Week14──ジェイク・レイマン3年目の覚醒。アミヌの緩やかなキャリアベストシーズン。複数の選手がプレイに絡み、エネルギーを発し、チームはよりチームらしく見えます。オールスターブレイクまで、この調子で突っ走りましょう。
- #45 1月14日(月) at サクラメント・キングス
- #46 1月16日(水) vs クリーブランド・キャバリアーズ
- #47 1月18日(金) vs ニューオーリンズ・ペリカンズ
- Week15のブレイザーズ
#45 1月14日(月) at サクラメント・キングス
off day | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Trail Blazers (26-19) | 27 | 17 | 31 | 32 | 107 |
Kings (23-21) | 24 | 30 | 29 | 32 | 115 |
リベンジ
元旦早々に悔しい負け方をしたため、リベンジに期していたはずのキングス。前回とは違い、前半からリードを保って逃げ切りました。最近の試合でもナゲッツ、ウォリアーズといった上位チームに対して善戦し、プレイオフの正当な候補として見るに十分な戦いぶりをしています。
誰かが特別に目立ったわけでもなく、まんべんなく色んな選手が活躍していました。その中でもヒールド&ボグダノビッチのシューティングコンビは、ことごとくミドル/スリーが決まっていました。彼らはベンチにいいスコアラーを持っているので、とてもバランスのとれたローテを組めていると思います。
ace shooter | PTS | FG | 3P | REB | AST | TO |
---|---|---|---|---|---|---|
バディ・ヒールド | 19 | 7/10 | 2/4 | 7 | 0 | 1 |
ボグダン・ボグダノビッチ | 19 | 8/10 | 2/3 | 2 | 5 | 5 |
また、最近バグリーが怪我から復帰し、キングスファン待望のバグリー&ジャイルズコンビが躍動しています。このエリートビッグマン同士のコンボは、紙の上では無双でしょう。しかし、2人とも守備に欠陥があるので、どこまで我慢していくのか...これからの行方に注目しています。
この日、別の意味で目立ったのがシャンパート。レイマンに挑発するような素振りを見せてテクニカルをもらい、ヌルキッチのスクリーンにキレて、ストッツHCのテクニカルを誘いました。試合後にはロッカールーム騒動にまで発展しましたが...まぁ軽く無視しておきましょう。
Don't believe the internet.https://t.co/ZIjzlDiY52
— Iman. (@imanshumpert) 2019年1月15日
I was respectful of their team's space and privacy. I waited outside and asked to have a conversation. I was greeted by team security that talked to me and I left. No story. #scores win.
この試合、確かにシャンパートの言う通り、ヌルキッチのスクリーンはひどかったです。しかし、彼のスクリーンはいつも大体あれです。肩で押す、手を掴む、当たり前。それでよくオフェンスファウル取られないなぁという目で観ていますが、この"ボスニアンスクリーン"がリラードを助けてくれているのも真実です。
確かなこと
中盤以降6~10点のビハインドで上下し、大きな点差にはならないものの、決して僅差に持ち込めない、という今シーズン勝ちに運べていない典型的な試合展開でした。
終盤に追い詰めかけた瞬間があり、そこからのミラクルゲームを期待しましたが、さすがに2度目はありませんでした。特に後半リラードが頑張りましたが、及ばず。2Q序盤のセカンドユニットの停滞が悔やまれます。
no-impact | PTS | FG | REB | AST | STL |
---|---|---|---|---|---|
CJ・マッカラム | 6*1 | 2/14*2 | 6 | 1 | 1 |
マッカラムはオフェンスでもシーズンワーストでしたが、ディフェンスでもヒールド&ボグダノビッチを抑えることができませんでした。また、ヌルキッチもTOを誘ってしまい、セカンドユニットもアドバンテージが取れず、全体的に苦しい試合でした。しかし、苦しい中でも最後まで粘れたのはプラス材料だったと思います。
唯一のスポットライトはレイマン。カットダンクで咆えたあたりから、彼の気合の入りようを感じていました。その後、レイアップを決めて感情を爆発させたあたりには"オッ"と思わせられました。
keep it | PTS | FG | 3P | REB |
---|---|---|---|---|
ジェイク・レイマン | 13 | 6/9 | 0/2 | 3 |
彼はいつもリバウンドに走り、カットに走り、高く飛び、ディフェンスでも走り回ります。そのエネルギーは他の選手に無い物であり、彼のサイズ・スピードをフルに使って敵をかき乱す様は、見ていて本当に楽しいです。また、ナゲッツ戦に続いて13得点を連続マーク。ローテを外れたりという時期を超え、彼の地位はゆっくと確かなものになってきているように思います。
また、この試合でリラードがキャリア通算12,000得点を突破。色んな記録が大台に乗るたびに、この人はとんでもないことをしているんだなと、しみじみ思います。
12,000.
— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年1月15日
Congrats, @Dame_Lillard! pic.twitter.com/rYEd8xJl9x
まだまだ通過点に過ぎませんが、これからもこの数字を、チームの勝利とともに伸ばし続けていきたいですね。
ベストプレイ:倍返し
.@JLayman10. IS. PUMPED. pic.twitter.com/4bcxA7wMFO
— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年1月15日
#46 1月16日(水) vs クリーブランド・キャバリアーズ
record day | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Cavaliers (9-36) | 26 | 29 | 30 | 27 | 112 |
Trail Blazers (27-19) | 30 | 32 | 38 | 29 | 129 |
Hell Time
2018年の夏が過ぎてから、あんなにいたキャブスファンはどこにいったんでしょうか。たった1人でクリーブランドを背負っていたアノ選手の影響は底知れず、多くのキャブスファンが試合から離れていきました。キャブスと入れ替わるようにLAは盛り上がりを見せていますが...まぁ全てはキングの思し召しということで。
ジャズで見慣れた顔が2人。フッド⇔クロウダー、バークス⇔コーバー。このジャズの一方的なアップグレード感は否めません。前者の選手たちは比較的若いですが、どちらかといえば個人優先で、勝ちにつながるプレイはできません。後者は若くありませんが、勝ち方を知り尽くしていて、チームプレイに徹することのできるエリートロールプレイヤーです。しかもフレンドリーな契約をしている。ジャズは最小限のチップで上手く立ち回ったなと思います。
ジャズ獲得 | キャバリアーズ獲得 | |
2018Feb. | ||
ジェイ・クロウダー | ロドニー・フッド | |
2024/2巡目権(CLE) | ||
2018Nov. | ||
カイル・コーバー | アレック・バークス | |
2020/2巡目権(UTA) | ||
2021/2巡目権(WAS) |
この日、2人で44得点したフッドとクラークソンは単独で得点することに長けていますが、チームメイトを生かすことができないため、脅威に感じません。しかも、この2人の守備はリーグでも最低クラスに入ります。チームの運命を握るセクストンにも、今はそのにおいを感じました。
so far cavs | PTS | FG | 3P | REB | AST | BLK |
---|---|---|---|---|---|---|
ジョーダン・クラークソン | 22 | 7/15 | 0/2 | 4 | 2 | 0 |
ロドニー・フッド | 20 | 9/17 | 2/4 | 3 | 3 | 0 |
アンテ・ジジッチ | 16 | 5/8 | - | 8 | 1 | 2 |
試合で最も光っていたのが2年目のジジッチ。アービングトレードの一部だったことを忘れられがちですが...期待の22歳です。静かに16得点をマークし、存在感がありました。コリンズとのゴール下のマッチアップでは、彼が圧倒的に勝っていましたね。ただ、ナンスJr.との契約をすでに拡張しているので、彼が活躍すればトレードチップが増えそうです。
レコードチャンス
この日はセカンドユニットが上手くプレイしてくれると思っていましたが、期待外れでした。ターナー/セス/スタウスカス/マイヤーズ/コリンズのラインナップは稀に良いときもありますが、大体ショットを探すのに困っています。ボールが右往左往するだけで、結局タフショットを多く取らされてしまう状況が多いのを何とかしたいですね。
それに加えてスタウスカスとマイヤーズのヤバい守備も時々顔を出すので、安定したアドバンテージを取るのに苦労します。ここ最近は特に顕著で、テコ入れが必要なのは明らかです。
試合はベンチの苦労もあり、予想以上に長く続いたように感じました。キャブスはリーグ全体でも本当に最下層にいるので、4Q最初でガーベージに入るのが理想でした。しかし長く続いた分、ヌルキッチのトリプルダブルチャンスが生まれました。こういう日じゃないと、達成は中々できません。
