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#39【勝手にランキング】17-18 ルーキー編

16-17ルーキーに比べ、17-18はとても多くのルーキーが活躍しました。その結果、17-18のオールルーキーチーム争いはとてもハイレベルでした。

上位指名はもちろん、1巡目後半、2巡目、アンドラフト、ツーウェイまで様々なルーキーが爪痕を残しました。数字上は目立たなかったものの、チーム事情を考慮した上で個人的なオールルーキーチームを10名選出しました。




 10位|ロイス・オニール|SF|6'6''

1993年6月5日生 デンバー大(2011-13)→ベイラー大(2013-15)→アンドラフト→ドイツ, スペイン(2015-17)
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
69 16.7 .423 .356 .803 3.4 1.4 0.5 0.2 0.8 1.5 5.0

ヨーロッパを経てNBA入りし、少ないチャンスから結果を残しローテーションプレイヤーの位置を掴んだオールドルーキー。シーズン序盤は出たり出なかったりが続いていましたが、タボ・セフォローシャが故障した1月中旬から毎試合安定した出場時間を獲得し、その穴を感じさせない活躍をしました。

タボ離脱 G MP FG% 3P% REB AST STL BLK PTS
29 10.5 .388 .356 2.4 0.9 0.3 0.0 3.6
40 21.2 .436 .356 4.7 1.7 0.7 0.4 6.0

成績は決して目立ちませんが、守備力が非常に高く、ボールにくらいつくハッスルさはファンを惹きつけるのに充分で、強いチームに必ず必要な"数字以上の仕事"をする選手です。プレイオフでの健闘ぶりもすばらしく、彼はもはやチームに欠かせない存在になっています。




 9位|ジョーダン・ベル|C|6'9''

1995年1月7日生 オレゴン大(2014-17)→2巡目8位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
57 14.2 .627 .000 .682 3.6 1.8 0.6 1.0 0.9 1.6 4.6

ドラフト時はセンターのためのサイズ不足を指摘されてきましたが、高さが全く気にならないほど非常に高い身体能力とIQを利用した守備力はウォリアーズのセンターとして奇跡的なフィット感を生み出しました。

シーズン中は故障が多々あり出場時間は増えませんでしたが、守備のインパクトに加え、リム付近の正確なフィニッシュ、アンセルフィッシュで効果的なパスを多く出し、効率的な成績を残しまた。また、スモールセンターの新たな可能性を開拓する選手になりつつあります。




 8位|ロンゾ・ボール|PG|6'6''

1997年10月27日生 UCLA(2016-17)→1巡目2位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
52 34.2 .360 .305 .451 6.9 7.2 1.7 0.8 2.6 2.3 10.2

全体2位選手として、概ねの期待に応える成績とインパクトを残しました。キングスなどに在籍したケビン・マーティンのような奇妙なシュートフォームから繰り出されるシュートは中々入らず、懐疑的な声が多く上がりました。

一方で、史上最年少でのトリプルダブルをマークし、そのオールラウンドぶりを発揮。往年の名選手ジェイソン・キッドと多くの比較を描きました。18-19シーズンからは世界最高プレイヤーとボールを共有し、自身を高めていく絶好の機会を得ています。




 7位|ディロン・ブルックス|SF|6'6''

1996年1月22日生 オレゴン大(2014-17)→2巡目15位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
82 28.7 .440 .356 .747 3.1 1.6 0.9 0.2 1.5 2.8 11.0

開幕戦でいきなりビッグゲームを行い、ルーキーで唯一全試合出場を果たしました。しかし、オールルーキーチームにすら届かないところを見ると、いかに17-18ルーキーのレベルが高いかが分かります。バッドチームの良い成績は評価されにくい部分がありますが、2巡目中位指名であることを考慮すれば、彼のルーキーシーズンはサプライズです。

マイク・コンリーの怪我とチーム事情も重なり、ショット機会を得ましたが、それを物にし継続することは誰もができることではありません。ウィングの層が薄く若手有望株が少ないグリズリーズにとって、彼は救世主であり2巡目最大の儲けです。恐るべきオレゴン・ダックス...




 6位|ラウリ・マルケネン|PF|7'0''

1997年5月22日生 アリゾナ大(2016-17)→1巡目7位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
68 29.7 .434 .362 .843 7.5 1.2 0.6 0.6 1.2 1.5 15.2

史上最速で100本の3Pシュートを沈め、終始一貫したシューティングが光っていました。美しいフェードアウェイは本当にダーク・ノビツキーのように見えます。

このときはリラードがまた忘れ去られたか...というようなことで盛り上がりましたが、マルケネンがどれだけ優れたシューティング能力を持っているかを示す豪華なメンツが揃っています。18-19シーズンからは3P40%越えを期待できます。




 5位|OG・アヌノビー|SF|6'8''

1997年7月17日生 インディアナ大(2015-17)→1巡目23位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
74 20.0 .471 .371 .629 2.5 0.7 0.7 0.2 0.6 1.8 5.9

チームはフランチャイズ史上最高のシーズン59勝を収め、そのチームのルーキースターターとして理想的な成績を収めました。既に彼はファンのお気に入りです。ドラフト時は怪我のために評価を下げましたが、ラプターズにとっては僥倖でした。

3&Dを堅実にこなし、プレイオフでは18-19シーズンのブレイクアウトを予感させる活躍をしました。カワイ・レナードが加入したため、PFにスライドすることが予想されます。世界最高のディフェンダーとの競演が単純に楽しみです。




