WE ARE THE NORTH WEST

#72 Love For Free

2023年7月2日午前1時05分。その瞬間はふいに訪れた。
マックス・ストラスがキャブスか~と思っていた次の瞬間。
言葉を失って何分、経っただろう。
僕が、初めて好きになったチームの、大エース。
僕がチームを見たとき、彼はすでにそこに存在して。
当たり前のように彼はブレイザーだと思っていた。
そして甘えていた。
彼はいつだって僕たちを運んでくれるだろう、と。
僕というファンは、バカだ。
それでも彼が居続けてくれるんじゃないかと、思っていたから。

デイミアン・リラード。生涯忘れない、最高の人間。
彼という存在がポートランドの魂であり、
どんな場所にいたとしてもその魂はここに残り続ける。
そしてどんな時も感謝する。
ああ、リラードがいるから僕は生きていられるんだと。
それはもうバスケットボールを超えていたと思う。
リラードの生き方そのものが崇拝の対象であり、
選手以上の何か、神様みたいにそこに存在していた。
小さな町の、大きなスター。
勝利を願い、闘い続けた本当の戦士。

そのバトンはスクート・ヘンダーソンに渡された。
正直、勝利の側面から見ればリラードが滞在している
23'24ブレイザーズの限界はプレイインチームだったと思う。
そして遅かれ早かれやってくるスクート/シャープ時代を思えば、
エリートビッグマンを獲得しなければならない。
そのためには半端ない運またはタンクシーズンが必要だ。
リラードが滞在し続けて中途半端なドラフトピックを取り続けることは、
スクート/シャープ時代もまた平凡なチームになってしまう
可能性を高めることになる。

22'23のリラードは選手として史上最大の価値を生み出した。
彼の年齢と契約状況にあっても良い資産が
ブレイザーズに入ってくることが予想できる。
今見える未来はリラマコの時より確実に明るい。
スクート/シャープは彼らより純粋に才能がある。
僕は心のどこかでリラードのトレードを望んでいたと思う。
本当にスクーシャーは夢のようなペアリングだ。
リラードが去って堂々とタンクすることが出来れば
フロントコートの才能不足を解消することができるじゃないか。
そう、これでいい。これでいい。
だって、リラードがブレイザーズにいても
リングを獲得することは未来永劫ないのだから。

でも、僕は人間で、リラードのファンで。
誰も、涙を流せない機械になれないから。
だから、この日ぐらい縋らせてほしい。

Dame is my HERO。