WE ARE THE NORTH WEST

#33【プレイオフ2018】第1ラウンド・後編

0勝2敗で迎えたロード。2年前、クリッパーズを倒した時を思い出します。今回も相手の主力が怪我をしている状態ですが...。結果、ホリデーにやられてしまった印象はぬぐえません。


Game3 4月19日(木) at ニューオーリンズペリカン

Game 3 Q1 Q2 Q3 Q4 END
Trail Blazers (0-3) 20 25 25 32 102
Pelicans (3-0) 36 28 27 28 119
BOX SCORE

KEY PLAYERS

FGM FGA 3P 3PA REB AST STL BLK TOV PF PTS
Al-Farouq Aminu 8 15 3 8 8 1 2 1 2 0 21
Nikola Mirotic 12 15 4 6 8 2 3 1 0 3 30

ニコ爆発

ニコラ・ミロティッチは2018年2月1日にシカゴ・ブルズからトレードでやってきました。彼は開幕前にボビー・ポーティスとの闘争で負傷。トレードの噂が絶えない中、神がかった活躍を見せました。

移籍後は通常運転に戻りましたが、このプレイオフ完全覚醒ユスフ・ヌルキッチとマッチアップしピック&ロールを防ぎ、攻めてもカットマンとしていい動きを多く見せていました。

忘れがちになってしまうのが、ラジョン・ロンド。いつも不敵な笑みを浮かべている彫刻のような身体を持つ元スーパースター。死角から飛んでくるパス、キレのあるレイアップは止めようがありません。この日も16得点(FG7/12)、11アシスト、5リバウンドと多岐に渡る活躍。

昨年までロンドと同じくパスファースト型のティム・フレイジャー(WAS)が主にPGを務めていましたが、彼は強引なパスが多く、デイビスを生かしきれていませんでした。より攻撃的・守備的かつ経験豊富なロンドはペリカンズと最高のフィット感。"パスさえ通ればいつでもどこでも得点できるデイビス"を孤立させないチームへと進化させています。

ロンドジュニアとアップする様子。彼も将来NBA選手になっているかもしれませんね。

12分

1Qに16点差をつけられた時点で、このシリーズの敗北を予感から確信へと変わらせました。力が違いすぎる、そう感じました。最初の12分間でチームの覇気が消滅。チームの核、デイミアン・リラードが20得点(FG5/14)、8ターンオーバー。俯くシーンも多く、元気がありませんでした。このシリーズでドリュー・ホリデーに"完全ロック"されてしまっています。

元気だったのはアル・ファルーク・アミヌ(チーフ)。リラードへの徹底マークは当たり前。その分チーフに対する守備は甘くなり、攻めやすくなる状況を利用しました。リラード&マッカラムへのダブルチームでフロントコートへの守備は常に手薄。チーフの活躍は敗戦の中で、唯一の光明でした。

マッカラムがデイビスに対し、フレグラント寸前のファウルがありました。何度かこういうシーンを見ますが、怪我に至らない範疇でお願いします...。

24個のターンオーバーを犯し、ファストブレイクを32点、ペイントで62点を許したボロ負け試合。4Q残り7:55でベンチ選手と総入れ替え。そこから23-12のランで走ったわけですが、"あのロケッツ戦"を彷彿とさせた、活きの良いプレイを見せてくれました。

特にジェイク・レイマンは来シーズンが勝負の年。ローテーションプレイヤーとしてパット・カナトンのように定着しなければいけません。

ベストプレイ ミロティッチのハイパフォーマンス

ブギー無しでもこれですよ...



Game4 4月21日(土) at ニューオーリンズペリカン

Game 4 Q1 Q2 Q3 Q4 END
Trail Blazers (0-4) 25 31 31 36 123
Pelicans (4-0) 26 32 42 31 131
BOX SCORE

KEY PLAYERS

FGM FGA 3P 3PA FT FTA REB AST STL BLK TOV PTS
Al-Farouq Aminu 11 20 5 11 0 0 6 1 2 0 0 38
CJ McCollum 15 22 2 3 6 7 2 3 2 0 2 27
Anthony Davis 15 23 2 4 15 17 10 1 0 3 2 47
Jrue Holiday 15 23 2 7 9 12 3 8 0 0 7 41

全てがかみ合った勝利

第3シードが第6シードにスイープされるのは史上初の出来事だそうです...。3ゲーム差の中に3位⇔9位が入り、ほぼ順位が関係ない戦いであったために起きた事。そう捉えなければやってられません。

3Qで差をつけたペリカンズ。出場した8人中7人が3Pショットを成功させるなど、シリーズを通してバランスのいい攻撃がとれていました。デイビスとホリデーが40得点越え。特にホリデーは全ての試合で攻守に冴えわたっていました。攻撃はほとんどがゴール下のレイアップなのですが、これが止められない...。

分かったことは、ヌルキッチはストレッチ4型と相性が悪いということ。ミロティッチのような選手とマッチアップすると途端にあたふたしてしまいます。そういう意味ではデマーカス・カズンズとのマッチアップのほうが良かったのかもしれない、と思えます。それでも勝てる気はしませんが...

