

59位のハリスはフリンと同じリーグから来るスコアラー。アンドラフトの選手をNBAプレイヤーに変えてきたチームでどこまで化けるか楽しみです。静かなドラフトを過ごした印象ですが、常勝であるラプターズにフィットできる2名を指名しました。

ドラフト採点:80点




ユタ・ジャズ 2019-20成績:44勝28敗 (11位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
27位 C ウドカ・アズブキ カンザス '99.9.17 13.7pts, 10.5reb, FG74.8%, 2.6blk
39位 G/F イライジャ・ヒューズ シラキュース '98.3.10 19.0pts, 4.9reb, 3.4ast, 1.2stl

補強とポイント:サイズのあるディフェンダー

リーグ屈指の守備力で鳴らすジャズ。6-4のロイス・オニールがSF/PFを守ることが多く、全体的なサイズ不足は否めません。チームの方向性は定まっていると思いますが、ドノバン・ミッチェルに続く若い選手がいないことも事実。ウィングディフェンダーは全てのチームが必要としているため、ドラフトで得るのは難しいとも言えます。

27位のアズブキは超古典的センター。3フィート以内で無双を誇りますが、それ以外で何も選択肢を持ちません。トニー・ブラッドリーと入れ替えた感もあり、数分間のバックアップセンターとしては優秀だと思います。39位のヒューズはシュートしパスできる平均点の高いウィング。特に目立った点は無く、ロスターで生き残るためには何かしらの強みを見出していく必要があるでしょう。欲しかった場所での指名は達成されませんでしたが、安価に管理できる選手を指名できました。

ドラフト採点:75点




ワシントン・ウィザーズ 2019-20成績:25勝47敗 (22位)

順位 ポジション/名前/所属/誕生日 主な成績
9位 F デニ・アブジャ Maccabi '01.1.3 9.0pts, 4.7reb, 2.0ast, FG50.5%
53位 PG カシアス・ウィンストン ミシガン州 '98.2.28 18.6pts, 5.9ast, 3P43.2%, 1.2stl

補強とポイント:復権か再建か

モンスターオフェンスプレイヤーとなったブラッドリー・ビールを擁していますが、絶望的な守備力がすべてを破壊しているウィザーズ。ペリメーターもひどけりゃゴール下もひどいです。ドラフトで改善できる点は限られていますが、勝利モードになりたいならばディフェンシブな選手を指名することが改善の一歩です。

D Rtg Opp 2P% Opp 3P% Opp 2nd Opp Paint
114.7
(29)
48.8
(29)
37.6
(27)
14.4
(28)
51.4
(25)

9位のアブジャイスラエルリーグの史上最年少MVPに輝いた海外実績抜群のウィング。世代別の国際大会でも勝利を収めており、実績と経験から来る自信を感じさせるプレイをします。ウィングとして十分すぎるほどのハンドルを持ち、時にメインハンドラーとして機能します。正確なアウトレットパスを出すことが印象的。ポストからオフェンスを展開させることを好み、ノーマークの味方を見つけ正確にパスを出せます。プレッシャーを恐れずに常にガンガン攻め入る姿勢を見せます。

弱点と言えるのはシューティングと守備。FT%(58.8)が非常に低くシュートへの信頼性が疑問視されています。ディフェンスでは反応速度が悪くて横方向に遅いです。ファウルを犯した際にフラストレーションからくる悪いボディーランゲージを示すことが多々ありました。良いハンドラーですがスコアラーでは無く、リムでフィニッシュするための爆発性が欠如しています。感情に波があるような態度を示すことが多く、成熟が望まれます。

53位のウィンストンはカレッジバスケを極めたPG。NBAでは小さすぎる体躯であり絶対的に不利な点です。そのため出場機会を得るにはシュートやパスにさらに磨きをかける必要があります。9位で再びウィングを指名できたことはラッキーであり今後のコアとなれる選手を獲得しましたが、守備に対する問題は引き続き続くようです。

ドラフト採点:85点





毎年フレッシュマンは1巡目に滑りこむ印象があったんですが、今回はプロセスの短縮も影響しジュニア/シニアが集中したことから完成された選手にも一定の需要と価値があることが分かりました。また、2巡目で指名された30名の内10名がツーウェイ契約となりました。2021ドラフトは世代のスターであるケイド・カニングハムに注目が集まります。彼を獲得するために複数のチームがタンクに走ることを計画するでしょう。個人的な注目はジャレッド・バトラー(ベイラー)とクリス・スミス(UCLA)です。

*1:19'20成績

*2:19'20成績