WE ARE THE NORTH WEST

#47【今週のブレイザーズ】Week6/Submarino

Week6──トンネルの長さが分からない時、それはずっとずっと続く闇路に思えます。2週間前、10勝3敗という素晴らしい成績を残したチームは2週間後、2勝5敗で平凡に落ち着きました。しかし、まだ20試合。健康を第一に、ここからエンジンを掛けなおしていきましょう。



#17 11月20日(火) at ニューヨーク・ニックス

In The NYC 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (12-5) 33 25 31 29 118
Knicks (4-14) 35 25 25 29 114
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

争うのか、負けるのか

クリスタプス・ポルジンギスがシーズンを全休するため、ニックスはプレイオフを争う理由が特にありません。今後の最大のライバルはキャバリアーズホークスでしょう。もちろんザイオン・ウィリアムソン(ドラフト1位権)を争って。

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ザイオンは過去のカレッジバスケ界を見ても歴史上最大級のスター性を持っていると思います。彼が別のアンソニー・ベネットになるのか、チャールズ・バークレーになるのか、何てことは分かりませんが、彼を巡る物語が最高に"ドラマ"になることは分かります。

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しかし、2019年から30-28位チームの1位権の確率は同じであり、確率だけを見ると25-23位チームが1位権を得てもおかしくありません。しかし"2020のドラフトクラスは弱い"と言われていることから、確実に下位3位に入るためにニックスのようなチームはタンクに入る方が賢明かもしれません。

成績下位順 新・1位確率 旧・1位確率
1(30) 14% 25%
2(29) 14% 19.9%
3(28) 14% 15.6%
4(27) 12.5% 11.9%
5(26) 10.5% 8.8%
6(25) 9% 6.3%
7(24) 7.5% 4.3%
8(23) 6% 2.8%

ニックスはドラフトを目先に捉えつつも、トレイ・バーク(2013/9位/26歳)、ノア・ボンレイ(2014/9位/23歳)、マリオ・ヘゾニャ(2015/5位/23歳)、エマニュエル・ムディエイ(2015/7位/22歳)という過去のロッタリー選手である"元才能持ち"が再生できるか見定めるシーズンでもあると言えます。

Lottery Talent PTS FG 3P REB AST
トレイ・バーク 19 8/15 3/5 3 3
ノア・ボンレイ 14 4/8 2/5 14 2
エマニュエル・ムディエイ 16 6/9 2/4 2 4
マリオ・ヘゾニャ 2 1/5 - 3 1

結果として、この日はヘゾニャ以外の全員がすばらしい動きをしていました。元ブレイザーで相変わらずのリバウンドモンスターぶりを見せてくれたボンレイはきっちりストレッチ4として進化していました。彼の才能をブレイザーズが開花させることはありませんでしたが、新たな地でキャリアシーズンを送っていることを嬉しく思います。

また、試合前までで4勝13敗だったとは信じられないぐらい、彼らは粘り強かったです。ティム・ハーダウェイJr.は一瞬オールスターのように見え、その他の選手たちもトップロールプレイヤーのように見えました。

Great Role PTS FG 3P REB AST STL BLK
ティム・ハーダウェイJr. 32 10/21 3/6 5 4 1 0
ミッチェル・ロビンソン 6 3/3 - 5 1 2 2
アロンゾ・トリアー 9 3/5 1/1 0 0 0 0

また、アンドラフトでツーウェイ契約のルーキー、アロンゾ・トリアーがここまでサプライズな活躍をしています。個人的にアリゾナ大時代から注目していた存在で、ドラフト前にはステロイド問題もあり大丈夫かな...と思っていましたが無事にNBA入りできて何よりです。機会を多く与えてくれるチームに入れたことも幸運でした。

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ノーガード

序盤からニックスの3Pがポンポン入り、3Q中盤で10点差つけられ、危うくトラップゲームになるところでした。両チームがディフェンスの存在しない殴り合いの試合を行い、どちらも高いFG%を残しました。