TD Date | PTS | REB | AST | FG | STL | BLK | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
14/01/08 | ニコラス・バトゥム | 14 | 10 | 14 | 6/14 | 1 | 1 |
19/01/16 | ユスフ・ヌルキッチ | 10 | 10 | 10 | 3/6 | 0 | 5 |
トリプルダブル+5ブロックを同時にマークしたブレイザーはビル・ウォルトンに続き史上2人目。4Q終盤の2分足らずで4連続アシストし、駆け足でトリプルダブルをマークしました。ちなみに、トリプルダブル記録はドレクスラーの18回。ヌルキッチであればもしかしたら...という期待を持っています。また、ブレイザー史上初のブロック入りのトリプルダブルも夢ではありません。
レイマン、アミヌがリラマコヌルを助ける完璧な試合をしていたように思います。この3人とプレイするウィングはオフボールでの動きが非常に重要になります。相手ディフェンダーはリラマコへ意識が向いているので、ヌルキッチ+2人のウィングで加点できれば、リラマコもその恩恵を受けることができます。
wings | PTS | FG | 3P | REB | AST |
---|---|---|---|---|---|
ジェイク・レイマン | 18 | 8/11 | 2/2 | 3 | 3 |
アル・ファルーク・アミヌ | 14 | 6/7 | 2/3 | 9 | 1 |
ヌルキッチの登場で、ウィングの役割は変化しました。もうハークレスは、"チームメイトが自分を見つけてくれない"と嘆くことはないでしょう。難点は、すべてヌルキッチに依存しているということ。彼が離脱することは考えたくありませんが、そうならないという保証はないので、今後も怪我が起こらないことを祈るしかありません。
ベストモーメント:NAMASTE RETURNS
😂😂😂😂 pic.twitter.com/XQUQ4We8PH
— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年1月17日
#47 1月18日(金) vs ニューオーリンズ・ペリカンズ
another impact | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | END |
---|---|---|---|---|---|
Pelicans (21-25) | 29 | 29 | 28 | 26 | 112 |
Trail Blazers (28-19) | 32 | 42 | 30 | 24 | 128 |
矛盾した未来
1つ負けるたびに、デイビスとペリズの未来が見えなくなります。セルツやレイカーズへのダイブが大々的に囁かれる中、この日"完全に健康なペリズ"でプレイオフの再現をしたかったはずですが、返り討ちに合いました。よく、今シーズンのペリズが勝てない理由の一つとしてロンドが去ったことが挙げられますが、敵目線ではその影響をかなり感じます。
pelis O&D | ORtg | DRtg | NRtg | FG% | AST | OPP PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
17'18 | 108.4(12) | 107.4(14) | 1.1(13) | .483(2) | 26.8(3) | 110.4(29) |
18'19 | 113.6(3) | 112.0(27) | 1.6(13) | .481(4) | 27.0(4) | 115.8(28) |
昨年より攻撃力は上がっていても、守備が壊滅状態です。140点取っても、150点取られるような試合をしていては負けます。それも、ホリデーやデイビスというリーグ最高のディフェンシブコンビがいながらも、彼らとペイトン以外のディフェンダーがザルすぎます。
リムプロテクターもいなくて、ペリメーターディフェンダーも数が圧倒的に少ないので、敵はとても攻めやすいです。直前のウォリアーズ戦で42FB*3得点を許すなど、トランジションDはひどいもので、この日もそれが顕著に見えました。
アシストこそ多いものの、連携が取れてるというよりは、それぞれの個人技で淡々と得点を重ねていました。ペイントでごり押ししてくるチームというイメージが非常に強いんですが、ランドルとデイビスにビッグゲームをさせなかったアミヌとコリンズのディフェンスが光っていました。