このツイートは...笑えます。所詮、予想は予想。誰もドノバン・ミッチェルが平均20得点も挙げるとも、ブレイザーズが3位になるとも思っていなかったでしょう。

レイオフ前から低い評価を受けていたペリカンズ。彼らのバスケットは決してゴリ押しバスケではなくて、それぞれの役割を熟知している効率的なチーム。

第2ラウンドでウォリアーズを相手にしますが、これも上の22名のほとんどはウォリアーズが勝利すると予想するでしょう。ここまでボコボコにされた以上、ペリカンズには何としてもくらいついてほしいです。

夢のままで

攻撃は今までで一番良かったんですが、守備が崩壊第3戦で24個も出したターンオーバーは6個に減ったものの、ペリカンズにFG45/78(57.7%)を与え、FT32/39を献上。乱打戦は完全にペリカンズの土俵。

第4戦でも光明はチーフでした。少し前まで絶不調だったシューティングが嘘のように、すぐにロストしていたドライブが突如上達したかのように見えました。

チームベストのディフェンダーであるチーフ。ホリデーをマークして実にいい動きを見せたシーンもありました。レギュラーシーズンでもこれぐらい動ければ、バックコートの負担も減るんですが...。

フラストレーションが爆発したのは、プレイオフで役割が拡大したザック・コリンズ

こういうはたきをロンドがするのは結構見るんですが、このチーム状況ですからね...。競っている時間帯での出場がコリンズにとって、大きな経験になったことは確か。強い向上心を持つコリンズ。来シーズンが楽しみです。

マッカラムがついにフレグラント1をやってしまいました...。肩をグリッとしてしまっていますからね、危険です。
エバン・ターナーをハンドラーとして、マッカラムとリラードを走らせた攻撃スタイルはそれなりにハマっていたと思います。もう少し前にできてりれば...

シーズン終了となる敗北。フランチャイズ史に残る13連勝をマークしながら50勝を逃し、さらには不名誉なスイープ負け。1か月前にブレイザーズを手放しで褒めていた人々はどこかへ去ってしまったことでしょう。そして、マッカラムをトレードさせなければ云々...と誰かが言い出すことは容易に想像がつきます。

この敗北はチームを否定することに充分です。リラード&マッカラムのバックコートを分解しディフェンス能力のあるガードをリラードの横に置き、得点能力のある選手をフロントコートに追加する...ということに、どうしても賛同できません。

この敗退でどう思うかはそれぞれですが、第3戦以外はそこそこに戦えていたと思います。この日のマッカラムとチーフは素晴らしく、ヌルキッチも堅実でした。気まぐれな性格さえ治ればモーリス・ハークレスは理想のSFです。ターナーにはボールを持たせなければ始まりません。

ほとんどロスターを入れ替えなかったトロント・ラプターズのように、チーム内での改革がブレイザーズには必要。そう強く思います。再契約すべきはヌルキッチとエドデイビス。ネイピアーとカナトンは諦めます。

悪い契約に縛られているブレイザーズですが、これはあの時のつけ。つまらない夢を見てしまった代償。この敗退が来シーズン、どのような形で花をつけるのか。予想は所詮、予想なんですよ。

ベストプレイ GO CHIEF

来シーズンも続きますように...



少し振り返って

良い時もあれば、悪い時もある。それを体感したシーズンでした。ヌルキッチへの失望。成長したネイピアーとカナトン。生まれ変わったハークレス。歯車がかみ合った瞬間を間違いなく見ました。

ポートランドは小さな市場です。大物選手がこの北西部にやってくることは生涯ありえないでしょう。それでもこのチーム、土地が好きです。82試合すべてを戦い抜き、そしてプレイオフの夢を見させてもらったブレイザーズには感謝の言葉しかありません。ありがとうございました、そしてお疲れさまでした。