Punch Out FG% 3P 3P% FT REB AST TO
Blazers .474 16/35 .457 12/17 43 25 11
Knicks .506 13/29 .448 17/22 42 22 15

きつい時間帯でリラード&マッカラムが活躍し、最後のオフェリバを拾ったターナーがヒーロー。ベンチからもスタウスカスがブザー3Pを決め、マイヤーズも良い仕事をしました。しかし、全体的に押されていた試合で、勝てたのはほんの少し運が良かっただけです。

Solid Guys PTS FG 3P REB AST STL
エバン・ターナー 10 5/9 - 6 4 1
ニック・スタウスカス 9 3/6 2/4 1 3 1
マイヤーズ・レナード 15 5/9 3/4 3 2 1

最近目立つのがヌルキッチ強烈なスクリーン。今まではオフェンスファウルを取られることが多々ありましたが、それが大幅に減りリラマコのシュートをアシストする完璧なスクリーナーに進化しました。

Big Guys MP Screen Assist Screen Assist Pts
1 ルディ・ゴベール 32 5.3 12.5
2 トリスタン・トンプソン 28 5.3 12.0
3 アンドレ・ジョーダン 32 5.0 11.7
4 コディ・ゼラー 24 5.0 11.6
5 ユスフ・ヌルキッチ 26 4.9 11.1

この日も6スクリーンアシストをマーク。ファウル無しのオフェンスリバウンドとアシストの増加も著しく、リーグトップセンターのようなプレイレベルに確実に上がっています。

この日は同じく強リバウンダーのエネス・カンターとのマッチアップでしたが、1つもオフェリバを取らせませんでした。アミヌと並んで今後もガンガンリバウンドを稼いでいってほしいものです。

イースタンの下位にいる相手だったのでもと簡単に行くと思っていましたが、まるでエリートチームと対しているような、そんな試合になってしまいました。しかし、勝利は勝利。特にロードで拾える勝利は1つでも多く拾っておくに越したことはありません。


ベストプレイ:CJのプットバックジャム

ヌルキッチのナイスオフェリバもありました。


#18 11月21日(水) at ミルウォーキー・バックス

We don't like deers 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (12-6) 20 30 29 21 100
Bucks (13-4) 31 41 37 34 143
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

逆手にとって

すでにバックス=3Pチームというイメージが定着しましたが、この日はシーズン2番目に良い72ペイントポイントと22ファストブレイクポイントを得ました。内と外を状況に応じて攻めてくるので、非常に守りづらいチームです。

All Round PITP*1 %PTS PITP*2 3PTS %PTS 3PT*3 FBPS*4 2ND PTS
それまで 55.4 46.4% 44.3 36.9% 15.1 12.8
今日 72 50.3% 45 31.5% 22 29

勝負は前半でつきました。その後はただただバックスのBBQパーティーを眺めているだけでした。直近のスロースタートの不安を吹き飛ばすようなロケットスタートを1Qから行い、得点差を縮められることのない完ぺきな試合内容でした。

目立っていたのが前回おとなしかったバックコートのマルコム・ブログドンエリック・ブレッドソー。この2人が本当に効率よくペイントを攻めたことで、ブレイザーズディフェンスは錯乱を起こしました。

Great Role PTS FG 3P REB AST
エリック・ブレッドソー 16 7/13 2/6 3 5
マルコム・ブログドン 16 7/12 0/2 6 2

リバウンドもバックス59、ブレイザーズ40でボロ負けでした。その前にFG%が違いすぎたので、ディフェリバをバックスがきっちり抑えたとも言えます。


ワンサイドゲーム🙈

前回に引き続き、バックスに対抗するように3Pショットを乱発したブレイザーズ。バックスもそこまでシューティングの良い日ではありませんでしたが、その分彼らはペイントでイージー得点を稼いで勝負を早めにつけました。対してブレイザーズ絶望的なシューティングナンバーで、マッカラムも対策され、手の施しようがありませんでした。

Too Bad FG FG% 3P 3P% REB AST TO
Blazers 34/94 .362 9/42 .214 40 17 17
Bucks 57/108 .528 15/45 .333 59 34 14