試合の最初から指を気にしていたデイビスが、4Qの終盤でいよいよ痛めました。その後1-2週間の離脱が発表されましたが、ペリズにとって最大の踏ん張り時がきているようです。
選択肢の増加
レイマンの2Qはサーカス状態でした。ヌルキッチ始動で点火。その後のショットも立て続けに決まり、お祭り騒ぎに。20点目を決めたショットには、さすがに血が沸き立ちました。試合後、ジェントリーHCはレイマンにやられすぎたことを憤慨していたようですが、そもそも彼らにレイマンを守るという選択肢は無かったはず。
2q only | PTS | FG | 3P | REB |
---|---|---|---|---|
ジェイク・レイマン | 20 | 8/14 | 4/9 | 1 |
ハークレスが復帰し、スターターで好調だったレイマンがベンチに入るとなると、どうなるんだろうと思っていましたが、関係ありませんでした。彼はスターターのときと同じように動き、そしてインパクトを与えました。
彼をマークする選手がムーア(6'4'')の場合はサイズ(6'9'')で優位に立ち、ミラー(6'8'')だったらスピードで優位に立てます。相手のエースディフェンダーは当然リラマコをマークするので、彼のマッチアップ相手は大抵、小さい選手か遅い選手で、守備が得意ではない選手です。
そこに付け込むように走り回ってくれるので、たとえ得点できなくても彼はフロアに良い影響を与えることができています。また、彼の守備は最大の弱点ですが、オフボールのときはヘルプ/ウィークサイドへのカバー意識が高く、チームDの一部として機能しているように見えます。オンボールディフェンダーとして貧弱なのは否めませんが、彼がベンチの新たな起爆剤になってくれれば、このチームはもっと勝てるようになります。
また、プレイオフで辛酸をなめたミロティッチとヌルキッチのマッチアップを回避し、早めにコリンズに切り替えました。プレイオフでは叶いませんでしたが、今シーズンの彼はミロティッチからランドルまでを守れるビッグマンに成長しています。しかし、ミスコール多かったですね...
また、ストッツHCがブレイザーズHCとしての300勝に到達しました。
Congrats, Coach!
— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年1月19日
Terry Stotts is 1 of 4 active coaches to reach 300 wins with their current team (Gregg Popovich, Erik Spoelstra, Rick Carlisle). #RipCity pic.twitter.com/5b7U9tK1Ms
ベストプレイ:The Jake's Game
This is @JLayman10's world & we're just living in it. pic.twitter.com/KEU6YGGbc9
— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年1月19日
Week15のブレイザーズ
リーグイチ厳しいスケジュール超え、上昇モードにあるチーム。前回(21点差)、前々回(30点差)で大敗を喫しているので、できれば避けて通りたい苦手な相手。ゴベールとフェイバーズという信じられないブロッカーを2人も擁し、ペイント内での苦戦は必至。外からのショットもセス以外は期待薄。どうやったら彼らに勝てるのか。想像がつかない。
第3シードを争う上で避けて通れない相手。一時の落ち込みを経験したものの、リーグ最強ツートップの1つであるジョージ&ウェストブルックは一度火がついたら止められない強敵。互いにB2Bゲームだが、ブレイザーズはベンチが不安。シュルーダーを潰して、アドバンテージを取られないことが重要。
西唯一の最下層チーム。そして17'18の開幕戦で歴史的大差で勝った、良い気持ちで入れる場所。今シーズンのブレイザーズはトラップゲームに引っかかっていないため、それを継続したい。ヌルキッチがエイトンを悪用するトリプルダブルウォッチに期待したい。
再びタンクチームとの試合。ディフェンスは壊滅的なものの、ヤングのパスを介した攻め、コリンズのゴリ押しによるオフェンス力は強い。ホームでトラップゲームにかかるわけにはいかないので、きちんと勝利したい。また、ヤングとリラードのNBAでの初対面は見もの!