 4位|カイル・クーズマ|PF|6'9''

1995年7月24日生 ユタ大(2014-17)→1巡目27位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
77 31.2 .450 .366 .707 6.3 1.8 0.6 0.4 1.8 2.1 16.1

その年のサマーリーグの活躍(21.9pts, 51.4FG%, 3P48%)がレギュラーシーズンの最後まで続いた珍しい選手です。シーズン序盤からビッグゲームを行い、ルーキー豊作年を予感させました。

6-9とは思えないほど軽いフットワークと得点本能を備えた、オールラウンドから得点できるすばらしいスコアラーです。逆境の強さ、コート外でも話題が尽きないキャラクターも魅力です。




 3位|ジェイソン・テイタム|SF|6'8''

1998年3月3日生 デューク大(2016-17)→1巡目3位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
80 30.5 .475 .434 .826 5.0 1.6 1.0 0.7 1.4 2.1 13.9

ルーキーシーズンに3P成功率が43%を超えたのは過去、DJ・オーガスティン(43.9%)ステフィン・カリー(43.7%)しかいません*1。テイタムはカレッジでの非効率性が不安視されていましたが、修正に成功。セルティックスはその前年にも同様の問題を抱えていたジェイレン・ブラウンを指名していて、素材重視の指名が功を奏しています。

カイリー・アービング無しでのプレイオフでチームを率い、ECFまで駒を進めたことでボストンを背負う選手であることを示しました。真にスーパースターになるために生まれてきた男かどうかは、2年目が大事です。




 2位|ベン・シモンズ|PG|6'10''

1996年7月20日ルイジアナ州立大(2015-16)→1巡目1位(2016)
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
81 33.7 .545 .000 .560 8.1 8.2 1.7 0.9 3.4 2.6 15.8

17-18ROY受賞者ですが...実質2年目なのでここに置きます。彼は、暗黒時代を乗り越えたシクサーズの光と期待そのものです。同じく怪我を乗り越えたジョエル・エンビートとのタンデムは今後しばらくはNBAの顔となるべき組み合わせです。

現代に蘇ったマジック・ジョンソンと言われ、プレイスタイルは時代を逆行します。しかし、シュート以外全てのプレイで客を魅了できるスーパースターです。キング去りし後の支配者は彼でしょう。



 1位|ドノバン・ミッチェル|SG|6'3''

1996年9月7日生 ルイビル大(2015-17)→1巡目13位
G MP FG% 3P% FT% REB AST STL BLK TOV PF PTS
79 33.4 .437 .340 .805 3.7 3.7 1.5 0.3 2.7 2.7 20.5

17-18シーズンのROYレースを面白くしてくれた当人。彼はドラフト史上最大級の儲けに入ります。ルーキーシーズンの序盤からベストゴートゥースコアラーとして4thクォーターを支配し、プラスの影響を与え続けました。特に、羽根が生えているのかと思うほどのハイフライダンクは一度見たら忘れません。

G MP FGM FGA FG% 3P% REB AST STL BLK PTS
10月 7 22.2 3.6 10.9 .329 0.289 1.4 2.4 1.1 0.6 9.3
11月 15 31.7 6.6 16.0 .413 0.375 3.9 3.6 1.5 0.5 18.1
12月 13 34.3 8.7 17.2 .507 0.358 3.4 3.8 1.8 0.4 23.1
1月 13 35.0 8.2 18.3 .450 0.320 3.8 3.4 1.5 0.3 22.2
2月 10 34.6 7.8 18.9 .413 0.382 4.2 3.8 1.3 0.2 21.4
3月 15 37.9 8.3 19.5 .425 0.291 4.1 4.3 1.5 0.3 23.0
4月 6 32.3 8.2 17.3 .471 0.382 5.3 4.2 1.5 0.2 22.2
PO 11 37.4 9.3 22.1 .420 0.313 5.9 4.2 1.5 0.4 24.4

フランチャイズプレイヤーであったゴードン・ヘイワード(BOS)が去った後のレギュラーシーズンの成功、スラムダンクコンテスト優勝、プレイオフでの輝き...挙げたらきりがないほど、次の世代のスーパースターと認識するには充分すぎるほどのインパクトを残しました。

チーム成績は悪いが自身の統計は良い...というルーキーは多数いれど、オールスターに囲まれず、第1オプションとしてチームを引き上げたルーキーは過去にどれだけいるんでしょうか。18-19シーズンに平均25得点、5リバウンド、5アシストに近い成績を残せるぐらい高い伸びしろがあります。そう期待せずにはいられないほど、彼のプレイは興奮と喜びに満ちています。





公式のオールルーキーチームは以下。1st=2点、2nd=1点の採点方式により、200点満点で争われました。

1st team 2nd team
PHI ベン・シモンズ 200 DAL デニス・スミス Jr. 96
UTA ドノバン・ミッチェル 200 LAL ロンゾ・ボール 87
BOS ジェイソン・テイタム 199 ATL ジョン・コリンズ 76
LAL カイル・クーズマ 193 SAC ボグダン・ボグダノビッチ 75
CHI ラウリ・マルケネン 173 PHX ジョシュ・ジャクソン 45

14人の選手が平均10得点を超えました。過去3年と比べれば(16-17=5人、15-16=8人、14-15=7人)本当に17-18が豊作だったことが分かります。シモンズ、ミッチェル、テイタムのみがプレイオフチームに在籍していたので、より際立っています。チームを真に背負う立場になる2年目以降、彼らの進化が楽しみです。

*1:試投数200以上