アデトクンボにやられる分には仕方ありません。だからこそブレッドソーブログトンらガード陣の得点をもっと制限したかったですね。

内部侵略*5 PITP 2ND PTS FBPS
ヤニス・アデトクンボ 18(18.5) 7(2.7) 7(3.3)
エリック・ブレッドソー 14(7.6) 4(1.4) 3(3.1)
マルコム・ブログドン 10(7.3) 4(1.1) 0(2.1)

1Qにリラードがフル出場し、2Q頭からマッカラムがプレイして2人が+38分出場する昨年までのスタイルに戻りました。カリーの怪我による一時的なものかどうかは分かりませんが、10人ローテの1人でも欠けるとリズムが乱れてしまう現状を嘆きたいです...

また、モーリス・ハークレスが13試合ぶりに復帰。彼がまともに3&Dをしているとき、チームの次元が変わることを知っています。そして、復帰してさっそくいいディフェンスを見せてくれました。しかし、彼は気まぐれすぎるので、いつまともな姿になってくれるのかが検討つきません。

これでミルウォーキー5連敗。ホームでより力を発揮するバックス、そしてウィザーズ、ニックスらにタフな試合をしてからの連戦。元々の相性の悪さも有り、厳しい試合になることは容易に想定できました。それにしても、43点差ですか。さすがに目を覆いたくなるほどの点差ですね...

彼らはリーグベストチームです。もしニックスに負けてバックスに勝っていたら気持ち悪く感じていたはずなので、簡単に切り替えの利く試合になったと思います。


ベストプレイ:THE GREEK FREAK

世界最高のスーパースター


#19 11月14日(水) at ゴールデンステイト・ウォリアーズ

No steph No warriro 1Q 2Q 3Q 4Q END
Trail Blazers (12-7) 27 17 29 24 97
Warriors (13-7) 24 35 33 33 125
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

生みの苦しみ

ティーブ・カー時代になってから初の4連敗。しかし、ただ単にステフィン・カリーがいないために起こった出来事です。彼抜きでの戦いに順応しようとした結果で4連敗してしまっただけだろうなと、この日の試合を見て思いました。

連敗中の成績 PTS FG% 3P% REB AST STL BLK TO
ケビン・デュラント 26.3 .419 .105 8.3 3.5 0.5 1.5 3.5
クレイ・トンプソン 21.0 .398 .229 3.0 2.3 0.8 0.5 2.5
それ以外 26.0 .460 .304 17.7 8.1 2.1 2.3 3.4

連敗中は悲惨なシューティング、ケビン・デュラントクレイ・トンプソンのアイソに頼った淡白な攻撃が目立っていました。ウォリアーズ=たくさんのアシストというイメージがありますが、ここ最近は影を潜めていました。

今日の成績 PTS FG% 3P% REB AST STL BLK TO
ケビン・デュラント 32 .619 .400 8 7 2 3 5
クレイ・トンプソン 31 .571 .444 7 1 2 1 4
それ以外 62 .534 .611 27 21 7 7 5

この日は目に見えてベンチからの助けがありました。特にクイン・クックが貴重な得点源として活躍していました。アンドレ・イグダーラーショーン・リビングストンらベテランロールプレイヤーはキャリアの晩年を迎えつつあるので、クックの存在感が増しています。

全体の成績 PTS FG% 3P% REB AST STL BLK
4連敗中 95.5 .428 .236 44.8 21.5 5.3 6.5
今日 125 .565 .531 42 29 11 11*6

シューティング不振が嘘だったかのようにシュートが入り、シーズンハイに迫るFG・3Pを残した理想的な攻撃内容でした。また、11スティー11ブロックもマークし攻守が完璧な楽勝試合でした。ようやくカリー&グリーンのいない試合に順応できた、それだけです。


あの頃に帰りたい

一"ウォリアーズの連敗脱出"の体のいい引き立て役になってしまったブレイザーズ。見飽きた光景。見飽きた試合。それはいつもリセットボタンを押したくなるような試合です。リラード・マッカラム・ヌルキッチで64得点。チーム全体の66%が彼らによる得点です。

序盤はいいスタートを切ったように見えたものの、デュラントのタフショットは毎度入るし、敵のボールムーブには振り回されるし、イージーに得点されるわで、まったく良いところなしの試合でした。このロード6試合すべてでビッグ3に依存しました。彼らは頼れる選手たちですが、他の選手たちが立ち上がらなければ勝てる試合が減ります。

Road Stats MP PTS FG% 3P% REB AST STL BLK TO
デイミアン・リラード 35.6 26.8 .375 .292 5.3 7.0 0.8 0.7 3.0
CJ・マッカラム 35.5 23.0 .495 .447 2.5 2.3 1.0 0.2 1.7
ユスフ・ヌルキッチ 26.0 15.6 .526 .111 10.5 2.1 0.7 1.2 2.2

存在しないディフェンスとベンチユニットの影響は重たく、今は2015-18シーズンと何も変わりません。リラマコどちらかのミラクルパフォーマンスでしか勝てないチームです。開幕したとき、このチームのベンチは特別に見えました。それは一瞬の出来事でした。

リラードは口々に今年のベンチを褒めちぎってきました。開幕から好調だった理由はほとんどベンチのおかげです。不調である理由もそこにあります。

しかし、もっと深刻な問題は、このロード中あまりにも敵に得点を許しすぎたという点です。常に相手に3Pを40%以上も献上していては、勝てるもんも勝てません。

OPP*7 STATS PTS FG% 3P% REB AST STL BLK TO
ロード前 106.2 .426 .335 44.4 22.1 6.6 6.2 11.9
ロード後 121.5 .503 .429 46.2 27.7 8.8 6.3 13.3

さらに深刻なのは、絶賛壁にぶち当たり中のザック・コリンズ。あまりのファウル過多に神経質になっているのか、気落ちしたプレイが目立ちます。いいブロックはありましたが、4TO。この壁を壊すにはまだ少し時間がかかりそうです。

長い長いロード6戦は2勝4敗という"最悪の想定内"に収まりました。しかし、全試合でベンチの存在は薄く、勝利したのも主にビッグ3によってもたらされたものでした。そして、4敗全てがボロ負けだと事実もあります。

WC内の争いという点でもレイカーズウルブズに簡単に負け、彼らの方がサイズ・才能・チーム層に勝っていることを見せつけられた気がして、悲観的になりたくもなりますが...ホームに帰って良き頃に戻りましょう。リズムをつかみましょう。

そして、リラードテリー・ポーター(11330)の記録を破り、オールタイムブレイザー得点ランク3位(11331)に浮上。オルドリッジ(12562)は抜くと思いますが、1位(18040)の壁は中々に厚いです。


ベストプレイ:Hello Oakland Last Year

来年からサンフランシスコに移転するらしいです。


#20 11月23日(日) vs ロサンゼルス・クリッパーズ

Sweet Home 1Q 2Q 3Q 4Q END
Clippers (13-6) 24 21 38 21 104
Trail Blazers (12-8) 28 30 16 26 100
HIGHLIGHTS
BOX SCORE

覚醒

クリッパーズはこの試合に勝利し、WC1位に浮上しました。開幕前に彼らをプレイオフ圏内に置いていた人はほとんどいないのではないでしょうか。彼らはそのすべてを覆すプレイをしています。主人公はマックス契約の道に突き進んでいるトバイアス・ハリス。今までは"中途半端なスコアラー"ポジションに甘んじていましたが、第1オプションとして覚醒モードに入っています。

Make a Star PTS FG 3P REB AST TO
トバイアス・ハリス 34*8 14/22 2/6 11 1 0

主にミスマッチを利用するのが彼の攻撃方法。この日はそれがほとんど決まりました。特にジャンプシュートが一級品で、50/40/90クラブの可能性を大きく秘めたスペシャルスコアラーになりました。クリッパーズが現在の位置にいるのは彼の大きなステップアップが要因の一つです。

地味な印象がぬぐえないので"オールスタークラス"という認知がまだないんですが、このままチームの好調が続けばオールスターになってもなんら不思議ありません。今オフに4年1億4550万ドルの契約を結べる可能性が非常に高いです。

また、前回も思いましたが、クリッパーズコーチ陣は怖いぐらいに前のめりです。フロアにいる選手たち以上に気合が入っているような気がします。試合終了後も、まるでプレイオフで勝利したかような熱量で喜んでいる姿が印象に残りました。


3Qを分解する

圧倒的な差をつけられた3Q。この時間に一体何が起こったのか?原因を探ります。

第一にヌルキッチが負傷したことで事態が変わりました。どうやら1Qの中盤に肩を痛めたらしいんですが、試合を見ているときはまったく気づきませんでした。

そして、悪夢が始まりました。

Nightmare 3Q PTS FG 3P REB AST +/-
トバイアス・ハリス 15 7/9 0/2 2 0 22
シェイ・ギルジャス=アレギザンダー 10 4/6 - 3 2 22
合計 38 16/24 0/5 4 16 22
デイミアン・リラード 7 2/5 1/3 0 0 -22
エバン・ターナー 0 0/3 0/1 0 1 -13
アル・ファルーク・アミヌ 0 0/2 0/2 1 0 -22
モーリス・ハークレス 0 0/2 0/2 0 0 -9
合計 16 6/23 1/10 10 1 -22

まずオフェンス。前半4/20と振るわなかった3Pを3Qもいいようにうたされました。

クリッパーズは3Qからリラードに対しダブルチームを敷いて、とにかくリラードの攻撃参加を防ぐことを目標にしたディフェンスをしていました。それが達成できれば70%は成功したようなものです。その後は非シューターたちのロングシュートか、リラード以外のアイソしかありません。それらに対するクリッパーズディフェンスの準備がきっちりとされていました。そのため、ブレイザーズの攻撃は手詰まりでした。

アミヌが3Pを注文通りにうたされたシーン。リラードさえ抑えておけば、あとはとても簡単です。もちろんアミヌの3Pは入る可能性はありますが、直近5試合でわずか26.9%。これは悪用されても仕方ない数字です。ハークレスも同様です。

リラードがダメなら当然マッカラムが攻めてきます。しかし、ここでは彼のアイソだけに選択肢を絞れるので、多数のヘルプが来ます。ワイドオープンにパスを出されても、ターナー、アミヌ、ハークレスあたりなので構いません。ヌルキッチがいないので、バックドアパスも、スクリーンも、PNRも、ポストプレイも、リバウンド争いの心配もほとんどありません。楽です。

まぁ...そのような教科書通りのリラード潰しがすべて上手くはまっていました。さすがに16点というのは出来すぎですが、何度やっても25点以内に終わることが容易に想像できます。プレイオフで見た通りのやられ方でした。

しかし、理想的な攻め方をしたシーンもあります。

ヌルキッチがいないとき、ターナーをハンドラーとして他を高確率シューターで囲むベンチユニットのようなラインナップでしか、得点を相手よりも多くとる方法が無い気がします。

次にディフェンス。アミヌハークレスはオフェンスで致命的な部分がありますが、彼らはそれを守備で相殺しなければいません。しかし、クリッパーズはこの2人と勝負を挑むことはせず、オフェンスでもヌルキッチの不在を突きました。

アレギザンダーのスピードを生かしたインサイド攻撃が目立ちました。また、3Qのペイントポイントはクリッパーズの攻め、守り方の変化を顕著に表しています。

Without Nurk... 1Q 2Q 3Q 4Q
Clippers PITP 8 8 22 6
Blazers PITP 20 14 8 12

クリッパーズは試合平均約53点のPITPを獲得していますが、前半は低調。3Qにここぞとばかりに攻め、効率的な得点を多くあげました。相手の弱点を上手く突いた戦略が、彼らに勝利をもたらした要因です。

クリッパーズ3Qショットチャート
クリッパーズの3Qショットチャート
ブレイザーズ3Qショットチャート
ブレイザーズの3Qショットチャート

この3Qはヌルキッチ無しの戦い方を調整するまでに時間を要したために、勝てた試合を落としました。しかし、クリッパーズは1秒目から対応してきたので、ブレイザーズに用意が無かったという言い訳は通用しません。そのためにも、この最悪な3Qは"教訓"として覚えておく必要があります。


負の連鎖

今週の他の3試合で嘆きまくっていたベンチユニットが、ついに上手く行きました。それがこの試合の最大の収穫です。前半はベンチとスターターがかみ合った理想的な展開で、さらにホーム。今日こそは勝てる。そう誰もが思っていただけに、この敗北は応えました。

悪夢の3Qの後、モントレズ・ハレルが多くのフリースローを逃してくれたおかげで大きな点差こそつかなかったものの、ブレイザーズは3Pが悲惨(8/38)だったので、もっとフリースローかTOを稼がなければいけない試合でした。

Wanna be Clean PF FT TO TO PTS
Clippers 13 23/34 4 10
Blazers 24 8/10 12 5

4Qに入ってコリンズがゴール下で奮闘。しかし、クリーンブロックでも笛を吹かれたシーンがありました。しかし、ブロックにいってのファウルならオールオッケー。今のところペリメーターでのファウルがあまりにも多すぎます。それさえ減らせれば言うことないんですが。

また、マイヤーズがキャリアハイの16リバウンドをマークしました。ヌルキッチがいなくてコリンズもファウルアウトしたので、彼ができる範囲の素晴らしい仕事をしていました。しかしリラマコとのPNRは上手く行きません。

4Qは点差を中々詰められない、耐える時間帯が続きました。そして、終盤でリラード連続3P+4Pプレイがさく裂し一時同点に。しかし、デイムタイムはここで終わりでした。けれど、これが入ってしまうんだからすごすぎる。

1つ言えることは、クリッパーズは幸運でした。彼らの弱点はセンターにあります。だからこそ、1Q中盤に肩を負傷し前半で退いたのがヌルキッチだったことが彼らの幸運です。そしてブレイザーズにとっての不幸です。

健康条件が揃えば、ブレイザーズは必ず上昇できます。それまでは泥臭く勝利をもぎとっていくしかありません。


ベストプレイ:THIS IS Z's BLOCK

今週はストッツHCの誕生日&コリンズの誕生日がありました。


Week7のブレイザーズ

#21 11月28日 (水) vs オーランド・マジック

ニコラ・ブーチェビッチはWeek5の週間最優秀選手に選ばれるなど、リーグトップセンターに進化中の要注意選手。さらにテレンス・ロスも覚醒モードに入っていて、彼を止められるかが重要なポイント。この試合、おそらくヤジはありません。



#22 11月30日 (金) vs デンバー・ナゲッツ

リーグで最も若いBIG3トリオを持つ、新進気鋭のチーム。真のトッププレイヤーとなったニコラ・ヨキッチと、成長著しいユスフ・ヌルキッチのライバル対決は、互いの成熟ぶりを見せる最高の戦いになること必至(負傷が長引かなければ...)。リーグトップ5のバックコートへと成長したマレー&ハリスリラード&マッカラムの顔合わせは、シーズンを通して最も注目したいマッチアップの一つ。



#23 12月2日 (日) at サンアントニオ・スパーズ

好調なスタートを切ったものの、最近は下降気味で、ブレイザーズと似た状況にあるチーム。デマー・デローザンは期待通りの活躍をしていても、今シーズンはラマーカス・オルドリッジがからっきし。なので、スパーズと対するときは常にデローザンをどう抑えていくかが勝負を左右するカギ。


*1:ペイントポイント

*2:全ポイントにおけるペイント得点の割合

*3:全ポイントにおける3P得点の割合

*4:ファストブレイクポイント

*5:カッコ内は試合前までの平均

*6:シーズンハイ

*7:敵に許した

*8:キャリアハイタイ